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海洋に蓄えられたエネルギーが気温の変化でへっていく

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回答No.2

こんにちは。今丁度水面の熱収支の仕事をしています。 この問題は潜熱と顕熱の値がわかっているだけでは計算できませんね。考えに少しおかしい点があります。 まず、熱収支(潜熱、顕熱などのバランス)から考えるためには、水面での純放射量を考える必要があります。 純放射量は水面が受ける(または放出する)純エネルギーで: 水面の純放射量=日射-日射の反射+大気から受ける長波放射-水面が大気に放出する長波放射 という式で決まります。 brenさんは日射が大きなエネルギー源だというのは理解しているようですが、長波放射を考えることが抜けています。特にbrenさんの考えるような日射が極端にさえぎられる状態では、日射の項がすごく小さくなるかわりに太陽エネルギーを吸収して暖められた大気が大きな長波放射を水面に向けて放出します。また水面は潜熱や顕熱としてだけでなく、大気に長波放射を放出するという形でエネルギーを使います。この放射エネルギーは水面温度によって決まりますが、多分潜熱や顕熱として挙げられた50W/m-2とか10w/m-2とかよりはかなり大きな値になるので無視できません。 水面が大気に放出する長波放射 さて、純放射量(W/m-2)が決まると次に水面における熱収支計算をします。水面における熱収支計算は純放射エネルギーの水面での再配分だと思えばいいです。 純放射量=潜熱+顕熱+水中熱伝道量 ここで潜熱は水の蒸発に使われるエネルギー、顕熱は空気に直接伝達して空気を暖めるエネルギー、水中熱伝導量は陸地における地中熱伝導量にあたるもので、水中の水温を温めるために使われるエネルギーです。 この式を書き直すと、 水中熱伝道量=純放射量-潜熱-顕熱 になります。普通の状態では水中熱伝導量は昼にプラス(=水温が上がる)、夜にマイナス(=水温が下がる)になっていて、水域では著熱量が多いので時間差などもあるけれど年間平均はゼロになります。 でもbrenさんの考える状況では年間平均がおそらくマイナスになるので、水温がどんどん下がっていきます。 前述のように熱は直接伝達する以外にも長波放射としても伝達するので、水温が気温と平行になるわけではないんですが、最終的に-20℃まで下がるとすると、それにかかる時間は: Σ(水中熱伝導量)=(現在の蓄熱量)-(水温が-20℃における蓄熱量) ここで蓄熱量をJ(ジュール)で計算するとΣ(水中熱伝導量)がJで求まります。蓄熱量は別に温度と比熱から計算で求めて与える必要があります。 だから水温が-20℃になるまでの時間は: 時間(秒)=Σ(水中熱伝導量)÷水中熱伝導量 ここでΣ(水中熱伝導量)はJ、水中熱伝導量はW/m2です。 ここでは秒で求めましたが、多分膨大な数になるので、最終的には時間の単位を日に変換して計算完了です。

bren
質問者

お礼

丁寧な説明ありがとうございました。長波放射は考えていませんでした。それは、熱フラックスという形ではないのですね?でもエネルギー換算できるのですね?そこのところ詳しく調べてみようと思います。大変参考になりました。

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