鉄の加熱時間と伝熱・伝導について

このQ&Aのポイント
  • 鉄の加熱時間と伝熱・伝導について教えてください。
  • 8m³の加熱炉に50cm × 50cm × 1000cmの角鋼材を入れて炉内をバーナーで700℃に加熱したと仮定した場合、角鋼材の中心部が700℃になるまでの時間を算出する計算方法がありますでしょうか?
  • 質問は非常に抽象的ですが、鉄の加熱時間と伝熱・伝導について教えてください。
回答を見る
  • ベストアンサー

鉄の加熱時間

加熱での伝熱・伝導について教えてください。 8m^3の加熱炉に50?*50?*1000?の角鋼材を入れて炉内をバーナーで 700℃に加熱したと仮定した場合(炉内は窒素雰囲気とします)、 角鋼材の中心部が700℃になるまでの時間を算出する計算 方法がありますでしょうか? ものすごく抽象的で恐縮です。

noname#230358
noname#230358

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
noname#230359
noname#230359
回答No.1

鋼材の断面が50×50程度で比較的小さく,炉中で空気(燃焼ガス?) を介して加熱される状態なので,表面温度と中心温度の差は小さいと仮定 することができると思います。 前記のように仮定して,炉壁の放射熱で鋼材が加熱されるとすれば, 炉壁と鋼材の温度差,鋼材の表面積(多少詳しく考えれば鋼材の放射率) から鋼材への入熱量が算定できます。鋼材の熱容量は寸法から計算できま すので,温度上昇を簡単な数式で表すことができるようになります。 ただし,炉壁が700℃であって,鋼材の温度が700℃に達する時間を 求めようとすると,無限大時間掛かると言う結果になります。炉壁の温度 を鋼材の加熱目標温度より高い値に考えれば,具体的な答えを得ることが できます。 炉壁が700℃では時間が求まらないので,仮に800℃とします。 鋼材の初期温度を20℃,放射率を0.3(みがき材程度)と仮定したとき 熱伝達係数は29W/m^2・K程度です。 (黒皮材ならば,放射率が1に近づき,もっと熱伝達が良くなりますが  窒素雰囲気を使うのであれば,表面酸化を防ぐ意図があると想定して  みがき材程度の放射率を仮定しました) 熱伝達係数の値は,物体の表面積1m2において,周囲温度と温度差が1K のときに29Wの熱伝達が行われると言う意味です。 鋼材の表面積は約0.2m2 温度差は800℃-20℃=780K 従って,鋼材は 29W/m^2・K×0.2m2×780K=4524W=4524J/s の仕事率で加熱されます。 鋼材の質量は約19.5kg,比熱は461J/kg・Kですから, 熱容量は8990J/K 従って,鋼材は以下のような温度変化率で加熱されていきます。 4524J/s ÷ 8990J/K=0.5K/s 20℃の材料が700℃に加熱されるには700℃-20℃=680K 温度上昇させる必要があります。 680K÷0.5K/s=1360sで700℃に達すると求められます。 鋼材の温度が上昇するに従い,炉壁と鋼材の温度差は小さくなっていきま すので,温度変化率は時間とともに減少します。このため,700℃に達 するのには更に時間が掛かり,3100S(約50分)程度になると思い ます。(計算省略)  細かい根拠や式は省略しましたが,だいたい計算の雰囲気を把握して頂けた でしょうか? 放射率,比熱などの出典 http://www.hakko.co.jp/qa/qakit/html/index2.htm 計算省略した部分 温度上昇=初期温度差×(1-exp(-t/τ))のような関係式で表せます。 上記例で温度差は780K   tは経過時間(s) τは熱時定数(s)・・・・上記の例では,1550(s)ほどです。 丁度熱時定数に等しい時間加熱したとき温度上昇は初期温度差の63%(=1-1/e) 熱時定数の2倍の時間加熱すると温度上昇は86%(=1-1/e^2) 熱時定数の3倍の時間加熱すると温度上昇は95%(=1-1/e^3) のような関係です。 ここでeは自然対数の底(≒2.718)です。

noname#230358
質問者

お礼

詳しい解説まで頂き、大変感謝致します。 今まで感覚的に扱ってきた部分なのですが、理論的に導き出す方法 があるのですね。感動しています。  内容を細かく確認させて頂きました。なるほどと思うばかりです。 その中で数点もしよろしければ、追加で教えて頂きたいのですが、 ?熱伝達係数 29w/?・k は放射率等から算出した値なのでしょうか?  それとも既知の数値として一般的に公表されているものなのでしょうか? ?>τは熱時定数(s)・・・・上記の例では,1550(s)ほどです。   とありますが、1550(s)はどこから出てきたのでしょうか? ? 3100(s)の算出は 温度上昇=780k×(1-e^(-3100/1550))=780k×0.86=674k   で狙い温度700℃近辺になるのでという事なので導き出したのでしょうか ? 詳しい説明 ありがとうございます。 考え方としては (言葉の表現は素人なので、小生なりの表現を使った部分 があります。) ?加熱物への伝熱量=熱伝達係数×表面積×温度差 ?加熱物への必要な熱量=重量×比熱 ?伝熱量÷必要な熱量=温度変化率(K/s) ?温度差÷温度変化率=加熱必要時間 しかし、目標温度に近ずくと温度変化率が小さくなる為、?の加熱必要時間 は実際より短い時間になっているので ?温度上昇=初期温度差×(1-e(-t/τ))   温度上昇:加熱物到達温度-スタート温度   初期温度差:被加熱物-スタート温度 t:経過時間  τ:熱時定数(温度差÷温度変化率)        もしくは(必要な熱量÷入熱量(=熱伝達係数×表面積))  例 800℃-20℃=(700℃-20℃)×(1-e^a)  a=-t/τ    780℃=680℃×(1-e^a) e^a=-(10/68)     を求めるという流れで理解しました。  今回は加熱炉を想定しての計算でしたが、炉壁温度、雰囲気温度は 熱電対で700℃と設定しています。だから小生が考えるに加熱バーナー 温度が雰囲気の対流伝熱により被加熱物に伝わり温度が目的の温度に 達すると考えて  加熱物温(バーナー温度)とし被加熱物温(鉄の温度)と想定して考えれば いいのかなと思いました。  同じようなケースなのですが、1000?の鉄を20m^3の容積炉に入れて 加熱した場合、目的温度600℃に到達する為の時間を求める考え方について 小生なりに考えてみました。 鉄比熱 0.14kcal/kg・℃  空気比熱 0.314kcal/Nm^3・℃ バーナーの熱量 10万kcal/h Q1(バーナーの熱量)=Q2(鉄の必要熱量)+Q3(空気の必要熱量) 10万kcal/h×t=1000?×0.14kcal/?・℃×(600-20℃)+20m^3×0.314kcal/Nm^3・℃×(600-20℃) t=0.85h(≒50分)  といった具合の考え方でよかったでしょうか? 単位換算とか似たような用語が出てくるので理解に苦しむ部分とかありますが 非常に興味深い技術分野ですね。非常に勉強になります。

その他の回答 (1)

noname#230359
noname#230359
回答No.2

回答(1)さんが説明されている内容と同じですので詳細は省略しますが、伝熱 に関し判り易く説明したサイトを紹介しておきます。「伝熱工学」‐「Excelに よる伝熱工学」の項目を選択ください。

参考URL:
http://chemeng.on.coocan.jp/
noname#230358
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。紹介サイトに早速アクセスしてみます。

関連するQ&A

  • ガラス加熱の計算式

    今、ガラスサイズ1220H×610W×2tの物を 75秒間、炉の中に入れを100℃まで加熱したいのですが その炉内温度を何℃にしていれば良いのか解らず悩んでおります。 こんな時の計算式ございませんでしょうか また炉内を例えば300℃まで上げたとして、炉の外面を50度以下になるように炉内と炉外の間に断熱材を入れたいのですが その時の断熱材の厚さを出す計算式を教えてください。 宜しくお願い致します。

  • 鉄の燃焼

    ガスバーナー(バーナートップ直径100、最大容量150kw)で鉄を加熱します。 鉄は厚み4.5tで長さ300?とします。 長さ300?の中心である端から150?の位置で、距離を50?に近づけて加熱するとします。 この場合、鉄は溶融するでしょうか? 実際には、4分加熱して、2分加熱ストップして、4分加熱して、2分ストップを繰り返すような形になります。 ガスバーナーの青色炎は1500~1800℃の領域だと思います。 長時間加熱したらいずれは溶融するのではないかと考えるのですが、 イメージでは、溶融まではいかないような気がするのです。

  • ヒーター容量の選定

    乾燥炉(密閉型)の製作を検討しています。(炉内温度分布±10度) 炉内空気を30分で常温から約200度まで上昇させたいのですが、 ヒーターを選定するにあたり、大体の計算として炉内空気の温度上昇に使用する熱量を計算すればいいのでしょうか。(放熱はとりあえず無視) 空気のみの加熱で検討すると、ヒーター容量がとても小さい計算結果となりましたがこれでよいのか不安です。今回の計算には空気加熱分だけではなく炉の内壁を構成する材質の温度上昇に使用する熱量も合わせて計算した方がいいのでしょうか。今回、空気加熱用のプラグヒーターで空気の加熱を考えていますが、炉の内壁を直接加熱することは考えていません。炉の内壁加熱の熱量も検討するなら炉内空気を目標温度にするため、加熱開始時は急激にヒーター温度を上げて炉内壁を目標温度にした後、炉内空気を目標温度にもって行かなければならないと思うのですが、考え方として合っていますか。温度分布精度も 目標値±10度を保てるか疑問です。ご教授ください。

  • 火を使わない加熱法について教えてください

    火を使わない加熱法について教えてください  現在、できる限り火を使わない加熱方法を模索しています。 (1)対象は鉄の塊とします。 (2)大きさ、形状は一円玉と同じとします。 (3)加熱の速度は常温23℃に対し、+110℃/秒を目標にしています。 (4)できれば加熱機は対象に直接触れていなければなおよしです。  もっとも手っ取り早いのが、バーナーであぶることなのだと思うのですが、加熱装置を用意する(買う、設計する)にあたって、安全の面から極力使用を避けたいと思うのです。 安全面を考えて、レーザーだけど冷却に液体窒素を使うといったのも避けたいです。  特に電子レンジやIHといった電磁的に加熱する方法で極力効率のよい配置や周波数などをご存知の方はご教授願います。 ちなみに実際にサンプルを作製して、600Wの電子レンジに放り込んでみました。 実際のサンプルは鉄粉を圧縮成形したものだからでしょうか、火花が飛ぶかと思いきや、なんだかやんわりと暖かくなってました。 実験の結果、3分だと不十分、10分かけるとうまい具合に焼けました。 この10分を1秒にしたいのです。  電気炉を作製とも考えたのですが、装置の大きさから、1秒で+110℃昇温できるのか判断に迷います。  ほかにも、よい加熱法がありましたら、具体的な例を教えてもらえると助かります。  よろしくお願いいたします。

  • 熱伝達 加熱保持に必要なエネルギーの計算

    伝熱計算について教えてください。 例 材料加熱炉(ガス加熱)に6tの材料(総表面積 20.8?)を投入して   加熱します。設定温度を仮に800℃とした場合、材料温度を800℃   で5時間保持するのに必要なエネルギーの計算方法が分からず困っていま   す。 (情報不足な文面かと思いますが) どなたかお詳しい方、いらっしゃいましたらご教授願います。

  • SUS304の窒素雰囲気ガス連続炉での1200℃…

    SUS304の窒素雰囲気ガス連続炉での1200℃熱処理 窒素ガス雰囲気連続炉において1300℃まで加熱していきたくテストを重ねていますが、1000℃以上で酸化が起こり、ステンレス表面が黒くなってしまいます。一応、加熱炉内の酸素濃度は0.5ppm以下の状態にはなっているのですが、何か考えられることが有れば教えて頂ければ助かります。黒い物質は確かに酸素でした。

  • 加熱した物体を冷却時の温度分布の時間変化

    板状の物体を炉から出し、室温で冷却していったときの物体の(中央の)厚さ方向の温度分布の時間変化を計算したいと考えています。 表面と内部の温度差の変化を計算し、温度差が最大となるところをだしたいためです。 熱伝導方程式をもちいた、初期値問題などが近いと思ったのですが、たいてい境界条件として境界は一瞬で冷却されるという仮定がされていました。 はじめは炉内で十分加熱されて温度差は0、十分時間がたてば物体は一様に室温となり温度差は0ですが、その間は表面と内部で温度差があるはずで、その温度差の時間変化を計算したいのですが、どのような内容について調べればよいでしょうか。 よろしくお願いします。

  • 伝熱の計算及び考え方を教えてください。

    自動車のオイルパン内に加熱器を設け、エンジン始動前にオイルの温度を50℃ほど加熱したい場合の加熱器のおおよその出力を求めたいのですが、伝熱計算の方法が分かりません。 オイルの体積V=4 L 比熱C=2.13 kJ/(kg・K) 密度ρ=0.852 kg/m3 オイルパンの熱伝導率λ=60 W/(m・K) 密度ρ'=7870 kg/m3 比熱C=0.482 kJ/(kg・K) (1)加熱器とオイルの熱伝達 (2)オイルとオイルパンの熱伝達 (3)オイルパンと外気の熱伝達 (4)オイルの熱容量 (5)オイルパンの熱容量 これ以外の伝熱計算は必要になりますでしょうか? 実際にはオイルパンと他の部品がつながっているので、そこにも伝熱が生じると思いますが、今回は生じないと仮定しております。 また、エンジン始動前なので、加熱器以外からの放熱はないものとします。 厳密に行なおうとするとかなり複雑な伝熱なってしまうと思うので、おおよその値を試算するだけでいいので、どなたかアドバイスお願いいたします。 他に条件が必要であれば補足いたします。 よろしくお願いいたします

  • 配管内を通る気体を冷却する条件

    真空炉内を5.0x10-5mbarまで排気後、真空排気しながらヒーターを580℃まで加熱した時の炉内雰囲気温度はどれぐらいなのでしょうか? 加熱は約1時間程度。 また、その真空炉に普段使用しているポンプとは別の高真空ポンプを接続します(排気能力は後付けの物が大きい)。もちろん上記条件で加熱された気体は排気能力の強い方に引き込まれると思うのですが、熱に弱いのでポンプに到達するまでに極力常温まで冷却したいです。 炉体からポンプまでの配管を伸ばし、配管を冷せば中を通る気体は冷されると考えますが、どれくらいの温度で冷せばいいのか、配管をどれくらい伸ばせばいいのかわからず困っております。 今の配管はΦ30x1000mmです。 ご教授頂ければ幸いです。 宜しくお願い申し上げます。

  • 高温を保持した際のカロリー計算について質問です

    密閉された電気炉(三相200V8KW程度)の使用を前提とします。炉内を800℃まで加熱した後20時間保持した場合と1200℃を1時間保持した場合とで、積算熱量としての差を計算から出す事は可能でしょうか?要は加熱温度と保持時間から発熱量が解らないものかと、、、宜しくお願い致します。