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ANSYSによる回転体の応力解析について
- ANSYSを使用して回転体の応力解析を行う方法について解説します。
- 回転円板内の応力解析において、拘束方法が分からず困っている方へのアドバイスです。
- 回転円板が中実の場合の回転軸の拘束方法や、回転円板内の応力解析の他の方法についても説明します。
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中実の回転円板でしょう? で、回転軸上にラインを引くぐらいだから、3次元解析ですね? 回転円板のメッシュ切りの際には、円板中心上に節点ができるように切るのが常識なのですが、それは守っていますか? もし、Noなら、切り直しましょう。 このとき、回転円板を予め90度の扇形4個にボリューム分割しておくと、たとえフリーメッシュで分割しても、必ず円の中心に節点ができます。 「回転軸上にラインを引きそのラインを拘束」などという手段は、ラインを引くという時点から邪道です。 次に、拘束の仕方ですが、6個の自由度の剛体成分を止めます。 (拘束したことによって、そこに拘束力が働いてはいけません。) 6個の自由度とは、次のとおりです。 x,y,z各方向の変位 x,y,z各軸回りの回転 回転軸方向をz方向としましょう。 回転円板ですから、普通は円面内では力が釣り合っているはずです。 ですから、x,y方向の変位は、どこを止めても構いません。 通常は、中心軸上のどこか1点について、x,y方向の変位を止めます。 この時、2点以上を止めてはいけません。理由は、2点を拘束したことによって、2点間に拘束力が働くようになるからです。 z方向の変位ですが、z方向には元々力が働いていませんから、これもどこを止めても構いません。 ですから、中心軸上のどこか1点を止めます。 これも、2点以上を止めてはいけません。 次にx,y軸回りの回転ですが、変位を使って、剛体回転を止めなければいけません。通常は異なる2点の同じ自由度を止めて表現します。 (この辺の理屈がわからない場合には、誰か専門家に教えてもらってください。) まずx軸回りには回転力が作用していませんので、たとえば、「中心点のz変位成分と、y軸上の任意の1点(通常は外周上の点)のz変位成分」を止めれば実現できます。 y軸回りについても同様に、「中心点のz変位成分と、x軸上の任意の1点(通常は外周上の点)のz変位成分」を止めれば実現できます。 最後にz軸回りの回転ですが、z軸回りにも回転力が作用していませんので、たとえば、「中心軸上のある点のx変位成分と、中心軸上の別の点のx変位成分」を止めれば実現できます。 「 」の中身は、選択の仕方が一通りではありませんが、今はこの通りにしておきましょう。 以上でおわかりですか? 追加質問があれば、どうぞ! もし3次元解析でなく2次元解析なら、使用要素を教えていただければ、それに即して剛体変位の止め方を教えて差し上げます。 質問が長くなったのですから、回答も長いことを承知のうえで読んでくださいね(笑) 質問1: 各軸回りの自由度を拘束する際に、 二点の同じ自由度を拘束するのではなく、 「x軸周り回転」「y軸周り回転」「z軸周り回転」の自由度を拘束をすることについて。 回答1: 変位・回転という量は、温度や電位と同様、人為的にゼロ点を決めてやらなければ、値が決まらない、ということはご存知ですか? (剛体変位・剛体回転を止める、という言い方をしますが、これと同じ意味です。ただし、拘束することによって、新たな力やモーメントが発生してはなりません。) 剛体変位の拘束は、考えるのが面倒な場合には、(中空円板でもない限り)構造に所属している任意の1節点の3個の変位自由度成分を止めれば良いので、苦労はしないはずです。) 3次元解析では、どんな要素を使用しても、要素自由度として、必ず3個の変位自由度成分があるので、これが可能になるのです。 剛体回転については、こう簡単にはいきません。 初心者は、構造に所属している任意の1節点の3個の回転自由度成分を止めれば良いと思ってしまうのですが、そうは問屋が下しません。 あなたが、「これらを使っての拘束を試みたのですが上手くいきませんでした。」とおっしゃるのも、当然のことなのです。 3回転自由度成分を止めて実現できるのは、解析に使用している要素に、要素自由度として、3個の回転自由度成分がある場合だけです。 具体例として、梁要素は、要素自由度として、3個の変位自由度成分と3個の回転自由度を持っているので、これが可能です。 シェル要素は、面に垂直な軸周りの回転成分を持たないので、少々苦労します。 Solid要素に至っては、回転自由度成分を全く持たないので、非常に苦労するのです。 その苦労の内容は、あなたが今回体験されたように、変位自由度成分を利用して、剛体回転成分を止めてやる、ということです。 理屈は以上ですべてです。 あとは、私が書いたことを一字一句無視することなく、case-by-caseで、具体策を考え出すだけです。 もう一度書きますが、 「この辺の理屈がわからない場合には、誰か専門家に教えてもらってください。」 もっとも、あなたがここに質問を書き続ける限り、できるだけお相手して差し上げますが。 質問2:解析後の円板内部の応力が知ることは出来るのでしょうか? 解析後にある断面でカットすることなどは可能でしょうか? 回答2: ANSYSのWorkbenchであれば、解析後に自由に断面をとることができるので、簡単です。 ANSYSのClassic(正式名称はMechanical APDLと言うのだそうですが…)の場合には、新しく機能が加わったかも知れませんが、私の知る限り、簡単ではありません。 ただし断面が要素境界と一致していれば、事実上可能です。 たとえば、yz平面で断面を作りたい場合には、解析後に次の手順を踏みます。 (1)まず、節点で、x≦0となるものを選び出す。 (2)次に、要素で、(1)の節点に所属するものを選び出す。 (3)ここで応力値をコンター表示やリスト表示すると、x>0の部分の構造がなくなっているので、自然にyz平面上の応力が表示されます。 この辺の手順についてわからなければ、ベンダーに問い合わせましょう。
お礼
お礼が遅くなりまして申し訳ありません。 解析に使用している要素に、使用したい要素自由度がある時だけ、その自由度を使い拘束が出来るのですね。 とても勉強になりました。 さらに断面カットの件ですが、おっしゃる通りに行ったところ、断面が表示出来ました。 h200420様のおかげで頭の中がスッキリしました。 本当に本当に感謝しております。
補足
回答大変ありがとうございました。 解析を行ってみたところ、無事結果を表示することができました。(3次元解析です) 「二点を拘束する事によって、二点間に拘束力が生まれること、 各軸回りを拘束しなければならないこと」等のアドバイス、 大変勉強になりました。本当に感謝しています。 また、解析後に疑問に思う事が生まれまして 御迷惑でなければ、以下の質問に対するアドバイスを頂けないでしょうか? 各軸回りを拘束する際、 今回、二点の同じ自由度を拘束したわけですが、 「自由度の追加」の欄に「x軸周り回転」「y軸周り回転」「z軸周り回転」 があり、これらの自由度を使用し、軸周りの拘束は出来ないのでしょうか? これらを使っての拘束を試みたのですが上手くいきませんでした。 もしこれらを使う場合の拘束する位置はどこになるのでしょうか? 後、もうひとつ質問します。 解析後の円板内部の応力が知ることは出来るのでしょうか? 解析後にある断面でカットすることなどは可能でしょうか? 質問長くなりました。 回答を頂けたら大変うれしいです。