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建物基礎の歴史?
こんにちは。 突拍子も無いことなんですが、 住宅の基礎にコンクリートが使われ始めたのはいつ頃からか分かる方いらっしゃいますか? また、それ以前はどんな素材が使用されていたんでしょうか。 大谷石とかが一般的だったのでしょうか? 宜しくどうぞ御願いします。
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コンクリートはひび割れに弱く、本格的に構造材に用いられたのは、中に鉄筋を入れる方法が考案されてからです(確かフランスで特許になっていた)。 だから鉄筋コンクリートとして基礎にコンクリートが使用されるようになったのはそんなに古いものではありません。 日本では明治維新後、西洋技術の導入を盛んに行いました。その中で鉄筋コンクリート構造も導入されました。時期的には明治時代の後半です。だから、住宅の基礎に使用されたのもその後です。 それ以前は柱の下に石を置く方法が使用されていましたが、大谷石のように柔らかい凝灰岩ではなく、もっと硬い石が使用されていたようです。 奈良時代の寺院跡などからこのような石は見つかっていますし、もっと以前の遺跡からも見つかっているようです。 但し庶民(下層階級)の住宅の場合そこまでの処理はしておらず、柱を直接地面に埋め込んだ形式もかなり最近まで使用されていたようです。 なお、大正時代にあった関東大震災では、日本古来の木造や同じ西洋式の石や煉瓦造りの建物が倒壊したのに対して(木造の場合は火災による倒壊も含む)、鉄筋コンクリート造は耐えたものが多かったので、鉄筋コンクリートの耐震性が注目されました。その後鉄筋コンクリート使用の建物が増加しています。 特に早稲田大学の内藤多仲先生が自らの理論で耐震設計した鉄筋コンクリート建物は被害がなかったということで、このあたりからコンクリートの耐震設計の考え方が始まっています。 つまり関東大震災の経験が鉄筋コンクリート構造が耐震性に優れたものであることを証明し、普及させました。 但し、鉄筋コンクリートが耐震性に優れるからといって、住宅の基礎に使用されるようになったかまではよく知りません。 現在のように生コン(レディミクストコンクリート)が使用されるようになったのは昭和24年頃です。つまりこの時期になると工場で練り混ぜして運搬するという大量生産が必要な程の需要があったものと思われますので、このころは鉄筋コンクリートがかなり普及していたものと思います。 ちなみに昭和25年に建築基準法ができ耐震基準も造られました。 2つの時期はほぼ同じですので、この時期には本格的に基礎にも鉄筋コンクリートが使用されるようになったのではないかと思います(なお、昔は無筋コンクリートの基礎もokでしたけど)。 そして、日本耐震基準の歴史は、 早稲田大学内藤多仲先生の耐震理論 関東大震災の経験 東京大学佐野利器先生の家屋構造論 を経て、 日本初(多分世界でも初)の耐震規定が東京市条例に盛り込まれる。 昭和25年に東京市条例の耐震基準を参考に建築基準法が制定され、耐震基準が全国展開 法律の影響は大きく、耐震基準が制定されると最低限必要な建物の構造性能は全国一律になります。 そう考えると最初に耐震基準が盛り込まれた東京市条例の制定あたりから、本格的にコンクリート基礎が採用されるようになったのではないかと思います。
その他の回答 (2)
#2です。 自分の記憶だけで書いたので、調べてみたら記述内容にいくつか間違いがありましたので訂正します。 佐野利器先生の論文の正式名称は「家屋耐震構造論」で1914年のものです。 内藤多仲先生の理論は「架構建築耐震構造論」が正式名称で、発表が1922年です。 2人の理論の発表時期の前後が間違っていました。 また関東大震災は1923年です。 主に東京に適用されたので市の条例と勘違いしていましたが、東京市条例と書いたのは「市街地建築物法」という法律の間違いでした(法律名からして大都市だけ適用された規定と思われます)。 制定は1919年で構造規定が作られ、耐震規定について1924年に改正されています。
- m_inoue
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ローマ時代のローマが初めでしょう
補足
ごめんなさい。書くのを忘れていましたが、 日本でのことを教えてください。 また、確認できうる最も古い時でなく、どちらかといえば コンクリートの使用が一般的になってきたころが知りたいです。
お礼
semi-zzzさん、 大変詳しく教えていただき、感謝します。 昭和25年(1950年)頃からコンクリートの使用が本格化し始め、 昭和46年(1971年)からコンクリートの使用が義務化された。 と、理解させていただきました。 どうも有り難うございました。