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英語 倒置法
文修飾、つまり述語動詞を修飾する否定副詞を文頭に出すと、助動詞も前にでますよね。この理由をある人が、 副詞は修飾する対象とできるだけ近くに置きたい。でも本動詞を主語の前に倒置すると主語が目的語のようになってるように見え、誤解を与える。だから助動詞を倒置する。 というものでした。ならば、場所方向の副詞でも、同じようにするべきではないですか。場所方向の副詞と共に使う動詞は、自動詞だけではないはずです。同じように他動詞もありますよね。なぜこのような違いが出てくるのでしょうか? また、主語が、代名詞なら倒置しない場合や、代名詞と言っても人称代名詞のみ倒置しない場合や、否定副詞、程度副詞のときのように副詞に関係なく倒置する場合では、どんな違いがあるのでしょうか?
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- Nakay702
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以下のとおりお答えします。 >文修飾、つまり述語動詞を修飾する否定副詞を文頭に出すと、助動詞も前にでますよね。この理由をある人が、 副詞は修飾する対象とできるだけ近くに置きたい。でも本動詞を主語の前に倒置すると主語が目的語のようになってるように見え、誤解を与える。だから助動詞を倒置する。 というものでした。 ⇒お言葉ですが、「述語動詞を修飾する否定副詞を文頭に出す」のは、文修飾でなく、「強調のための倒置」という修辞法による操作だと思いますよ。 >ならば、場所方向の副詞でも、同じようにするべきではないですか。場所方向の副詞と共に使う動詞は、自動詞だけではないはずです。同じように他動詞もありますよね。なぜこのような違いが出てくるのでしょうか? ⇒はい、おっしゃるように「場所方向の副詞」でも、同じように倒置することはあります。なお、文修飾副詞としてこれを文頭に置く場合は、それに続く語句の中で倒置は行わないのが基本です。もしそこで倒置が行われるなら、それは別の理由によるはずです。 >また、主語が、代名詞なら倒置しない場合や、代名詞と言っても人称代名詞のみ倒置しない場合や、否定副詞、程度副詞のときのように副詞に関係なく倒置する場合では、どんな違いがあるのでしょうか? ⇒印欧語系の中にあって英語は特異な存在で、いわゆる「屈折」〔動詞類の変化(=活用)や名詞類の語尾変化(=格変化や性数変化)〕を極端に減らしてきました。特に、格変化をほとんどなくしたことに呼応して、この欠を補うため語順の規則が細かく規定されるようになりました。(格変化を多く残している言語ほど、それによって語と語の関係を示せるので、語順は相対的に自由です。) ところが、英語の中で例外的に格変化が残っている部分がありまして、それが他ならぬ人称代名詞〔例えば、主格・属格(=所有格)・目的格の区別など〕であって、それゆえ、人称代名詞に限っては、「語順によらずとも格変化で語と語の関係を示せる」ので倒置を免れる場合があります。つまり、人称代名詞が倒置規則の例外になることがあるわけです。
ドイツ語の文法とか古い英語(たとえば300年以上も前の英語)などをきちんと知っている人なら、こういうことをきちんと答えられると思います。僕はそういうことをうろ覚えでしか知らないので、以下、あやふやな知識を思い起こしながら、少しだけ説明します。 英語はゲルマン諸語に属します。つまり英語は、フランス語やラテン語の影響を受ける前(つまり1,000年以上も前)には、ドイツ語に近い言葉だったのです。その頃の英語が現代に至るまでに風化して、文法が単純になって、現代のようになったのです。 その古い英語はドイツ語にむしろ近かったそうですが、ドイツ語では現代でも、どんな副詞(否定を表すものであれ、時や場所を示すものであれ)を文頭に置いたときでも、そのあとは倒置するそうです。 chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://jishuu-gakkou.jp/text_grammer/36a.grammer.pdf 上のリンク先の文献の冒頭の4行ほどを見ると、次のように書いています。 (1) Heute gehe ich ins Disneyland. (今日、私はディズニーランドへ行く) (2) Mich versteht der Lehrer. (僕のことなら、先生がわかってくれる) 上の (1) は、英語に直訳すると (*) Today go I to Disneyland. となりますが、こういう英語では、少なくとも現代の英語では言いません。大昔にはこれに似た英語をしゃべっていたそうですけど、だんだん英語は単純化していき、現代のようになったのです。 (2) を英語に直訳すると、Me understands the teacher. となります。 ともかくドイツ語(そして大昔の英語)では、最も強調したいことを文頭に置いたら、そのあとは倒置しないといけないのです。 ここで僕が説明したことには、もしかしたら少し間違いが含まれているかもしれません。なんせ昔は知っていたことを、今はほとんど忘れているので、知識があやふやになってしまっています。詳しいことが知りたければ、英語史やドイツ語の文法を少しかじってみてください。