JRの往復割引乗車券の払いもどし金額の計算例
JRの往復割引乗車券の払いもどしについてはJRの旅客営業規則第271条及び第274条に規定されています。
理解を深めるため、実際に計算したいと思います。間違いがあれば指摘してください。
(前提)
千葉-岡山の往復割引乗車券を千葉駅で購入し、千葉駅から旅行開始し、新神戸で途中下車後、前途の旅行を中止し新神戸駅で払いもどしをする。
ちなみに、
・千葉-東京-岡山の片道運賃=10,500円
・同上の往復割引運賃(片道600km超)=10,500×0.9×2=18,900円
・千葉-東京-新神戸の片道運賃9,350円
・新神戸-岡山間の営業キロ=100km超
なお、払いもどしをした後は、新神戸から千葉までの片道乗車券を改めて購入し、帰る予定です。
(払い戻し額の計算)
(1)ゆきの切符は規則第274条第1項により計算する。
ゆきの切符について、その乗車しない区間(新神戸->岡山)が100km超なので払い戻し可能。
払い戻し金額は、既に支払った旅客運賃(ゆきの切符は10,500円×0.9=9,450円を支払って購入したこととなる)から既に乗車した区間(千葉->新神戸)の普通旅客運賃(9,350円)を差し引いた残額、ということで、「100円」となります。
(2)かえりの切符は、規則第271条第2項により計算する。274条第2項により、未使用なので旅行開始前のものとして扱われ、残キロ100km超という条件には関係ない。
規則第271条第2項によると、既に収受した往復旅客運賃(18,900円)から既に使用した往片等(ゆきの切符を指すのでしょう)の券片区間(千葉->岡山)に対する無割引の普通旅客運賃(10,500円)を差し引いた残額、ということで、「8,400円」となります。
(3)上記一連の手数料ですが、これは往復乗車券の場合、ゆきとかえりの2枚を取り扱っても1枚分の「210円」で済むことが別の条文にあるそうです。
(4)以上により、結局払い戻される金額は、(1)+(2)-(3)=100+8,400-210=「8,290円」となります。
どうか、答案の採点をお願いします。
(蛇足)
私はこれまで次のような間違った計算をしていたようです。
つまり、本例の場合、計算に関係するのは(手数料は別として)271条第2項のみと錯覚していたんです。
271条第2項にいう「既に使用した往片等の券片区間」を「既に使用した往片等の乗車済み区間」と勘違いし、従って、払いもどし金額は、すでに収受した往復旅客運賃(18,900円)から、既に使用した往片等の乗車済み区間(千葉->新神戸)に対する無割引の普通旅客運賃(9,350円)を差し引いた残額、ということで、9,550円となります。
ここから手数料210円を差し引いて結局「9,340円」となる、これが間違いの答案だったのでした。
しかし!。何か変だなぁ。条文に則して計算すると上記回答案の通りなんですが、条文を離れて素直に思考すると、「間違った計算」の方が理屈に合っていますし納得性があるのではないでしょうか。
払いもどしを受けた後、千葉まで帰るのにお金を追加しなければならないなんて。絶対おかしい。どこか間違っている!。
(参考)旅客営業規則
(旅行開始前の旅客運賃の払いもどし)
第271条 旅客は、旅行開始前に、普通乗車券が不要となつた場合は、その乗車券の券片が入鋏前で、かつ、有効期間内(前売の乗車券については、有効期間の開始日前を含む。)であるときに限つて、これを駅に差し出して既に支払つた旅客運賃の払いもどしを請求することができる。この場合、旅客は、手数料として、乗車券1枚につき210円を支払うものとする。
2 前項の規定により払いもどしの請求をした乗車券が往復又は連続乗車を発売条件として発売した割引乗車券であつて往片等その一部を使用している場合の払いもどし額は、同項の規定にかかわらず、既に収受した往復旅客運賃又は連続旅客運賃から既に使用した往片等の券片区間に対する無割引の普通旅客運賃を差し引いた残額とする。
3 略
4 略
(旅行開始後又は使用開始後の旅客運賃・料金の払いもどし)
第274条 旅客は、普通乗車券を使用して旅行を開始した後、旅行を中止した場合は、その乗車券が、有効期間内であつて、かつ、その乗車しない区間の営業キロが、100キロメートルを超えるとき(乗車変更の取扱いをしたため100キロメートルを超える場合を除く。)に限つて、これをその旅行を中止した駅に差し出し、既に支払つた旅客運賃から既に乗車した区間の普通旅客運賃(当該乗車券が往復割引普通乗車券以外の割引乗車券で、旅行を中止しても既に乗車した区間だけでその割引条件を満たすときは、割引普通旅客運賃)を差し引いた残額の払いもどしを請求することができる。この場合、旅客は、手数料として、乗車券1枚につき210円を支払うものとする。
2 往復乗車券又は連続乗車券の未使用券片については、前項の規定にかかわらず、第271条の規定を適用する。
3 略
お礼
わかりました!! さっそくのご連絡ありがとう御座います。 料金は往復割引がかかった後に、さらに学割がかかっていたのですな。てっきり正規運賃の3割だと思っておりました。 謎が解けました。ありがとうございます。