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アメリカ文学に詳しい方

ghostbusterの回答

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回答No.4

アメリカ文学というものをおおざっぱに分類すると、 1.植民地時代~建国 2.独立革命前後 3.十九世紀前半から南北戦争まで 4.十九世紀後半 5.1920年代まで 6.大恐慌から「怒れる30年代」~第二次世界大戦まで 7.第二次世界大戦以降 ということになるかと思います。もちろんいろんなわけかたがあるし、'50年代、'60年代、というふうにもっと細かく分けるやりかたもあります。 「文学史上における代表作」というのは、その時代を代表するものをあげていく、ということになるかと思うんです。 で、これは、まじめにやっていくとカナーリ大変な仕事でもあります。 ですから、あんまり真剣にならず(ゴメンナサイ)とりあえずは時代的にわたしが考える代表作をあげていきます。 本によっては、手に入りにくいものもあるかと思いますが。 あと、韻文に関しては、ヨーロッパからの移民、またヨーロッパへ渡った人をどうするか、という難問がありますし、戯曲になるとこれまた込み入ったあれやこれやがあるので、ここでは除外して、散文に限定することにします。 もし、こういうのが知りたい、というご希望があれば、補足なさってください。 いつになるかわかりませんが、お答えします。 ということで、晩ご飯の時間まで、サクサクとやっていきましょう。 1.植民地時代から建国まで この時期で一番有名なものは、「フランクリン自伝」です。これは発刊は1791年。 自伝の中心は、フランクリンの生活信条を要約した「13の徳」です。 これはのちに『グレート・ギャツビー』のなかで一種のパロディとして登場します。 いわばハウツー本の元祖、ビジネス書の元祖ではあるのですが、アメリカ人がいったいどういうものを是としているか、あるいは植民地時代の人々がどのような暮らしをしていたか、いろんな意味で興味深いものです。 2.独立革命以降 そうだなあ、この時期は、あんまりマニアックになるので、パスです。ゴシック小説の元祖みたいなものが生まれているのですが、翻訳もされてないし。 3.19世紀前半 そうして、いよいよ輝かしい19世紀、文学の時代の幕開けです。 まず下にも出ているワシントン・アーヴィング。 有名なところではアメリカの浦島太郎、リップ・ヴァン・ウィンクルを書いたのもこの人(短編小説集『スケッチブック』(1820)所収)。映画にもなった「スリーピー・ホロー」も入っています。 もうひとり、ジョージ・フェニモア・クーパーを。 五部作『レザー・ストッキング物語』を著します。この五部作のなかでは『最後のモヒカン族』が有名。映画にもなりましたが、邦訳では福音館から出ている『モヒカン族の最後』がおすすめ。ワイエスの挿絵が楽しい。 4.19世紀中葉 これは三人の偉人をあげましょう。 ホーソーン、メルビル、そうしてエドガー・アラン・ポーです。 ホーソーンはやっぱり『緋文字』(1850)、今読むと相当かったるい(笑)ですが、アメリカ文学史上避けては通れない人です。 メルビルはもう『白鯨』(1851)が圧倒的に有名ですが、これはいま読んでも十分におもしろい。 エドガー・アラン・ポーはもうことさら作品をあげるまでもないでしょう。 5.南北戦争から19世紀後半 この時期はもう挙げたい人は山のようにいますが、順当にいってマーク・トウェイン、セオドア・ドライサー、ヘンリー・ジェイムズを。 まず、マーク・トウェインは作品はいいですね。 セオドア・ドライサーは『シスター・キャリー』(1900)、あるいは『アメリカの悲劇』(1925)をあげておきましょう。アメリカの自然主義文学を代表する作品と言われています。 ヘンリー・ジェイムズはヨーロッパ生活が長い人ですが、『ある貴婦人の肖像』(1881)にしても『鳩の翼』(1902)にしても、ヨーロッパにおけるアメリカ人を終生テーマにとりあげています。後代のアメリカばかりでなく、多くの作家に多大なる影響を与えた、19世紀文学から現代文学へと架橋していくような巨星であると思います。 6.二十世紀~1920年代 この時期はやはり第一次世界大戦以降、重要な人物がきら星のごとく登場します。 まずシャーウッド・アンダーソン、ウィリアム・フォークナー、アーネスト・ヘミングウェイ、スコット・フィッツジェラルド、シンクレア・ルイス、とりあえずざっとこんなところかな。 まずシャーウッド・アンダーソンは代表作である連作短編『ワインズバーグ・オハイオ』(1919)を。 フォークナーは、とりあえずは『八月の光』(1932)から。 ヘミングウェイはやっぱり『日はまたのぼる』(1926)など。できれば短編より長編の方が慣れるまではわかりやすいと思います。 フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』(1925)はお読みでしょうか。 日本ではどういうわけかあまり有名ではないですがシンクレア・ルイスは『本町通り』(1920)などでアメリカ初のノーベル文学賞を受賞しています。 4.大恐慌以降 この前の時代に引き続き、フォークナーとかヘミングウェイとかも活躍していますが、この時期の作家といえば、ジョン・スタインベック、ドス・パソス、トマス・ウルフでしょう。 ジョン・スタインベックというと、『怒りの葡萄』(1939)(アメリカではシンクレア・ルイス、ウィリアム・フォークナー、そうしてこのスタインベックの三人がノーベル文学賞を受賞しています)。 ドス・パソスは三部作『U.S.A.』(1938)が代表作。ただしこれは手法的にものすごく斬新なので(新聞記事や広告などのコラージュ、あるいは意識の流れ)、相当に読みにくいかもしれませんし、翻訳もいまはかなり手に入りにくい。 トマス・ウルフは『天使よ故郷を見よ』(1929)を。 あー、ここまで書いたら疲れた。 戦後はご希望があれば、書きます。 ということで。

alchera
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。興味深く拝見しました。 回答で名前が挙がったものについては全て読むつもりでいるのですが、五部作がツライですね……。「U.S.A.」もツラそうだな……ううむ。 戦後については、では念のために、しかし出来れば3人くらいの範囲でお願い出来ますでしょうか。多くても5人くらいで。お気がむきましたらで結構です。

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