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アングロサクソン系とはなんですか?
tiuhtiの回答
- tiuhti
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元々の「アングロサクソン人」の定義(歴史的なもの)と、現在、より一般的に使われる「アングロサクソン人」の定義は、ある部分で重なる(あるいは密接な関係がある)が、元の定義から相当かけ離れてしまったので、一応別物、と考えた方が良い、私は思います。 歴史的には、既にstarfloraさんが説明されている通り、元々は現在のドイツやデンマークからブリテン島へ移住してきた「ゲルマン系の人々」の総称です。(詳細は、下の参考URLの最初の方=Anglo-Saxonsの説明=をご覧ください。) 現在では、そういった歴史的な意味に加え、血筋というよりは、「(特に英国外から見た場合の)英国人、英国出身者、英語を話す人」といった意味もあります。むしろ、こちらの方の使われ方が多いんじゃないでしょうか。(starfloraさんの言う広義の意味ですね。) 例えば、フランス人が、英国と米国を両方ともいっしょくたにして「アングロサクソン」と呼ぶ場合には、「血筋がどうだこうだ」ではなく、(多少英米を下に見ながら)「ヨーロッパ文化の主流であるフランス文化とは別系統の英国系の文化」というニュアンスが含まれている事もあるようです。(同じくinfopleaseのAnglo-Saxonの項=参考URLの下の方でも、歴史的な意味に加えて、英語のnative speakerとか、British Originとかいった、元々のAnglo-Saxonとは相当別の意味も載っています。) ですから、「アングロサクソン」系って書いてあっても、「アングロサクソンの血筋を引いているものという意味」なのか、あるいは単に「英国系(or英米系)」という事か、文脈から判断する必要があると思います。(日本人が使う「アングロサクソン」も、ご存知の通り日本人は英国=U.K.にスコットランド等が含まれる事をあまり意識しないので、相当程度同じ事が言えると思います。こういうのは、文章を書いている本人が、歴史的な意味で使っているのか、あるいは英米系という意味で使っているのか、意識していない例かも知れません。) WASPですが、建国以来から語るのなら、ほとんどの大統領がそうだったとは言えるのでしょうが、ケネディ以前に必須条件だった訳ではありません。(Martin Van Buren・1837‐41は明らかに違います。William McKinley・1897-1901も名前から推測するに血筋の点ではAnglo-Saxonではないように見えます。)これからも、支配階層の条件として、血筋が決定要因ではなかった事が推測できると思います。 大統領にプロテスタントが圧倒的に多い理由は、starfloraさんの回答にある通り、建国の精神からしても、プロテスタントが支配階層でありつづけた、って事だと、私も思いますが…。 因みに、アングロサクソンが今のイングランドに移住した時に、先住民であるブリトン人がすべてがウェールズに追いやられたのではなく、相当程度残ったと現在では推測されており(特にイングランド南西部には長くブリトン人の文化が残った)、その後ヴァイキングも移住してきて、それらが交じり合って今のEnglishになっている訳ですから、ノルマン人を横に置いても、血筋の点ではどの程度まで、English=Anglo-Saxonといえるのか、本当のところはよくわかっていません。 また、日本でいうところのイギリスでは、イングランド人=Englishが、支配民族とまでは言わなくとも明らかに優越的な地位にありましたから、(日本人を含む)外部の人間が「イギリス/英国」=「England・English」=「アングロサクソン」と思い込むのは、それ程不思議ではありませんし、これが「英国系」=「Anglo-Saxon」といった使い方が広まった理由なんでしょうが、しかし、English以外の「イギリス人」は、自分の事をEnglishとは思っていません。「あなたのnationalityは何?」って聞いたら、普通は、IrishとかWelshとか答えるでしょう。English以外の所謂「ケルト系」として括られる英国人(Scottish、Welsh、Irish)に向かって、Englishと呼ぶのは、ある本曰く「侮辱、どんなに控えめに言っても鈍感」って事になります。(私自身、その鈍感やってしまった事があります。当然訂正されました。)これはIdentityの問題ですから、場所が英国内外であるかを問わないと思います。 このように、血筋の話と、本人のIdentityの話と、「アングロサクソン」のような外部からの定義は、必ずしも一致しないのがややこしい所です。「アングロサクソン」という言葉が血筋の問題も含んでいると、決めつけると、かえって問題がよくわからなくなるかも知れません。
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