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細胞の情報伝達

細胞の情報伝達を説明する上で、『シグナル、受容体、セカンドメッセンジャー、タンパク質リン酸化リレー』といった用語がでてきます。 各用語の意味は本などで調べて理解したのですが、実際、どのようなときにこのような情報伝達が起こっているのかが、いまいち結びつきません。 上記した用語と結びつけて、情報伝達の有名な事例をご教示いただきたいと思います。よろしくお願いします。

質問者が選んだベストアンサー

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  • gori8063
  • ベストアンサー率36% (116/319)
回答No.1

細胞での情報伝達は「いつでも」起こっていることです。ただ、具体的に例が出ないとわかりにくいですよね。 たとえば、こんな例はどうでしょう。ホルモンであるインシュリンの例です。 インシュリンはホルモンとして膵臓から分泌され、めぐりめぐって肝臓の細胞(の外)へやってきます。これが「シグナル」です。セカンドメッセンジャーに対してファーストメッセンジャーと呼ぶ場合もあります。 シグナル分子は細胞表面にある「レセプター(受容体)」で捕らえられます。レセプターはタンパク質でできていて、細胞膜をつき抜ける構造をしており、シグナル分子が結合するとその構造が変化します。 構造が変化すると、レセプターの細胞内側の部分が酵素として働きます。(スイッチがONになる感じです) この酵素の作用として「他のタンパク質をリン酸化する」という作用を持つものが多いのです。 で、その「他のタンパク質」(2番目のタンパク質と呼びます)ですが、これも実は酵素でして、リン酸化を受けるとスイッチON、リン酸化していないとスイッチOFFになるような酵素なのです。 で、この2番目の酵素がスイッチが入ると何をするかと言うと、また他のタンパク質(3番目のタンパク質とよびます)をリン酸化したりするのです。 こういったリン酸化を介した情報の伝達(スイッチのOn/Off)を「タンパク質リン酸化リレー」とか「リン酸化カスケード」と呼びます。 また、タンパク質のリン酸化だけでなく、他の低分子化合物を介して細胞内でスイッチのON/OFFをする場合もあります。 それがセカンドメッセンジャーと呼ばれる物質で、「cAMP」とか「ホスファチジルイノシトール 4,5-二リン酸」などの物質が伝達物質として働いたりします。 URLに分かり安い絵がありますので参考にしてください。 で、最終的にその情報がどうなるかというと、核まで伝達し、必要な部分のm-RNAの転写を支持し、情報に応じて必要なタンパク質が合成されるのです。 この例ではグリコーゲンを合成するタンパク質(酵素)が合成されて、血糖値が下がるというわけです。

参考URL:
http://www.md.tsukuba.ac.jp/basic-med/biochem/kanaholab/research/words.html
arancione
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 情報伝達の流れが理解できました。 載せていただいたURLもじっくり読んでみます。 ありがとうございました。

その他の回答 (3)

  • Chicago243
  • ベストアンサー率38% (401/1043)
回答No.4

http://www.cosmobio.co.jp/catelog/pdf/bionews_2003-phospho.pdf これは研究試薬屋さんのカタログですか参考になると思います。ちょっと私のコンピューターから文字が読めませんが、、、、 http://www.cellsignal.jp/reference/pathway/index.php ここも研究試薬屋さんのページです情報伝達のカスケードの図かあります。具体的解説はありませんが、あとちょっと全体像を把握するには複雑すぎますけど、現状がある程度分かると思います。 http://www.amazon.co.jp/gp/product/4897068762/sr=8-1/qid=1156532597/ref=sr_1_1/249-7685794-4388311?ie=UTF8&s=gateway http://www.amazon.co.jp/gp/product/4897069378/sr=8-2/qid=1156532597/ref=sr_1_2/249-7685794-4388311?ie=UTF8&s=gateway http://www.amazon.co.jp/gp/product/4897062772/sr=8-3/qid=1156532597/ref=sr_1_3/249-7685794-4388311?ie=UTF8&s=gateway http://www.amazon.co.jp/gp/product/489706578X/sr=8-5/qid=1156532597/ref=sr_1_5/249-7685794-4388311?ie=UTF8&s=gateway http://www.amazon.co.jp/gp/product/489706967X/sr=8-6/qid=1156532597/ref=sr_1_6/249-7685794-4388311?ie=UTF8&s=gateway 挙げているときりがないですが、たくさん本が出回っていますのでかうか、図書館で読むのが一番だと思いますがどうでしょうか。

arancione
質問者

お礼

アドバイスありがとうございます。 いろいろな本があるんですね!とても参考になりました。 図書館で探してみます。 ありがとうございました。

  • gori8063
  • ベストアンサー率36% (116/319)
回答No.3

#1です。#2さんの質問に回答です。 今回はあくまで#1さん(今のところ専門家ではないと考えています)にわかりやすいような「知名度の高い」アゴニストとしてインシュリンを挙げたつもりで、インシュリンの生理作用が説明どおり正確であるという立場で記述しませんでした。 その点では「正確ではない」回答をしてしまったことはお断りしておきます。あくまで質問者のキーワードを説明するための例(学問的には適切な例ではなかったかもしれません)として挙げたつもりです。 ご理解ください。

回答No.2

No.1の方に質問です。インスリンって、直接グリコーゲン合成酵素発現を上昇させるのですか?Akt/PKBを介して、GSKが活性化され、その結果、グリコーゲン合成促進だと理解していました。それから、インスリンの血糖下降作用で重要なのは、GLUT4の発現上昇と、その細胞膜へのトランスロケーションだと思うのですが、いかがでしょう?質問者様の質問と直接関係なく、非常に申し訳ないのですが、よろしかったら、ご教授願います。

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