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敬語について
先日文化審議会で決まった指針で『謙譲語I』『謙譲語II』がありますが、指針の文章を読んでもこの2つの違いがよくわかりません。 どなたかわかりやすく具体例をあげて教えていただけませんか? 先日敬語の質問をさせていただき、敬語の指針というのを教えていただきました。(教えていただいた方ありがとうございました)それを読んでいてわかったことです。
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前回もお答えしたものです。 (1)私は先生に事情を話しました。 (2)私は先生に事情を申し上げました。 (3)私は父に事情を申しました。 それぞれ動詞の部分にご注意下さい。(1)は「話す」、(2)は「申し上げる」、(3)は「申す」が使われています。まず、この点を確認しましょう。 なお、文末の「まし」という丁寧語の部分については、ひとまずわきに置いてお考え下さい(あとで若干説明に丁寧語が関係してくるところもあります)。 (1)の「話す」は、常体(敬語ではない普通の言い方)です。 (2)は、「話す」が「申し上げる」になっています。これが謙譲語1です。 (3)は、「話す」が「申す」になっています。これが謙譲語2です。 さて、(1)~(3)の文には、すべて三人の登場人物が出てきます。 (1)・(2)は、「私」「先生」、そして私から話を聞いている人です。(3)では「先生」が「(私の)父」に変わっています。 (2)では、私が、私の行為(話す)の向かう相手、つまり「先生」に対する敬意を表しています。 このように、話者(自分側)が、その<行為の向かう先>を立てて言う敬語が謙譲語1です。次の各例でお確かめ下さい。いずれも「話者」の【行為】が、<向かう先>を持っていて、その<先の人間>を立てていますね。なおDの「お手紙」のように、名詞に「お(御)」がついて謙譲語1になることもあります。 A「私」は<先生>の家を【伺う】。 B「手前ども」は<お客様>に景品を【差し上げる】。 C「僕」は、<隣のおじさん>を部屋に【ご案内し】た。 D「みんな」から、病気の<先生>に【お手紙】を出した。 以上が謙譲語1の基本です。 なお、すべての動詞がこの形になるわけではなく、<向かう先>を持つものに限られること、名詞の場合も同じであることは、上の説明からご理解いただけると思います。例えば、 「車を御運転する。」「おケーキを作る。」 とは言いませんが(謙譲語としては)、それは「運転する」「ケーキ」が、行為の<向かう先>を持たないからです。 謙譲語2の方にいきましょう。 (3)私は父に事情を申しました。 この場合、私(自分側)の表面上の行為【申す】は、その<向かう先=父>を立てたものではなく、「私は父に事情を申しました。」という言葉を話している(あるいは向けて書いている)相手を立てたものです。そもそも「申す」という謙譲語を自分側の人物である「父」には用いません。よって、この文が正しいのなら、敬意の向かう先は「父」以外にあるはずで、それが【話している相手】であるわけです。 (1)と(2)の場合、文末を「話した」「申し上げた」と常体にしても(丁寧語を用いなくても)不自然ではないのに、(3)の場合「私は父に事情を申した。」とすることができないのは、(3)の場合聞き手(話し相手)が必ずいて、その人物に敬意を表しているからです。つまり、謙譲語2の場合は、それに続く部分は丁寧語になるのが普通です(結果的にそうなると言うことであって、謙譲語2が丁寧語を伴う決まりがあるわけではありません)。例をご覧ください。「話者」の【行為】は、<行為の向かう先>ではなく、その話を聞いている(読んでいる)相手です。 また、謙譲語1とは違って、B・Cのように行為が向かう先を持たない言葉もなることができます。ただ、すべての動詞が謙譲語2になれるわけではない(この点は理屈で説明できない部分もあります。敬語の難しさはここら辺にあります)ので、注意が必要です。また、Dの「 」内のような言い方(名詞。ほかに「愚息」「弊社」など)も、謙譲語2の用法です。 A「私」は<会社>に【参り】ました。 B その仕事は「我が社」が【いたし】ます。 C その日は、「僕」は一日中家に【おり】ました。 D 「拙著」はお読みいただけましたでしょうか。 謙譲語2の基本は以上です。 なお、「お(御)~いたす。」という形は、謙譲語1と2の両方を兼ねる(両方の性質を持つ)とされます。この場合、<動作が向かう先>と、話している相手が一緒の場合もあれば、別人物である場合もあります。ただいずれにしろ、1と2の両方の謙譲語になれる条件がそろっている場合に限って、この形をとることができます。 A「私」から<先生>の【御説明いたし】ます。」 以上はすべて、「敬語の指針」の内容を私なりにかみ砕いて御説明いたしたものです(謙譲語1・2兼用型を使ってみました)。
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- OKAT
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文化審議会の「敬語の指針」(報告書案)は、昨年発表され、一般の意見を求めたが、結局はほぼ同じ内容で平成19年2月2日(金)に答申されました。 http://www.bunka.go.jp/1kokugo/pdf/keigo_tousin.pdf がそれです。 「謙譲語1」と「謙譲語2」(net上ですのでローマ数字は避けました)「謙譲語1」は今までの「謙譲語」とほぼ同じ、「謙譲語2」は「丁重語」とも呼ばれ、区別しています。 二つの相違点は、この文書の18ページ、28ページ、38ページを読めばかなり具体的に書いてあり、分かると思うのですが。もし分からなければ、具体的な例を挙げて再質問してください。
お礼
了解しました。 ありがとうございます
- ANASTASIAK
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謙譲語は性質により2種類に分割されました。 どうちがうのかというと、動作・行為の向きによって区別する わけです。 まず、「伺う」「申し上げる」などのように動作の対象が相手に むかって敬意を表わしている場合には、これを「謙譲語I」とし、 一方、 「申す」のように自分が言っていることばなどを丁重に表現する 場合、これを「謙譲語II」とします。この謙譲語は丁重語という ことばでも表現できるものです。
お礼
向きというのがニュアンス難しいですね。 ありがとうございます
お礼
再三の回答ありがとうございます。 勉強します