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脳梗塞について。
上記疾患は主に心房細動の経年的変化により器質化した血栓が剥離して、脳主動脈内で塞栓して発症すると考えられていますが、脳以外でも閉塞し重篤な病態を招く事も有るのでしょうか?また血栓形成は心臓、頚動脈内に限られるのでしょうか?更にどの様なタイミングで遊離するのでしょうか?ご教示宜しくお願い致します。
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No.2さんの回答を補足させていただくと、脳塞栓を起こすのは心臓、上行大動脈、頸動脈のみとのことですが、それらだけではなくて、脳内の血管(頭蓋内内頸動脈、中大脳動脈、椎骨動脈、脳底動脈など)にアテローム血栓を生じてさらに末梢の塞栓症を起こすことはあります。(動脈から動脈即ちartery to arteryということでA to A embolizationと言います) また、心房中隔欠損、心室中隔欠損、卵円孔開存があり右心圧>左心圧となっているときに脳塞栓症を起こすことがありますが(奇異性塞栓と呼ばれ、40歳以下の脳梗塞の原因の30~50%と言われています)、普段は右心圧<左心圧の人でも、咳をしたり、息を止めたりして胸腔内圧が一時的に上がり、瞬間的に右心圧>左心圧となった人にも起こりえます。 形成された血栓がどのような誘引で飛ぶかについてはinoge先生が回答されていますように予測は困難と思います。しかし、心房細動が48時間以上続いた患者さんに抗凝固療法なしでカルディオバージョン(電気ショック)を行なうことは、血栓を飛ばすリスクが高いので確か禁忌になっていたと思います。
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- gaugaugau
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>また血栓形成は心臓、頚動脈内に限られるのでしょうか? 血栓形成は他の動静脈でも起こりえますが、それが脳へ飛んで塞栓を起こすのは特殊な場合を除けば心臓(特に左心系)、上行大動脈、頚動脈の血栓だけです。なぜかというと、それ以外の場所(たとえば足など)でできた血栓は脳へ行く前に右心から肺へ送られ肺動脈につまるので、脳へは行かないのです。 ただし、心房中隔欠損・心室中隔欠損などがあり、かつ、右心圧>左心圧となっているばあいは右心へ流れてきた血栓が肺を通らず左心へ行き、脳塞栓を起こすということもありえます。
お礼
動静脈により塞栓症を来たす臓器に相違があると言うことで、左心系では脳動脈内,右心系では肺動脈内での塞栓が強く疑われるのですね。加えて心房中隔欠損 症、心室中隔欠損症の形態を有する患者さんの場合は、シャントにより左心系と同様の事も示唆される事も否定できないと、よく理解しました。 簡潔明瞭なご説明有難うございました。
- inoge
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脳梗塞の中でも他の部位からの血栓で閉塞するものを脳塞栓症,局所(同じ場所)の動脈硬化で閉塞するものを脳血栓症といいます. 塞栓は脳血管・冠状動脈以外の全ての血管でも生じますが,数時間で再開通する場合が多く,その程度なら持ちこたえるので症状を来たす事が少ないのです.重篤な症状が出て緊急処置が必要になるのは眼動脈,上下の腸間膜動脈が主だと思います. 血栓が心房に形成される誘引は多々ありますが,できた血栓がいつ飛ぶかははっきりした誘引は無いと思います.ワーファリンで予防していた場合は,内服を中止する事などは誘引となりえるかもしれません.
お礼
回答有難うございます。成る程、局所、限局性でのアテローム形成により血管狭窄し、末梢への供血滞り脳血栓症の発症も考慮しなければならないですネ。ひとつ疑問があります。塞栓による再開通とはどのような機序で起こるのでしょう。TIA等は前記範疇に属すると理解してよろしいんですね。 afによる血栓形成の誘因は血流停滞が主座で、心拍出量,圧増大により剥離すると考えていました。 また重篤な病態出現の眼動脈は失明、腸間膜動脈はイレウス(腸管虚血)の理解で宜しいのでしょうか?
お礼
更に詳細な説明で補足して頂き有難うございます。大変説得力のあるご説明だと思われます。A to A embolizationおよび血栓の集約化による末梢での塞栓症の形成。ASD,VSDの患者さんには,普段遭遇機会は少ないと思われますが,頭の片隅に記憶させて頂きます。 また脳梗塞罹患を有する患者さんに接する場合は,中枢側の疾患にも懐疑心をもって臨みたいと思います. 投稿して頂いた事に感謝申し上げます。