パーライト焼入れとは

このQ&Aのポイント
  • パーライト焼入れとは、熱湯による焼入れ方法であり、冷却速度が遅くなるためマルテンサイト焼入れではなくパーライト焼入れが行われることがあります。
  • パーライト焼入れのメリットは、焼入れ後の材料が耐久性や靭性を持ち、応力集中やクラックの抑制が可能になることです。
  • 焼ならしとは異なり、パーライト焼入れでは焼入れ前と焼入れ後で組織に大きな変化が生じるため、材料の性能向上につながります。
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パーライト焼入れとは

素人なりに勉強しているのですが、パーライト焼入れなるものがよく理解できません。 本には、 「熱湯に焼入れすると冷却速度が遅くなり、マルテンサイト焼入れではなくパーライト焼入れすることが出来る(Howaq処理)」 とあります。 パーライト焼入れすることのメリットや、得られる組織、また焼ならしとはどう違うのかなど、どうかご教授願います。

noname#230358
noname#230358
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みんなの回答

noname#230359
noname#230359
回答No.5

回答(3)さんにお答えします。 よく見つけられましたね。Googleで検索したら結構出ていますね。 Howaqとは「Hot Water Quench」であることも分かりました。 ご指摘の文献をサイトで見ました。Abstractしか見られませんでした。 内容から見て、高張力鋼板の製造方法に関するもので、何種類かある 高張力鋼板のうちDP(Dual Phase)鋼、つまり組織が「フェライト+ マルテンサイト」型の鋼です。 それを実現する方法として、高周波で加熱(完全オーステナイト化では ないのでSoakingという言葉を使っているようです)してフェライト+ オーステナイト相にし、冷水で2回冷却することにより、オーステナイト 相を完全にマルテンサイト相にするようです。この冷却方法は、冷却 速度が高いため、焼入性向上のための元素を倹約できるとしています。 従来の方法(具体的には不明)では、冷却速度が不十分なため焼が入らず、 パーライト相になってしまうので、焼入性向上元素量を多くしなければ ならなかったとしています。つまりここではパーライト相は張力を下げ てしまうので、望ましくない組織としています。 しかしAbstractにはHowaqについては触れられていないのでので、その 利用方法などは分かりませんでした。

noname#230359
noname#230359
回答No.4

「パーライト焼入」というのを初めて耳にして興味深く拝見してますが、 専門家の見解を早く見てみたいものだと心待ちにしています http://www.netushori.co.jp/story/07.html これを見るとベイナイトと言う組織が、パーライトっぽいと言っているが 現代の熱処理技術から塩浴などの手法から可能になってきたものなのかな? あくまで推測だが焼入れ+焼き戻しの手間を一発クリアで近い組織にする?

noname#230359
noname#230359
回答No.3

?howaq?で検索してみると、論文のアブストラクトが掛かりました。 新日鐵などの丸飲みを企むアルセロール・ミタル製鉄の?ハイテン?に関する技術のようですね。 1さん、2さん解説してください。。。 どうもパーライトは避けるべきというふうに読めるのですが? INNOVATIVE ANNEALING TECHNIQUES FOR THE PRODUCTION OF ADVANCED HIGH STRENGTH STEELS Keywords: dual phase, multiphase steels, howaq-twice, zinc quench, compact annealing line Abstract. -------- The reasons behind this are first the low cooling rates available on the lines which require the use of a large amount of alloying elements for avoiding the unwanted phases such as the pearlite★ and secondly the difficult control of soaking temperature and time in a narrow range, resulting in a variable austenite content at the end of the soaking and then in a dispersion of the obtained mechanical properties.

参考URL:
http://www.scientific.net/0-87849-428-6/4405/
noname#230359
noname#230359
回答No.2

“パーライト”というのは、マルテンサイト同様に鉄-炭素合金の組織形態の一つですが、 オーステナイトからの急冷で生じるマルテンサイトが、言わば過炭化に近い状態なのに対して、 パーライトはフェライト(常温下でのごくありきたりな鉄の状態)とセメンタイト(炭化鉄;鉄の標準的な炭化状態)の共晶です. 鉄には、ある程度以上の熱を持つと炭素を取り込もうとする性質がありまして、 それもゆっくり冷やせば鉄が炭素を手放して別個に結晶化して、その状態をフェライトというのですが、 急冷により過剰な炭素を抱きかかえたまま固化したのがマルテンサイトで、 マルテンサイトから適度に炭素を手放したのがセメンタイトという感じになります. 焼きならしというのは、言わば結晶の整列・再配置と言いますか、 個々の結晶自体に殆ど変化を与えない組織の均質化という事になると思います. 焼き入れ、焼き鈍しというのは、結晶そのものを変質させます. 玄武岩と花崗岩の結晶の違いみたいなものですかね. マルテンサイトは非常に硬く、耐摩耗性を最重視する場面では有効ですが、反面脆く、 セメンタイトはマルテンサイトほど硬くはないもののほどほどの硬さがあり、 それがパーライト組織を形成する事で、フェライト由来の粘さとセメンタイト由来の硬さを併せ持つ事になりますから、 強度重視の場面ではマルテンサイトよりも効くのではないかと. 熱処理に関しては素人なので、具体的な用例などは書けませんが、 少しでも理解の手助けになればと思います.

参考URL:
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%88&stype=1&dtype=0
noname#230358
質問者

お礼

丁寧に説明して頂き、感謝しております。 有難う御座いました。 今後も宜しくお願い致します。

noname#230359
noname#230359
回答No.1

鉄鋼材料には長く係わっていますが、「パーライト焼入」という言葉は 初めて聞きました。検索すると下記URL http://homepage2.nifty.com/ty-1999/netusyori-hyoumensyori/yakiire-01.html があり、その「硬さ焼入れ」の項を見ると、要は焼きが入っていないとな っていますが、これでは回答にはなっていないでしょう。「Howaq処理」も 勿論、初耳です。検索しても出てこないので内容がわかりません。 下記は推定です。 焼入冷却速度を低くするとパーライトが生成してしまうわけですが、参考 URLの(4)金属組織の項にあるように、ある冷却速度範囲では、通常のパー ライト(焼きならしで得られる組織)ではなく、微細パーライトになります。 この組織の場合、マルテンサイトほどではありませんが、ある程度の硬さ が得られます。また冷却速度が遅いため焼入歪みも小さくなります。 多分、マルテンほどの硬さは必要がなく、かつ歪みを嫌うような場合に 使用されているのではないでしょうか。

参考URL:
http://www.tobu.or.jp/yasashii/book/gj06.htm
noname#230358
質問者

お礼

早速のご回答、有難うございます。 「パーライト焼入れ」という字面だけ見て、なんだか焼入れの失敗みたいに感じていましたが、 kuromameさんの仰るようなケースでは、ある程度の強度が出る上に焼き割れや歪みが生じず、確かに有効ですね。 また焼戻しも不要ということで、コストも抑えらるわけですよね。 「クイック焼きならし」というニュアンスで、理解することにしました。 勉強になりました。まだまだ分からないことが多いので、今後も色々と教えて下さい。宜しくお願い致します。

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