直先スプレッドが生じる理由
金利裁定取引についてレポートを出したのですが、先生から不合格とされました。
以下はレポートの一部です。
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例えば、円金利が2%、米ドル金利が6.25%、円ドルの直物相場と1年後の先物相場の価格がそれぞれ100円だと仮定する。この場合に、期間1年、金利2.00%で1億円の借入れをし、直物相場の価格である1ドル=100円で米ドルに交換し、米ドルに交換した100万ドルを、期間1年、金利6.25%の米ドル預金に預けたとする。また、1年後の先物相場の価格である1ドル=100円で、1年後に米ドルから円に交換する為替予約もする。この取引をすると、無リスクで円金利とドル金利との金利差に相当する425万円(=10,625万円-10,200万円)の利益を得ることができる。このように2国間の金利差から利益を得ようとすることを金利裁定取引という。
先物為替相場の価格が、このように無リスクで利益を得ることができる価格であれば、無リスクで利益を得ようとする金利裁定取引が殺到する。この結果として、先物為替相場の価格は、無リスクで利益を得ることができない水準に修正され、直物為替相場と先物為替相場の価格差である直先スプレッドが生じるのである。上記の例の場合、先物相場の価格が96円であれば、米ドル預金の元利合計の満期額(1,062,500ドル)を円に交換した場合の金額は10,200万円(=1,062,500ドル×96.00円)と、借入金の元利合計の返済額と同じになり、利益も損失も発生しなくなる。
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以上のレポートの一部に対して、先生から以下のような指摘を受けました。
ここでの説明では、先物為替相場が変動して直先スプレッドが広がると書かれていますが、この場合だと、直物では円売りドル買いが生じ、先物ではドル売り円買いが生じるので、必ずしも先物為替相場だけが変化するのではありません。
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以上、長文となってしまいましたが、先生の指摘がわかりません。
金利裁定取引によって直先スプレッドが生じることは、色々な本にも書いてあるのでわかるのですが、直先スプレッドは先物為替相場が変動することで生じるのでは無いのでしょうか?私の先生は、先物為替相場だけが変化するのではありませんと指摘をしておりますが、直物相場も変動するのでしょうか?
このレポートの場合の金利裁定取引だと、直物相場で円売りドル買いが生じるので直物相場が円安になり、そして先物相場が変動しないで直先スプレッドが生じ、その結果として無リスクで利益を得ることができなくなることもある、ということなのでしょうか?
お礼
やはり金利ですよね。去年の為替はアメリカの利上げ観測によって支配されていましたから、ことしもまだその流れが続くのでしょうか?でも、最近、アメリカの利上げは、景気回復による利上げだと信じたいのですが、どうもスタグフレーションからくる利上げだと思うのです。そうすると、かなり市場の人々が先行き不透明でドルを売る気がするんです。まぁ、日本もアメリカに負けないくらいヤバイ財政抱えているから、どっちもどっちってところかもしれませんが、 だから、この頃104円らへんで、動きが少ないのかもしれません。いずれにせよ、解答ありがとうございます。為になりました。今後もよろしくおねがいします。