動学的最適化問題:離散から連続に問題を書き直す
【質問のための準備】
今、次の離散の動学的最適化問題があるとします:
max_{c_t,c_t+1,…,x_t+1,x_t+2,...} log(c_t) + b*log(c_t+1) + b^2*log(c_t+2) + … 0<b<1
s.t.
c_t + x_t+1 - x_t = r x_t, (1式)
x_t+1 >=0 (2式)
x_tはt期期首における資産残高で状態変数です。
これは個人の貯蓄の問題で、投資のリターンが100*r(%)で与えられる際に、どのようにt期の消費c_tと来期期首の資産残高x_t+1を最適に選択するかという問題です。
【質問】
上記の問題を連続時間に書き直したいのですが、その際、非負制約(2式) x_t+1 >= 0 をどのように表現すればよいのでしょうか?
【私のアプローチ】
以下私のアプローチを書いてみますが、結局よくわかりません。
時点tからt+hまでの時間の流れを考えて、その間は時点tと同じ水準だけ消費したりリターンがあると近似的に考えると、(1式)は
c(t)h + x(t+h) - x(t) = r x(t) h + o(h)
となる。両辺をhで割ってh--->0とすると、
c + dx/dt = Rex
となる。
では、(2式)はといえば、
x(t+h) >= 0.
h—>0とすると
x(t) >= 0
となる。しかし、これは操作変数に対する制約条件とは言えませんよね。なんかおかしい。
では、
dx/dt >= - b
はどうでしょう。これは離散時間の(2式)を以下のように書き換えて強引に連続時間に置き換えたものです。
x_t+1 >= 0 ⇔ x_t+1 - x_t >= - x_t ⇔ (x_t+1-x_t)/x_t >= -1 (A式)
一番右は成長率が-100%以上となります。連続時間で表現すれば
dx/dt >= - x (B式)
です。しかしこれも、離散と連続を混同してしまっている議論で、(A式)から(B式)への展開に論理的整合性があるわけではありません。
お礼
なるほどです。大体の概念としてはわかりました。区分求積法みたいなことですね。ありがとうございます。