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戦国時代の戦場における食事事情

戦国時代の戦場における食事事情について3点教えて下さい。 (1)戦国時代の戦場においては、どのようなものが煮炊きされていたのでしょうか???戦場において、あまり手の掛からない便利な定食みたいなものはあったのでしょうか??? (2)また、実際に戦闘状態の時には、おにぎりみたいなものを携帯していたのでしょうか??? (3)何千人もの兵士の食糧はどのように調達していたのでしょうか???すべて自国から運搬・補給していたのですか???それとも、金銀(まだお金は発達していなかったと思うのですが……)を配って現地調達をしていたのでしょうか???

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  • eroero4649
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回答No.1

https://bushoojapan.com/scandal/2013/11/09/9437 こういう話が伝わってはいますが、特に3番のような話については分かっていません。分かっていないというより、ほとんど研究されていないといったほうがいいかと思います。 研究がされていない一番の原因は「資料が少ない」という点にあるかなと思います。手紙が残っていることがありますが、そういう会計報告書みたいなのは残っていませんからね。関東の後北条家は官僚制度が整っていて、秀吉の北条征伐のときも大きな戦いがあまりなかったせいで比較的細かい資料が残っており近年は研究が進みつつありますが、他ではなかなか類似の資料がないので比較研究ができないですね。 また、我が国では昔から「補給」「兵站」「ロジスティクス」と呼ばれる部門についての関心が極めて低いんです。特に日本のオタクはジャンルを問わずカタログスペックを語り合うのが大好きでしてね。 日本で「補給」というのが注目されるようになったのは、おそらく阪神淡路大震災を経験してからなんじゃないかなと個人的には推測しています。このとき、日本中から支援物資が被災地に集まったのですが、送るほうは何も考えずに送ったので被災地には要らんものが山のように溜まり、必要なものがないという状況に陥ったんですよね。それで「こういう裏方の地味なことほどきちんと考えないといけない」ってみんな気づいたんだと思います。 ちょっと曖昧な記憶なのですが、90年代半ば頃に「ロジスティクス」って言葉がビジネス界で流行ったんですよね。 戦国時代においては、何千、あるいは何万という将兵が参加したとあるので、例えば1万の軍勢なら少なくとも毎日2万食は用意しなければいけません。煮炊きするならその分の水と薪が必要です。いくら戦国時代でも、2万食分の薪が毎日そこらじゅうで見つかるわけではないでしょう。戦場ではいちいち温かい食事を用意することはしなかったかもしれませんが、毎日干飯ではお腹をこわしてしまいます。 現代日本人は便利な生活に慣れていますから「雨の日にどうやって何万人もの食事を用意したのか」なんてのは思い浮かびません。私は10代の頃にガスも電気も禁止のキャンプを経験したので、雨の日に屋外の竈に火を付けるのがいかに大変か身をもって知っています。もちろん当時の人たちは慣れていたとは思いますが、竈に火が付くと抱き合って喜ぶくらい大変なんですよ。薪だって雨に晒されたらしけって火がつきません。 そもそもどこかから薪を調達するなら、刀や槍ではなくて斧や鉈が必要です。しかも一本二本じゃ足りない。鍋などの炊事道具も必要でしょう。それは誰が持つのか。戦闘中はそれをどこに置いておくのか。負け戦なら置いて逃げるでしょうが、勝ち戦なら誰がそれを回収するのか。 じゃあ当然食事などを用意する非戦闘員が参加することになりますが、彼らだってメシも食います。 それに、食い物が必要なのは人間だけではありません。馬には飼葉が必要です。人間の食糧以上に飼葉の確保は大変です。専用の厩務員は絶対に必要で、彼らの食事も用意しなけりゃいけない。 そう考えるとどこどこ城の攻略に凸凹軍が1万の軍勢で攻め込んだなんてのも何も考えずに出兵するのは許されなくて、必要な道具や食料の確保、ルートや人員の配置などちゃんと計画しなければ「攻め込んだはいいけれど、食料がない。飼葉がない」なんてことにもなるわけです。思いのほか対陣が長引いたらどうするのか。電話一本でデリバリー業者が来るわけでもないのですからね。 以前の回答でも書きましたが、そういうことがありますので全国各地で街道が整備されて宿場町が作られるようになったのです。またそうやって物資と人が行き交うことが活発になれば、貨幣へのニーズも高まります。しかし当時の日本は貨幣を作っておらず、銅銭はもっぱら中国からの輸入に頼っていました。今なら内戦の激しい国ではアメリカドルが流通しているのと同じですよね。しかしアメリカドルを使ったことがあるならご存知でしょうが、1ドル紙幣とか5ドル紙幣なんてのは日本人の感覚では驚くようなボロボロのやつがあります。同じように、欠けたり割れた銅銭というのもあって、それをどう扱うかなんて問題もありました。織田信長はそれを「欠け銭何枚で正規の銭一枚とする」なんて法定レートを作って金融の安定化を図ったわけです。 こういった戦国時代を経済や金融、あるいはロジスティクスの面からアプローチしようという研究はここ十年くらいで活発にはなってきましたが、なにぶん歴史学の研究者というのは経済や金融に弱い人が多いですし、自分自身に軍隊の経験がないとロジスティクスというのもピンとこないですから、なかなか研究が進まないというのがありますね。 ちなみに旧日本軍では料理ができる兵隊は重宝がられたので、うっかり戦死や負傷でもされたらみんなの胃袋に直結する大問題になりますから戦闘にはなるべく参加を免除される特権があったそうです。同じことはアメリカ軍やドイツ軍でもあったそうですよ。「お前が死んだらみんなが困るから、前に出るな」って。

noname#238475
質問者

お礼

 いつも興味深く、疑問をストレートに解消してくれる資料を紹介していただきありがとうございます。それにしても、「芋茎縄」には驚きました。確かにサトイモの茎は太くて柔らかいのですが、食糧としてこんな利用がされていたとは。もう一度少年時代に戻って実践してみたくなりました。(*^_^*)  また、我が国では昔から「補給」「兵站」「ロジスティクス」と呼ばれる部門についての関心が極めて低いんです。特に日本のオタクはジャンルを問わずカタログスペックを語り合うのが大好きでしてね。……興味深い「日本人論」ですね。ふと、太平洋戦争のことなんか思い出してみました。「これで負けた」のではないかと。  毎日干飯ではお腹をこわしてしまいます。……そうですよね。兵士に気持ちよく戦ってもらわないと負け戦になってしまいますよね。  雨の日に屋外の竈に火を付けるのがいかに大変か身をもって知っています。……「火を起こす」というのは、それなりの知識と経験が必要ですね。私も冬の雪山で火を起こす経験をしたことがありますが、樺の皮が着火に便利が良いとか、アオダモは生木でもよく燃えるといったような知識が無いと、火はおこせません。  「攻め込んだはいいけれど、食料がない。飼葉がない」なんてことにもなるわけです。……戦には気の遠くなるような、気配りが必要ということですね。  以前の回答でも書きましたが、そういうことがありますので全国各地で街道が整備されて宿場町が作られるようになったのです。……街道の整備ということについて、疑問があります。別の機会に質問します。気が向いたらご回答をお願いいたします。  なにぶん歴史学の研究者というのは経済や金融に弱い人が多いですし、……(*^_^*)(*^_^*)  ちなみに旧日本軍では料理ができる兵隊は重宝がられたので、うっかり戦死や負傷でもされたらみんなの胃袋に直結する大問題になりますから戦闘にはなるべく参加を免除される特権があったそうです。同じことはアメリカ軍やドイツ軍でもあったそうですよ。「お前が死んだらみんなが困るから、前に出るな」って。 ……特技は身を助けるということですね。

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