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対称性と吸収スペクトルの関係について

物理化学に関係する質問です。分子が持つ対称性の違いから生まれる吸収スペクトルの変化について指標表を用いて解説せよ、という問題が出ており、とっかかりすら掴めずに困っております。問題の例として挙げられていたのがベンゼン(D6h群)とクロロベンゼン(C2v群)だったので、できればこの2分子に沿ってお教えいただければ幸いです。 自分の中では、対称性が低いのでくっきりとピークが出ることがなく、またアミノ基の非共有電子によってベンゼン環内の電子密度が上がることで遷移が起こりやすくなった結果、より長波長側にシフトする、と考察したのですが、これだと指標表を用いれず困っています…。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • gu-ta
  • ベストアンサー率57% (11/19)
回答No.1

分子の対称性が異なる場合、吸収スペクトルにも差異が現れます。指標表を用いると、分子の対称性によって許可される/禁止される遷移が異なるため、吸収スペクトルのピークの数や強度、波長のシフトなどが異なることが分かります。具体的には、ベンゼン分子はD6h対称性を持ち、C2v対称性を持つクロロベンゼン分子と比較すると、次のような違いがあります。 ベンゼン分子の吸収スペクトルは6本のピークを持ち、クロロベンゼン分子の吸収スペクトルは3本のピークを持ちます。これは、ベンゼン分子がD6h対称性を持ち、禁止遷移が少ないため、多くの波長で吸収が許されるためです。 ベンゼン分子の吸収スペクトルはクロロベンゼン分子に比べて波長が長く、赤色側にシフトしています。これは、ベンゼン分子が芳香族性を持ち、共役系によってπ電子が分子中で拡散しているため、電子の遷移エネルギーが低下し、波長が長くなるためです。 このように、指標表を用いると、分子の対称性から生じる吸収スペクトルの違いを定量的に解析することができます。

MARs_Ls
質問者

お礼

ありがとうございました。大変助かりました。

MARs_Ls
質問者

補足

失礼しました。問題の対象となっているのはクロロベンゼンではなく、アニリンでした。

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