• ベストアンサー

放射性同位体の半減期

オートラジオグラフィーにおいて物質を標識しきする際に半減期の長い炭素や水素を用いるのは危険であるため、可能な限りリンや硫黄を用いるとあったのですが、半減期が長いとどうして危険なのですか?

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
回答No.4

一般的に半減期というと物理学的半減期を指しますが、危険性を議論するのであれば、生体に取り込まれたことも考えて、生物学的半減期やRIからでる放射線の種類を知る必要があると思います。  生物学的半減期というのは、生体中に取り込まれた放射性核種が、代謝、排泄などの生物学的過程によって初めの量の半分にまで減少する時間の事をいいます。確かに、物理学的半減期から見ると、32Pの14.3日に対して、3H(トリチウム)は12.5年と半端なく長く、トリチウムはなんて危ないんだ!ってなります。しかし、生物学的半減期を見ると、トリチウムは3週間足らずであるのに対して、32Pは実に3年という長さです。結局、実効半減期(物理学的半減期と生物学的半減期から算出される半減期)はほとんど変わりません。併せて、組織移行についても知っておく必要があるでしょう。例えば、32Pは骨へ、35Sは皮膚、131Iは甲状腺へ移行します。つまりその組織に濃縮され、組織特異的にダメージを受けます。  最後にRIから出る放射線の種類ですが、ご存知のようにアルファ線、ベータ線、ガンマ線があり(エックス線や中性子線もありますが・・・)、核種によって放射線が違います。これらに対する遮蔽方法や検出方法、汚染時の対処法も異なります。要は、使っている放射線が何なのか?どう危険なのか?どう対処すればいいのか?などを十分に知った上で、放射線実験施設で決められたルールを遵守して、実験を行う限りにおいて、特に危険はないと思います。何も知らないで実験をして、自分のみならず、周りの人を汚染に巻き込むのが一番危険です。  もっとも、現在は放射線ではなく蛍光試薬を使ってできる実験が多くなっていますので、そちらも確認したらいかがでしょうか?だらだらと書きましたが、参考になったでしょうか?

その他の回答 (4)

回答No.5

必ずしも、「危険だから」使わないというわけではないです。むしろ、エネルギーが弱すぎて検出、とくにオートラジオグラフィが困難だから実用的でないというのが理由でしょう。 たとえばの話、32Pなら一晩の露光で検出できるものでも、35Sなら数日、14Cやトリチウムなら数週間から数ヶ月、といった具合です。 14Cやトリチウムはトレーサーとして使われて、シンチレーションカウンターなどで測定するということはあっても、オートラジオグラフィーに使われることはまずないです。

  • MIYD
  • ベストアンサー率44% (405/905)
回答No.3

#1さんの書いた内容をわかりやすくすると、 たとえば32Pの半減期は約2週間で、 一年経ったら1億分の1位に減衰します。 2週間オートラで焼いたら、50%が崩壊してベータ線が出てきます。 これに対して3Hの半減期は約12.4年で、 一年経っても95%位にしか減りません。 2週間オートラで焼いても、1%も崩壊しないので検出するのにも効率が悪いです。

回答No.2

放射性同位体ということは放射線が出てるってことですよね。 この間、核医学検査で体内に点滴で放射性同位体を入れましたが、 放射線技師に「明日までお子さんは抱っこしないで下さい」 と言われました。 それだけ放射線が出続けて、小さな子供には危険だってことですよね。 何にラジオグラフィーを使うのか分かりませんが、 半減期が長ければそれだけ放射線が出続けるのですから、 細胞が長い間放射線にさらされ、細胞のダメージ大という事でしょう。

  • ymmasayan
  • ベストアンサー率30% (2593/8599)
回答No.1

半減期が長いとそれだけ長期間放射線を周囲に撒き散らし続けますね。 同じ検出感度を得るためには半減期の長いものの方を多量に使用する必要が出るはずですね。

関連するQ&A

  • 放射性同位体の半減期

    放射性同位体の半減期は、どのような要因で決まりますか? 化学結合、温度や圧力条件によって半減期が変化する事はありますか? 例えば、カリウム40の半減期は、バナナの中の物でも岩石の中の物でも同一ですか? もし化学結合、温度や圧力の影響が無い(あるいはほとんど影響しない)としたらそれはなぜですか? 言い換えるならば、多くの凝縮物質の物性が価電子の状態で決まるのに対し、放射性同位体の半減期は原子核の性質だけで決まるように見えるのはなぜですか? 質問したいのは、最後の文章だったのですが、「半減期が原子核の性質だけで決まる」という部分もあまり自信が無いので、回りくどい文章になってしまいました。 よろしくお願いします。

  • 半減期

    リン32 15P(質量数32、原子番号15)は半減期14日で硫黄32 16Sに変わる 32 15Pの数は56日後には初めの数の何倍になっているか 半減期14日でβ崩壊を1回起こすのは分かりました どう解くのでしょうか?

  • 放射性物質の半減期の長短

    巷で話題の放射能についての質問です。 「半減期が長い放射性物質=放射線障害が重大」のような論調をよく見聞します。しかし、半減までに発生する放射線量が同じであれば、むしろ半減期の短い放射性物質の方が短期間に集中して放射線を放出するので、よほど危険だと思うのですが、なぜ先のような論調を多く目にするのでしょうか? 自分なりに考えた結果は以下の通りですが、どなたか詳しいところをご教示いただきたく、よろしくお願いいたします。 (以下原発で生成さ放射性物質を念頭に) 1.半減期が長く危険と目される放射性物質には、原子核の崩壊をせずに放射線(ガンマ線?)を放出するものがある。 2.半減期が長く危険と目される放射性物質は、より危険な種類の放射線を放出している(でもかりに、影響力が百倍の放射線であっても、半減期がそれ以上であれば、やはり影響も限定されるような‥)。 3.世間に流布されている論調に誤りがある。

  • 放射性物質の半減期は安全の目安といえるのか?

    原発がらみの報道で「ヨウ素131の半減期は8日と短く…」といった具合に半減期という言葉が出てきます。 ざっと見た感じでは半減期が過ぎれば大丈夫であるかのように語ってる印象があるのですが、実際はどうなんでしょう? 1、 単純に考えれば放射能を持つ物質が半分に減るだけで、残りの半分は元気に放射線を出し続けるわけだし、その残りが半分になるために更に半減期の時間が必要であり、いつまでたってもゼロにはならないはず。 少なくとも危険な量の2倍あるなら半減期過ぎたって安全ではないでしょう。(危険な量の目安も曖昧ですが) 2、 物質によっては半減期を過ぎて崩壊したとしても別の放射性物質になっていたり、周囲にあった物体が放射線により放射化している場合がある。 3、 放射能を完全に失ってもヨウ素やセシウムなどといった物質としては健在である。 それらの化合物が化学的に及ぼす影響については? (劣化ウラン弾は内部被曝の危険性とは別に重金属としての汚染も問題視されてます) マスコミや専門家はこういった要素も踏まえたうえで安全と語っているのでしょうか? 無視していいレベルの問題なのでしょうか?

  • 放射線物質の半減期とは?

    放射線物質の、たとえば「セシウム137」は、半減期30年といわれていますが、何故、「半減期」なのですか?完全になくならないといけないのではないのですか?完全になくなるには、「セシウム137」の場合では、60年ということになるのですか?何故、完全になくなる期間で表さないのでしょうか?

  • 放射線の半減期について

    放射性物質は半減期に従って個数が徐々に減衰していきますが、t=0のときの値とかはどのように決めているのでしょうか?(理論とか実験とか)

  • 半減期が長い物質の半減期の求め方

    放射線学科の学生です。 放射性物質の238Uや235Uは非常に半減期が長いですよね? こういう物質の半減期はどのように求めたのですか? どのように求めたのか知りたいのでお答えできる方お願いします。

  • 半減期

    分からないので回答お願いします。 半減期2年の放射性物質がある。8年経過したら放射性物質は何分の何になるか?

  • 放射性物質の半減期

    水道水に放射性物質が含まれている、 半減期は8日日間と聞きます。 飲用の場合、念のため3日間程汲み置きをすると 良いと新聞記事にありました。 放射性「物質」というくらいですし、 空中を浮遊している物のようですから、 ごくごく微小の物体なのでしょうか? 汲み置きをする場合、ペットボトルなどに入れると思うのですが、 蓋をして密閉状態で汲み置きして効果はあるのでしょうか? 半減期により8日経つと半分に減る…と言いますが、 物体そのものはどこへいくのですか? 生き物なら死滅する…で分かるのですが、 それでもカス(死骸)は残りますよね。 放射性物質は生き物ではないし、消滅するのでしょうか? 気になって仕方ありません。 放射能・放射線等に詳しい方のご教授をよろしくお願いします。

  • 放射性物質と半減期と放射線量

    セシウム134は半減期2年  カリウム40は 半減期12億年  なので 同じ放射線量でも、セシウムの方が影響は大きい と主張している方がいます (両方が同じ100ベクレルでもセシウム134の方が生体に与える影響が大きい) この主張に非常なる疑問を感じているのですが、ご存知の方は教えてください 核種による放射線の特性とそれによる生体への影響の違いは、とりあえず無視するとして(この前提についても教えてください) 例えば 同じ500ベクレルなら、影響は同じだと思うのですがこのことについて 同じ放射線量を発生するのに、半減期の長い物質の方が半減期の短い物質より(その瞬間には)多量に存在しているだけのことだと思います、このことについて (同じ放射線量を発生している場合、カリウム40はセシウム134の12億/2倍存在している) よろしくお願いします