• 締切済み

製造業 匠の技術伝承

製紙関係の職場で働いています。 昨今、目まぐるしく技術革新のspeedが早まる中でAIやIOTの活用で製造現場にも多くの技術が取り入れられ、今後も益々浸透していくと予想されます。 製造 現場には人から設備に置き変わり自働化が進みますが、そうは言っても全てが賄われることは短期、中期的には難しく設備と人との融合が必要になってくると思います。 そこで、人の所については、ベテラン社員から中堅社員、新入社員と匠の技術伝承が不可欠であると思います。AIやIOTが進歩する中でその技術伝承(教育)の仕方も変わってくると思います。 技術伝承(教育)について、今後の展望や実施案(既に実施している)をお待ちであればご教授下さい。

みんなの回答

  • hue2011
  • ベストアンサー率38% (2801/7249)
回答No.2

世の中には品質管理という思想が存在します。 この品質管理のことを教えるときに必ず言うことがあり、それは「品質の反対語は職人芸である、それを意識せよ」です。 どちらもいいことを言っているようにぼんやり考える人がおおいけど、その意味は単純です。 ある製品を買うとしたときに、1番目と2番目が性質が違うようだったら、危なくて買えません。仮に電球を10個かって全部明るさが違うようなら、そんなものは買う価値がありません。そんなことがないようにするのが品質管理です。 ある型番の製品であれば、別の店で買っても、遠く離れた旅先で買っても同じものである必要があります。これが品質なんです。品質が良いというのは性能がいいのではなく、皆が同じものだということです。 あるメーカーが「性能も品質のうち」みたいな能書きを考えて社内に貼りだしたりしたことがありますが、原子炉もつくっているような会社が言うことではない。明確に間違っています。性能というのは「仕様」です。1リットルのバケツという仕様であれば、1リットル入る必要があるのです。これが製造現場で1.2リットルだとか0.8リットルのものができてくるなら、品質は悪いのです。1.2のほうがいいじゃないか、というのは性能の話であって、その性能のものが寸分たがわずできないなら品質は悪いのです。 品質管理というのは「きっちり同じものを提供する」という管理です。当たり外れなんかあってはならないのです。 一方職人芸というのは、匠の技みたいなものを身に着けた名人というのがいて、ふたつと同じものがないようなものを作るのです。ものすごく似ていても、ふたつあったらそれは違うもので、お客は唯一無二のものを期待して仕事を頼むわけです。 たち吉の茶碗というものだったら10客分あったら寸分たがわないものでないといけません。そうでないと来客に失礼です。 柿右衛門の茶碗なら、これ、という一つがあって、それを茶室で愛でながら鑑賞して皆で回しながら使うわけです。 ここまで説明すると、AIの世界と技術伝承の世界は全然違うことがご理解いただけるでしょう。 AIは、人間の判断とか経験がおよばないくらいの膨大な記録の参照をし、分析することで「こうしたらいいんじゃないか」を提案することができます。それは人間の頭では考え付かないびっくりするようなものかもしれない。 だけどそれを仕様として、大量生産をするときには品質の世界です。AIが描いた図にしたがって量産するだけです。 人間の職人は、AIの提案した仕様をもとにモディファイすることができます。 それは論理的なものでもなく、経験上とか古老から聞いたことなんかが加わった形でなされ、そして、たった一つの素晴らしいものを作るのです。 このふたつはべつに敵対する関係でもなんでもありません。 自動車を作る場合は品質の世界です。そこに職人芸なんか入ってもらっては困ります。どの車両に乗っても全部同じ動き、同じ癖を持っていないといけません。 でも新幹線を作る場合はすべてが手作りで、そこに職人芸が展開するということになるのです。新幹線はひとつひとつが唯一無二のものです。同じ設計図でつくられるとしても、フロントラインのカーブなんかは手作業でスティールを曲げていって作りますので、全く同じものはふたつない。 部品として使うものは、どこかのメーカーで作ったものを買うわけですからこちらは品質の世界です。それを組み立てる工程以後は職人の世界になるのです。 末端でコイルを巻いたりするのは大昔は全部手作業でしたから職人としてうまい人間と下手なのがいたわけです。それにチェック作業をつけて同じものにしようと努力したとすれば、それは品質活動です。 コイルが大量生産で手を加えないで作れるようになったら、人間のやることは品質管理だけです。全製品を確かめて、おかしい動作をするような製品は捨てるとうことをするようになったのです。 コイルも抵抗もコンデンサも半導体も組み合わせた回路を考えて全部がくみあわさった、オペアンプなんていうものを作るとしたら、これも職人芸ではなく品質管理です。 そういう部品を集めて集積し、ネットワーク制御だとかデータ受信のチップをつくったら、当然これも品質管理の世界です。 多種の部品を組みあわせて、こういうものができないか、こうしたら便利じゃないかというのを発想して実験するのは、「プロトタイプ作成」であり、職人芸です。プロトタイプなんて1台しかありません。 それはいい、ということになって、その仕様で大量生産するようになったら、それは品質管理の世界です。 いま、コイル巻きの名人技術を持っている人がいるとして技術伝承をしようとしても、それを受け継ぐ気になる若手がいるとは思えません。なぜなら仕事がないからです。 進化するとともに、素手でやる仕事はだんだん無くなっていきます。その代り管理する仕事がふえるのです。 その、管理する仕事にスイッチする時期に、管理する仕事は昨日まで手でそれをやっていた人間にきまっていきますので、その手作業のことは熟知した上、管理を理解しているのです。継承するとすればそこをしないといけません。 管理する技術だけ教えるなら、ノウハウの伝達にすぎず、単に「引き継ぎ」です。 管理するものをおしえ、それを管理するためにこういうことをするのはこの理由だを理解してうけとるのであれば、スキルが伝承されたということになります。 管理する仕事は、どんどん別のものになっていきます。 そのうち、数代前に重要なスキルであったことが何の意味ももたないことになってしまうことがあります。 真空管に関する技術がそうであり、今そもそも真空管自体が手に入れるのが大変です。そうすると真空管をどうこうするという職人芸は消滅していくしかないのです。でも別に困りはしないのです。 それが、すくなくとも過去100年ぐらいの間に起こっている、産業というものです。

  • nagata2017
  • ベストアンサー率33% (6933/20498)
回答No.1

ジュエリー業界について 全て手作りだったのは50年前ぐらいまでです。 そのころ キャストという技術が出てきました。 原型をひとつ作って それから型を取り 同じものを量産することができるようになりました。 それにより 加工代のぶんコストが下がって安くなり 大衆化が進みます。 職人の仕事は 原型制作と 高級品の制作(高価なものは少ししか売れないので量産にむかない) しかし社会が豊かになると 大量生産品ではなく 一点ものが欲しいと言う人も増えて 再び職人の仕事に。 といったことを経て 現在は 3Dプリンターの出現です。 デザイナーが描いたものをCADデータに変換して3Dプリンターで制作。 ひとの手は 石留めと仕上げだけになります。それからサイズ合わせ。 職人の持つ製造技術の入る余地がなくなります。 つまり 技術伝承の必要もなくなってしまう。 残るのは シンガーソングライターのような人 デザイナー&クラフトマン デザインして作る人

関連するQ&A

専門家に質問してみよう