SUS・合金の応力除去焼きなまし(アニール)の設定条件

このQ&Aのポイント
  • 度素人ですが、間違った温度でアニール処理を行い、鋭敏化したSUS303を使用した製品で応力腐食割れが発生しました。アニール処理は精度を守るために必要ですが、適正な設定条件が分かりません。
  • 炭素鋼、工具鋼、鋳鉄は600℃でアニール処理し、オーステナイト系SUSは450℃、マルテンサイト系は600℃、黄銅は360℃(2時間)、リン青銅は250℃、A5052、5056は280℃でアニール処理します。ジュラルミン系、ダイキャスト、鋳物は230℃、チタン合金は550℃、低熱膨張合金は330℃(3時間)でアニール処理します。
  • SUS以外の金属はアニール処理によって鋭敏化は起きないとされていますが、アルミ合金では粒界腐食が起きる可能性があるため注意が必要です。強度低下や腐食進行も懸念されます。
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SUS・合金の応力除去焼きなまし(アニール)の設…

SUS・合金の応力除去焼きなまし(アニール)の設定条件 まったくの度素人です。弊社の指示ミスで650℃の温度でアニールをして しまい、鋭敏化したSUS303を使用して切削加工した製品をお客様に納め、 応力腐食割れを起こしてしまいお客様に迷惑をかけた経緯があります。 それ以来アニール処理が怖くなり今は控えています。しかし製品の精度を守る為にどうしても必要な処理として位置付けています。私どもの設定条件は 炭素鋼・工具鋼・鋳鉄が600℃。オーステナイト系SUSが450℃。マルテンサイト系が600℃。黄銅が360℃(2hr)。リン青銅が250℃。A5052,5056が280℃。 ジュラルミン系、ダイキャスト、鋳物が230℃。チタン合金が550℃。低熱膨張合金が330℃(3hr)です。カッコ以外は全て1hrで、全て放冷です。 この条件が適正なのかが判断できないでいます。もし適正であるようでしたら、何故この条件になるのか設定温度の事だけでもかまいませんので教え て下さい。又SUS(オーステナイト系)を除いた金属全てがアニール処理 により鋭敏化は起きないのでしょうか。ある熱処理の文献にアルミ合金も 粒界腐食が起きると書いてありました。強度低下や腐食の進行なども 気になります。 宜しくお願いします。

noname#230358
noname#230358
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noname#230359
noname#230359
回答No.2

切削加工後の歪取り焼鈍の事ですね。熱処理のご専門ではないが、仕事上どうしてもやらざるを得ない状況にあるものと推察致します。 歪取り焼鈍と云うのは、加工で生じた歪、即ち結晶格子の乱れ(転位)を熱拡散により解消する事です。この時気をつけなければならない事は、その温度で第3相が析出して材料の特性が失われる事が良くある事です。 オーステナイト系ステンレスの場合450℃以上でCr炭化物が粒界に析出(鋭敏化)したり、ジュラルミンの場合200℃以上でGP相がCuAl2の析出相に成長し軟化したりします。この場合、再度溶体化処理(高温加熱ー水冷)をやり、ジュラルミンの場合は更に時効熱処理の必要が生じ、加工精度が失われる場合があります。 これ等の現象は温度と時間の関数ですので、切削加工のように表面だけの歪の場合、転位の回復時間10~15分程度であれば実用上差し支えない程度に抑制できると思います。御社の保持時間の1Hrはちょいと長すぎる気がします。 転位の回復のイメージは、京都繊維工業大の森田先生の判り易い講義ノートを見つけましたので、下記に添付します。 http://www.cis.kit.ac.jp/~morita/JP/class/EngMats/6.pdf (末尾の数字を1~8に変えると、全ての内容が見れます) どうも書いていてしっくりしなかったのですが、ひょっとして切削中に材料がそり返ってくる対策として、熱処理をされているのでしょうか。 もしそうなら、それは素材の熱処理(溶体化処理)後の残留応力が開放されるからです。一般に内部は引張り、外側は圧縮の力が働いているので、例えば材料を深く凹型に削ると側壁が内側に倒れ込んでくるように変形する筈です。 こういった場合、材料を荒削り後、再度溶体化処理をして、その後仕上げ加工する方法がありますが、熱処理がご専門でないと言われるなら専門の業者に頼んだ方が無難です。 そうでなければ、切削後研磨によって寸法を出す方が現実的でしょう。熱処理に伴う熱応力-反転した残留応力のかかり方は形状が複雑であればある程、予想が付き難くなりますので。 いえ、ご迷惑を掛けているのは、我々材料屋の方ですからこの部門でよいのだと思います。 残留応力と云うやつは厄介な代物で、本来は材料供給側で応力除去をして材料をお渡しするのが本筋と思いますが、オーステナイト系ステンレスとジュラルミンはその性質を確保する為、高温で溶体化(合金元素を均一に分散させる)処理をして無理やり急冷するという手段をとらねばならないので、その過程でどうしても熱応力がかかり残留応力が生じる事は避けられません。 従って、なるべく製品に近い形状にした時点で最終の熱処理をされる方が、仕上げ切削による応力開放量が小さくなり変形量も少なくなる筈ですが、冷却時材料を水に入れる向きが違うだけでも、歪が大きくなったり小さくなったりします。これは熟練した作業者でないと判りません。 そこで、お仲間の中に熱処理を専門にやられている方を探し、その御意見を聞かれたら何らかの解決策が見つかると思います。

noname#230358
質問者

お礼

ご回答有難う御座います。おっしゃるとうり私どもは切削加工会社で、 文書などを人に伝わりやすく書くことが苦手な私で、惑わせてしまいました 事をお詫びします。 毎日のように反りや変形などと戦っています。その製品の品質保持として アニール処理をしています。弊社の条件で処理を行うと確かに製品精度が 安定します。丸い製品ですと丸の歪や変形が無くなり安定(同軸度・芯円度) します。角の製品ですと、そりや変形が無くなり安定(平行度・平面度・直角度)します。申し訳御座いませんが、ご回答の内容が私には難しくて 分からない部分が有りますが勉強して理解したいと考えています。 この様な内容でしたら、分野は材料ではなく加工分野での質問の方が 良かったのでしょうか? 正直分からなくなってきました。 有難う御座いました。

その他の回答 (3)

noname#230359
noname#230359
回答No.4

他の回答者さんの資料とアドバイスを基本として、 以下の資料を確認してみて下さい。 SUS301とSUS303の炭素(C)含有量は同じです。 Cr量がSUS301の方が低く、S量がSUS303が高い等です。 http://www.tokkin.co.jp/materials/stainless_steel/000099.php 成分の対比は、以下を参照下さい。 http://www.forming.co.jp/database/db/ssb-1.pdf SUSUの一般資料は、以下です。 http://www.hsk.ecnet.jp/sus-kaisetu.htm

noname#230358
質問者

お礼

ご回答有難う御座います いろんな資料の提供、有難う御座います。 こういった文献から、アニール処理のSUSは何℃、アルミは何℃、銅合金は何℃、炭素鋼は何℃と言う、この温度なら素材は壊れていなと判断 出来るところまで 調べて行くのは難しいものですね 他に調べ方を考えなくてはなりません。 有難う御座いました。

noname#230359
noname#230359
回答No.3

ステンレス自体を固溶化熱処理する以外に、応力除去焼きなましなどもした 経験もなかったので興味をもって拝見しています(高精度を要求されるのか) ※質問者は素人と言っている位なのですから、機械屋ではないのでしょうか? 機械屋からすると、熱処理屋との敷居が高く感じられることもあります 機械設計屋立場から熱処理は専門から少し外れはするが、オーステナイト系 のステンレスは固溶化温度から急冷し常温でもオーステナイトの状態に無理? にしていると認識しているし、加工や溶接でも特に神経を使わざるを得ません 材料毎に脆性温度などが違うので一概に言えないが、アニール処理の加熱温度 と時間を制御するのは判るが、冷却時も脆性帯があるものもあり冷却時温度と 冷却時間は放冷となっているので制御しなくて良いモノだろうか?っというの は焼戻しならば冷却速度とかを制御しているようだし、溶接だって炭素量によ り予熱や後熱をする位だから、すべてが大気放冷というのが少し気になります S45C-Nでも、大気放冷だが若干焼きが入り、Hs28前後(σ=605N/mm2)になる

noname#230358
質問者

お礼

ご回答有難う御座います 機械屋ではなく、部品(半導体製造装置・光学系・インフラ・測定器など)の切削加工を行っている会社です。 ですので本当に素人です。お客様に精度の高い製品を提供するために アニール処理を行っているのですが、製品の精度が高くても、その素材自体が壊れていてはお客様に安心して使用して頂く過程にはならないので 今、アルミ合金から始まって、各材料の素材が壊れてないと説明出来る 答えを探しています。 有難う御座いました。

noname#230359
noname#230359
回答No.1

ステンレスの鋭敏化については焼きなましではなく溶体化処理をしなければなりません。 参考となるHPをご覧下さい。 失礼ながら、御社ではシロウトが熱処理の温度を決めているのでしょうか? もしそうなら大きなトラブルにならないうちに熱処理の商売はやめたほうがいいです。 >この条件が適正なのかが判断できないでいます。もし適正であるようでしたら、何故この条件になるのか設定温度の事だけでもかまいませんので教えて下さい。 商売しているのに今更こんなことを掲示板で聞いてどうするのでしょうか? 加工前に応力除去焼きなましをしているなら、加工後に溶体化処理するか、 鋭敏化しにくいSUS304Lを使うか。 SUS303Lがあるのかわかりません。ただ、303を使っているのは切削性を考慮してのことだと思うので、304Lという選択は出来ないのかもしれませんが。 回答2さんがジュラルミンの時効硬化について書いてますが、 炭素鋼や工具鋼は加工後に焼き入れ焼き戻ししていないのですか? アルミの質別はご存知ですか?図面の材質にA7075 T6とかA5052 H34と書いてるのに 御社に加工出してアニールされたら、私だったらつき返しますよ。

参考URL:
http://www.asahi-kasei.co.jp/aec/e-materials/vol_10.html
noname#230358
質問者

お礼

ご回答有難う御座います。 弊社の仕事は切削加工会社です。加工前に材料の歪取りを行う事を目的としてアニール処理を行っています。設定温度については弊社のお客様から 頂いた条件が有り、それを基に行ってきましたが、その事故により 再度確認作業をしています。条件を頂いているお客様に問い合わせを していますが、なにせ20年近く前の事で、今となってはその条件を 作った社員も居なく答えがもらえない状態です。何かの文献を基に 作った事は確かな事みたいですけど。 有難う御座いました。

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