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働くということ

toshi-booの回答

  • toshi-boo
  • ベストアンサー率54% (19/35)
回答No.12

一応、卒論で労働観について書いたので、少しだけ私見を述べたいと思います。 そもそも、労働とは本質的には人間の能力などを反映し、さらには自分をも創っていくものであると考えられます。 労働という行為は、本来、他者(人間、自然、物を問わず)にさまざまな形で能動的に働きかけることです。 つまり、自分の考えたように他者を作り変えていく行動なので、必ず働く側の姿や計画、意思の現実性も同時に表出されてしまいます。 「私はどんなものでも上手く作ってみせる」と言ったとしても、本当に何か作ってみなければそれはただのうぬぼれに過ぎないのです。 例えば、実際に彫像をしなければ自分の技術やセンスなどが表れてきません。弁護士が弁護活動をするときにはその人の法律・判例の知識や弁論術が如実に現れてくるでしょう。肉体労働にしても、やはり身体能力や職業訓練や経験の差がよく出てくるのではないでしょうか。サービス業でも、接客の態度にその人の社交性などが問題になるでしょう。 そうして現れた客観的な「もの」に対してヨリ能動的に働きかけようとすれば、自分を見つめなおし、自分を以前とは変えようとしなければなりません。 そこに自己変革と他者への変革の兆しが現われるのだと思います。 さらに言えば、「よりよい人間になりたい」という人間の重要な欲求を、精神的にも肉体的にも、そして現実的な生活の場でも可能にする性質を持っているのだと言えるのではないでしょうか。 ドイツ観念論哲学のヘーゲルの労働論(『精神現象学』より)をベースにして、「労働の原理」を提示すれば、このような説明ができるでしょう。 そのほかにも、エンゲルスは進化の過程の中で、労働が果たした役割(「手」の形成、脳の発達など)を論じていますし、 労働の忌避ということについては若い頃のマルクスが示した「疎外された労働」論もあります。 余裕があれば、こうした書物を一読することをお勧めします(特に前者)。

pickelman
質問者

補足

専門家の方の(とは少し言いすぎでしょうか?)意見が聞けてとてもうれしいです。 この世に生まれてきた以上、ひとは自分の能力を試したくなる、 自分の生きた証を得るため人は働くと言い換えても良いのかな? toshi-booさんがご自分の論文をできるだけわかりやすく噛み砕いて書いてくれたのだと 窺い知ることができてとても感謝いたします。 さらに、教えていただいた文献もぜひ一度読んでみたいと思います。 ありがとうございました。

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