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Sau3AIとBamHI

遺伝子をクローニングする時、染色体DNAをSau3AIで部分切断し、ベクターのBamHI部位に挿入するのが一般的みたいですが、なぜ完全切断でなく部分切断なのです?そもそも、部分切断と完全切断の違いはなんですか?よろしくお願いします。

質問者が選んだベストアンサー

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回答No.1

完全消化は、すべてのDNA分子上の、すべての制限酵素認識部位で切断することです。 部分消化は、それぞれの認識部位で、あるDNA分子は切断されるけれど、別のDNA分子では切れていないというような状態です。そうするためには、酵素量や反応時間を調節します。 ゲノムライブラリーを作るとき、完全消化してしまうと、すべてのDNA分子が同じところで切れてしまうので、オーバーラップしたクローンが存在しないことになります。オーバーラップがないと、染色体歩行法(choromosom walking)によって、複数のクローンを並べあわせてゲノム構造を再構成することができません。 ゲノムライブラリーを作るには、ランダムな場所で切れて多様なDNA分子が存在するのが理想的です。そのために、DNaseIの部分消化や超音波による物理的切断などが用いられることがありますが、平滑末端のライゲーションを行うことになるので、難しいところがあります。 付着末端を生じる制限酵素の消化だと、ライゲーションが容易にできて良いのですが、制限酵素認識部位はランダムに存在するわけではありません。切断部位の自由度を高めるために、6塩基認識配列に比べ高頻度で存在する4塩基認識配列を切るSau3AIが使われます。

その他の回答 (2)

回答No.3

さて、どうしたものかな。 もし、短くなりすぎるのが問題なら、切断頻度の低い、6塩基認識の酵素を使えばいいのでは? わざわざ、Sau3AIを使う理由がなくなります。 部分消化では、ある長さ(またはある範囲の長さ)の断片に切るというコントロールは効きません。ごく短い断片から非常に長い断片まで入り混じった中から、サイズ分画を取って、適当な長さのDNAを使ってベクターにつなぎます。また、ファージベクターだと、ある範囲の長さのDNA(たとえば8~20キロ塩基対)から外れたDNAはライゲーションされてもファージ被殻に取り込まれないという性質があるので、結果的に限られた長さのDNAしかクローニングできないようになっています。 完全消化したゲノムDNAを電気泳動でみると、数百塩基対から数十キロ塩基対くらいまで連続的なスメアーになります。サイズが問題なら、この中から、サイズ分画をしてクローニングすればいいことになり、わざわざ部分消化にする意味がなくなりますが。

yosuken2192
質問者

お礼

丁寧なご説明ありがとうございました。 とても参考になりました!!

回答No.2

Sau3AIは"GATC"を認識します。DNAの配列に偏りがないと仮定すると、 "GATC"が配列の中に出現する確率は、4の4乗塩基に1回、すなわち 256塩基に1回となります。 ということは、Sau3AIで完全分解するとDNAは数百塩基という短い 断片になってしまいます。これでは不便です。 全ての"GATC"ではなく、一部の"GATC"が切断されるように反応を 制御(部分消化)することにより、DNAを扱いやすい長さ(普通は 2-3000から十万ぐらい)に切り、クローニングします。

yosuken2192
質問者

お礼

分かりやすい説明ありがとうございました。 完全切断だと分解されたDNAが短すぎるということですね。納得できました。 遺伝子制御学は苦手なのでとても助かりました

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