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ヒステリシスについて教えてください。

磁気回路に強磁性体を使用すると磁性体内部の磁気モーメントが磁界の方向に沿って並び磁束が多くなり、ある程度の量を超えると磁気飽和が生じ一定になると理解しています。が、磁気飽和を無視して更にHを強くしていくとどうなりますか?μを1とした場合の磁気飽和Bに対するHを超えた強さにすると、磁気回路内のBは磁気モーメントに関係なく多くなるのですか?漏れ磁束などを無視した理想論の場合と、現実の場合について教えてください。 宜しくお願いします。

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  • LCR707
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回答No.2

 wan_wan さん、おひさしぶりです。 もちろん、過去に回答させていただいたことは、良く憶えております。 wan_wan さんのご質問は、論旨が明確なので、その点では回答しやすいように思います。  磁芯が飽和したあと、Hの増加につれてBがわずかながらでも増加するかどうかについては、単に重ね合わせの理が成り立つから、と言うのが説明の根拠の一つですが、逆に、Bは一定になってHの増加にかかわらず変化しないと考えると、面白いことになります。この場合、Hが増加してもBは変化しない訳で、微分透磁率が0ですから、コイルのインダクタンスが0になり、非常に高い周波数に対してもインピーダンスの低い受動素子ができることになります。もしこれが実現すれば、画期的な発明で、いろいろな応用ができるでしょうが、中に入れた鉄心やフェライトコアを飽和させただけでこのようなことができるとは、思えませんね。    HやBを無限に大きくしたときに μ0 が変化しないかどうかについては、私は物理学者ではないので解かりませんが、μ0 や真空の誘電率ε0は、真空の光の速度c に関係している定数なので、μ0 が変化する状況と言うのは、空間自体が大きく変形あるいは変質しかけているような場合ではないかと思います。例えばブラックホールの近くやその中であれば、そのような状況になるのかも知れませんが、少々私の理解の範囲を超えています。  私は若い頃からSFが好きで、例えばラリー・ニーブンの「中性子星」などは愛読書なのですが、この中で、主人公は「絶対に壊れない宇宙船」に乗り込んで、中性子星を観測するために双曲線軌道で接近します。その軌道の近日点は、「光が青方偏移するほどの重力場」がかかる場所であり、主人公は思いもよらぬ理由で死にそうな目に会うのですが、そのような場所ならμ0やε0も変化するのだろうか…などと妄想するのは確かに楽しいことですね。

wan_wan
質問者

お礼

ご丁寧にありがとう御座います。 その上、興味深いお話までして頂いて。 思わず話しに、引き込まれてしまいました。 なんだか?最近の自分に夢がなくなったような?想像力の欠如が・・? って気持ちになり、周りのことに興味を持って接していきたいと思いました。 ありがとう御座いました。

その他の回答 (1)

  • LCR707
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回答No.1

 磁芯内の磁束密度Bは、真空の透磁率μ0によって求まる  B0=μ0・H と、 磁性体の磁気モーメントによる磁束密度  Bm=μ0(μ-1)H  との和  B=μ0・μ・H = B0+Bm になります。 従って、Bmが飽和してそれ以上大きくならなくても、B0はHに比例して増加します。  B0のうち磁芯を通らないものは、もともと漏れ磁束と見なされているものなので、Bmの飽和には本来無関係なのですが、Bmが飽和することによってコイル電流が急激に大きくなれば、結果的に漏れ磁束も大きくなります。  交流電源に接続する一般的なトランスの場合、定格より電圧が高かったり周波数が低かったりして磁束が飽和するとインダクタンスが減少するので、励磁電流が増加し、トランスがうなったり、コイルが焼損したりします。この場合、漏れ磁束も大きくなります。  コイル電流に直流成分を含むチョークコイルの場合、直流電流が大きくなると磁芯が飽和に近づき、インダクタンスが減少するので、交流成分に対するインピーダンスが低下します。  例えば、このチョークコイルにおいて、直流電流を非常に大きくして完全に磁芯を飽和させれば、交流に対しては空芯コイルと同等になると思います。  少し余談になりますが、この性質を利用したのが電流制御型磁気増幅器です。最近、数百KWのモーターの速度制御回路に使われているのを見ました。本来なら電磁接触器がある所にチョークトランスを置き、制御コイルに直流電流を流して主回路コイルのインダクタンスを可変し、モータに加わる電圧を変えて変速、および正転逆転を行うものです。制御コイルは少し特殊な巻き方をしており、主回路コイルの電圧や電流が制御コイルに現れないようになっていると思われます。これは20年ほど前に設計されたものであり、最近はこのクラス用のインバータも存在するので、大きなトランスを必要とする磁気増幅器はあまり新規採用されないのではないかと思いますが、技術的には興味深いものです。

wan_wan
質問者

お礼

LCR707さん!ご無沙汰しています。 過去に何度かご指導頂いた者です。今回もご厄介になり、ありがとうございました。 テキストによっては、磁気飽和後、Bは増えないような記述もありますが(読解力がないだけ??)、やはり、B0は増えるんですね?スッキリしました。ただ、増えないと見なせるぐらいの増え方ってのが正解なのでしょうか? 余りにも極論ですが、真空中では、無限に大きくHを強く出来れば、磁束も無限に大きくなるのでしょうか?(別の言い方をすれば、μは、何処までも定数なのでしょうか?)雑談的に教えてください。 宜しくお願いします。

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