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アゾ系色素の光異性化について
研究でアゾ系色素を扱っていますが、それに光を当てたときにどういう状態でとどまるのかがわかりません。 トランス型からシス型に変わるのは判りますが、光を当て続けた場合、シス型で留まるのでしょうか?それとも、熱的に不安定な為、光を当てててもトランス型になるのでしょうか?本によってもまちまちなので混乱しています。 ちなみに使用している色素はメチルレッドで、光にはレーザ光を考えています。 お願いします。
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当該反応が話題になったのはあまりに昔のことなので、調べても出てくるのは最近話題の高分子中における非線形性の話題ばかり。--;) さて、シス型(Z体)とトランス型(E体)とは吸収波長が異なりますので、通常レーザーのような単色光をトランス型のシス型の吸収位置から外れた波長であてれば、光による逆反応は避けられる「はず」です。ただこれが「はず」なのは分子間相互作用でエネルギーが伝達されることがあるからです。 光反応の場合よく増感剤が用いられるのはご存じだと思います。 今回の場合トランス型が光を吸収→励起トランス型になる→芳香環がフリップして励起シス型になる→蛍光(あるいは燐光か)を出すか(分子間、分子内)格子緩和で熱を放出して基底状態のシス型となる。 の順を追います。 ところがここで励起状態のシス型やトランス型が基底状態(安定な状態)のシス型にエネルギーを与えてしまうとこのシス型分子はトランス型に戻ってしまいます。 さらに嫌なことに励起されたトランス型が元に戻るとき(反応せず、蛍光も出さず)格子緩和して熱を出し、その熱でまわりにあるシス型がトランス型へと変わる可能性があるのです。 そのような複雑な系であることをよく理解して下さい。文献は10年以上前にさかのぼるとごっそりあるはずです。Chemical AbstractのGeneral subject Indexを見ると良いと思います。
お礼
そんなに昔に話題になったとはしりませんでした(^^;) かなりややこしい反応なんですね。 読んでいた参考文献があいまいな書き方になってるのはそのため? そのChemical Abstractを探してみたいと思います。ありがとうございます。