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活用しない動詞「およすく」について

古語の「およすく」または「およずく」は、活用しない動詞ということのようですが、活用があるから動詞なのではないでしょうか? なぜ動詞に分類されるのですか? こちらは理系の人間で、古文は全くの素人ですので、よろしくお願いします。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • usagisan
  • ベストアンサー率71% (105/146)
回答No.3

 決して「識者」ではありませんが……。  「およずく」が動詞かどうかは、No.2さんのおっしゃるように、「他の活用形で使用された例が本当にないのか?」ということになりますよね。  小学館の「日本国語大辞典」(今のところ、日本最大の国語辞典です。残念ながら私が今見ているのは第1版で全20巻。最新のものは第2版です。)には、「(連用形『およすく』だけが使われる。(中略)『すく』の清濁不明)」とあります。確かに連用形以外は用いられないようですね。  問題は、他の形がないから活用しないと考えるかどうかです。  まず、日本国語大辞典に挙げられた用例は連用形のみですが、「今はおよすけて」「清らにおよすけ給へれば」「およすけたる事は」等々、「て」・「給へ(終止形『給ふ』」)」・「たる(終止形「たり」)などの動詞の連用形につく助詞・助動詞とともに用いられています。  また「およすけ」という名詞として「およすけのあしげさも」「こよなきほどの御およすけなり」などの用例が挙げられていますが、これも「光る→ひかり」「泳ぐ→およぎ」というような動詞の名詞化の規則に合致しています。  さらに「およすけまさる」という複合動詞で「日々におよすけまさりつつ」等の用例があり、動詞+動詞で複合動詞になる場合は当然、、前の動詞は連用形で後ろの動詞に続きますから、これも「およすけ」が他の品詞ではなく、動詞の連用形であることの証左になります。  確かに他の活用形は見られないものの、だから活用しない、動詞ではないと考えるより、日本語が文字として記録される時代には、他の活用形がもはや使われなかったか、用例が少なくたまたま文献に残らなかったか、と考える方が合理的だと思います。  よい例を思いつかないのですが、たとえば「百聞は一見にしかず」の「しか」は「及ぶ」という意味の「しく(漢字で書けば『如く』)」という四段活用動詞の未然形ですが、現代では「~にしく」とか、「~にしきます」といった形では用いません。(「しかない」はまれに用いますかね?)  しかし、他の形を用いないからといって、「しか」を他の品詞と考えるよりも、動詞の未然形に付く「ず」が付いている点を重視し、なおかつ、文語での「~にしくものはなし(漢文訓読で使います。あっ、これは現代語でも全く使わないことないですね(^^;)。やはり、いい例じゃなかったな。)」などという用例を考えれば、現代語でも動詞とする方がいいわけです。  ということで、N.o.1さんもご指摘のように、辞書では動詞の扱いをしているのだと思います。  あとは、本物の「識者」の回答をお待ちください。

quantum2000
質問者

お礼

丁寧なご回答で、詳しく教えていただき、ありがとうございました。理系の人間としては、活用した形跡がないのなら、動詞と扱わない方が合理的のような気がしていましたが、何となく動詞として扱っている理由が判ったような気がします。ありがとうございました。

その他の回答 (4)

  • kimosabe
  • ベストアンサー率59% (137/230)
回答No.5

はい、お尋ねの例はいずれも助動詞「さす」の前ですから未然形です。連用形の例しかないといいながら未然形の例を何のことわりなしに挙げている「日国(旧版)」の態度は理解に苦しみます。小学館の「古語大辞典」には「用例は若干の未然形以外連用形しかない」とあります。 いずれにしても「およすく」は不十分ながら活用を備えています。動詞とみるしかありません。

quantum2000
質問者

お礼

再度ご回答をいただき、大変ありがとうございました。有名な辞典でも、おかしな記述が時にはあるんですね。(因みに、こちらで引用した例は、日本国語大辞典第2版の新版からのものです。)

quantum2000
質問者

補足

みなさん、ご回答をありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。 今回の疑問については、みなさんからのご回答のおかげで、何となく判ったような気がします。 ありがとうございました。

  • kimosabe
  • ベストアンサー率59% (137/230)
回答No.4

「およすく」(清濁は無視)に未然形の例があることをご報告いたします。   春宮を見奉り給ふに、こよなくおよすけさせ給ひて、(源氏物語・明石) この「およすけ」は助動詞「さす」の前ですから明らかに未然形です。 というわけで「およすく」は活用しないわけではありません。「およすく」には連用形しかないという前提が誤りです。

quantum2000
質問者

補足

連用形以外の使用例を具体的にご回答いただき、大変ありがとうございました。私は、古文の文法は全く忘れてしまいましたので、申し訳ありませんが、小学館の日本国語大辞典には、連用形という使用例の中に、「東宮うやうやしくおよすけさせ給ふままに、いみじくうつくしうおはしますにつけても(栄花・月の宴)」とか、「みかどをよすけさせたまいにしかば、ただ関白にておはします(大鏡・五・道長上)」という例があるのですが、これらとは違う訳でしょうか? 済みません、初歩的な質問かもしれないのですが・・・。

  • neminemi
  • ベストアンサー率50% (213/418)
回答No.2

すると、ずいぶん元の質問とは意味が違ってきますねえ。「なぜ動詞なのか?」ではなくて、「およずく」は下二段活用動詞ですが、連用形での使用例しか見つかっていないのはなぜか?という質問ですよね? で、ご質問は「他の活用形で使用された例が本当にないのか?」ということになるのでしょうか? 識者の方のご回答をお待ちください。

quantum2000
質問者

お礼

ご回答ありがとうございました。お礼の連絡が遅くなり、済みません。ご指摘のように、正確には「連用形以外の活用例は、本当にないのか?」ということです。ただ、大きな辞典に「そうした活用例が見あたらない」とあるので、こんな質問をしたのです。ご指摘ありがとうございました。

  • neminemi
  • ベストアンサー率50% (213/418)
回答No.1

手元の辞書では、「およずく」は下二段活用となっています。「清らにおよずけ給へれば」と用例も出ています。 活用しない、というのはどこからの情報でしょう? よろしければ補足をください。

quantum2000
質問者

補足

早速にご回答をありがとうございました。活用しないというのは、下二段活用と辞書に載っていても、実際に使われた例は、「およずけ」という連体形(?)しか使用例がない、という意味で活用しない、活用した形跡がないということなのですが・・・。説明不足で済みません。

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