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析出型時効硬化について

溶体化処理を行ったAg7%Cu合金を時効硬化させたとき、 1;最大硬さはなぜ、低温で加熱したほうがより硬くなるのですか? 2;最大硬さになる時間が、高温で加熱したほうがより短いことと、反応速度とは、どう関係するのでしょうか? 硬化することと、結晶粒子の状態との関係がいまいちうまく理解できません。 よろしくお願いしますm(_ _)m

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  • triones
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回答No.1

分散粒子が転位の運動を阻止する強化機構に関するオローワンの式・・・ってなことを言わなくても、ありがちな指導指針:均一微細析出で最も硬くなる、というのは説明しなくてもよろしいですね? 過飽和な濃度にまで固溶させた溶質を温度を上げて析出させる場合、単位量の析出物が生じるときの自由エネルギーの解放は、低温の方が大きいです。固相線とぶつかるまであげるとこれはゼロになってしまいます。過飽和な状態では様々な大きさの析出核が生じていると考えられますが、小さな核は界面エネルギーが大きく、結局不安定です。界面エネルギー(析出の妨げ)は析出物核の半径の2乗に比例、析出による自由エネルギー解放(析出のドライビングフォース)は析出核半径の3乗に比例ですから小さい方が不安定です(詳しくは教科書の「均一核生成・成長」の理論を見てください)。ここで析出させる温度を変えて考えると、低温の方が単位体積あたりの自由エネルギー解放が大きくなりますが、界面エネルギーはあまり温度の影響を受けません。従って、より低温で時効する場合の方が、より小さい析出核まで安定化することができる、すなわち析出物の数密度がおおくなります。しかし、析出の進行そのものは拡散をともなう現象でより高温の方が早く進みます。正確には、固相線とぶつかるくらいに温度が高くなると、駆動力の自由エネルギー解放が小さくなり、最も析出の速度が速いのは固相線とぶつかるよりちょっと下の温度で、これより高くても低くても析出速度は遅くなります。このことがいわゆるTTT曲線でノーズを生じる原因です。

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