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日食/月食がおきるときの計算

日食/月食がおきるのは、以下の文章のようなときだということですが、この「12.5度~18.5度」はどのようにして計算されているか、教えてください。 天球上の月の通路である白道と太陽の通路である黄道は5.14度傾いている。ちなみにこの角度は360度のほぼ1/70だが、この白道と黄道の交差するところがノードもしくは交点である。満月か新月の時に12.5度~18.5度の範囲内にこの交点が来ると、月食か日食が起こる。

みんなの回答

  • staratras
  • ベストアンサー率41% (1504/3660)
回答No.5

金星の太陽面通過について、平面や直線で近似した簡便な計算をしてみました。地球上でこの現象が見られる条件は、下の上の図のように金星の半影(紫色の部分)に地球が入ることです。地球軌道上におけるこの半影の半径を求めます。 まず、太陽と金星の共通接線と黄道面の交点(T)と金星の中心(V)までの距離TVを考えますと、三角形の相似から、太陽と金星の中心の距離(金星の軌道半径)を、太陽と金星の半径で比例配分した数値になります。 太陽・金星の半径をRs,Rv、金星の軌道半径をrvとすると、TV=rvRv/(Rs+Rv) …(1)。 したがって、地球の軌道半径をrE、地球軌道上における金星の半影の半径をxとすると三角形の相似から、 TV:Rv=(TV+rE-rv):x すなわちx=Rv・(TV+rE-rv)/TVが成り立つので、(1)を代入して整理すればx=(RsrE+RvrE-RsrV)/rV Rs=69万6000km Rv=6052km rE=1億4959万km rV=1億820万km  を代入して計算すれば、x≒27万4600km  ここでは球面を平面として近似していますのであまり細かく計算しても意味がありません。 ここで下の図の下の断面図が、「金星の太陽面通過が観測される金星と地球の軌道面の交点と内合の位置との距離Dが最大の場合」です。金星の半影と地球の中心を通る断面が外接する場合なので Dsin(3.395度)=27万6000+6378(地球の半径)が成り立ちます。 D=28万2378/0.05921≒476万8000km です。 ところで、地球の軌道の1周の距離は2πrE≒9億3999万kmなので角度にすると、360×(476万8000/9億3999万)≒1.82 答え約1.8度 球面や円弧を平面や直線で近似した分だけやや過大になりましたが、おおまかな見積もりにはなります。

honeybeans
質問者

お礼

回答を見逃しておりすみません。大変専門的なことに詳しくご説明いただきまして、どのような方なのかなぁ?と想像しております。大変勉強になりました。ありがとうございます。

  • staratras
  • ベストアンサー率41% (1504/3660)
回答No.4

No.3からの続きです。下の図は金星の軌道面と地球軌道面との交点(ABが軌道の交差する点)から金星の軌道面で角度αだけ離れたところで内合が起きたとして、地球から見て金星が太陽面の上端ぎりぎりに見える条件を考えたものです。Rsは太陽の半径、rvとrEはそれぞれ金星と地球の軌道半径です。(真円軌道と仮定)金星の軌道傾斜角をiとし、下の上の方の図で赤い線のところの断面を考えると、このときの金星の地球軌道面からの高さh(垂直距離)は、h=rvsinαsini…(1)です。 一方、太陽・金星・地球を含む断面を考えたのが下の下の方の図で、三角形の相似から(近似的に)h/(rE-rv)=Rs/rEが成り立つので、h=Rs(rE-rv)/rE …(2)です。 (1)と(2)からrvsinαsini=Rs(rE-rv)/rE ∴sinα=Rs(rE-rv)/rErvsini  これが限界です。 地球の軌道半径:rE=1億4959万km 金星の軌道半径:rv=1億820万km 太陽の半径:Rs=69万6000km 金星の軌道傾斜角:i=3.395度  これらを代入すると sinα=69万6000×4139万/1億4959万×1億820万×sin3.395度 =69.6×4139/(14959×10820×0.059219)=0.0300547… α≒1.7度

honeybeans
質問者

お礼

返事が遅くなりまして申し訳ありません。大変詳しくご説明いただき感謝申し上げます。やはり惑星と太陽の食というのは、かなり狭い角度になったときに食となるのですね。計算は難しくて私にはできなさそうなので諦めました。この度は2度に渡ってお世話になり、ありがとうございました。

  • staratras
  • ベストアンサー率41% (1504/3660)
回答No.3

>地平視差が探しても見当たりません。惑星と太陽との食についてもご教授いただけると助かるのですが。 惑星の地平視差は少し詳しい天文年表などには掲載されていますが、見つからなくても見方を変えれば「その惑星の中心から見た地球の視半径」ですので、惑星の地心距離(地球の中心からその惑星の中心までの距離)さえわかれば容易に計算できます。金星の太陽面通過のときであれば、30.4”でした。(2004年6月8日の例) ただしこの数値を回答1・2の式に代入すると、αの値が4度以上になり、明らかに過大です。日食では使えた略算法がそのままでは金星に対しては使えないのです。 これはなぜかということを示したのが下の図です。右側は2012年5月21日の金環日食の前後の月の動き、左側はその翌月6月8日の金星の太陽面通過の前後の動きです。 一見して明らかなように、月の動く道(白道)は黄道と軌道傾斜角程度の小さな角で交わって滑らかに動いていますが、金星の動きは大きなSの字を描いて逆行していて逆行の中央部で内合となっています。このとき黄道と交わる角も軌道傾斜角(約3.4度)よりずっと大きな角です。天球上で黄道と軌道傾斜角で交わる大円(白道)の上を動くという月では使えた仮定が金星では使えません。それではどう計算したらよいかについては、このあとの回答に続きます。

  • staratras
  • ベストアンサー率41% (1504/3660)
回答No.2

No.1の続編です。下の図で黄道上の点Cを中心とする半径r+R+p-Pの円を描きます。この円に接し、白道と黄道との傾斜角iに等しい角度で黄道を切る直線が黄道を切る点をL1,L2とすると、月の軌道の交点がL1とL2の間にあることが日食が起きる条件となります。CL1=CL2=αとすれば球面三角形の公式から以下の式が成り立ちます。(黄道は直線ではなく円弧の一部で、図の三角形は地球の軌道半径を半径とする球面上にあります) sinα≦sin(r+R+p-P)/sin i これが地球上のどこかで日食がわずかでも見られる条件です。 太陽の平均視半径(R):15'59” 月の平均視半径(r) ;15'32" 太陽の地平視差(P) :8.8” 月の地平視差(p)  :57'2”  傾斜角(i):5.16度 として計算すれば sinα≦sin(88'33")/sin(5.16°)=0.286369…  α≦16.64° ただしこれは平均値であって、実際には地球と太陽・月との距離は変動しますので平均視半径なども変わります。詳しく計算するとαの限界の最大値は18.5度になります。これがご質問の文章の中の18.5度の根拠だろうと考えます。 なお12.5度の方は月食が起きる限界値だろうと考えますが、ご質問の文章は表現が簡潔すぎて誤解を招くおそれがあり、詳しく言えば以下のようになります。 「新月の時に18.5度の範囲内にこの交点が来ると日食が、満月の時に12.5度の範囲内にこの交点が来ると月食がそれぞれ起きる可能性がある。」 「可能性がある」と言って「必ず起きる」と言えないのは、「必ず起きる」のはαの限界の最小値(日食では約15.35度)以下の場合だからです。日食の場合をまとめると交点と新月の時の月の角度が15.35度より小さければ必ず日食が起き、18.5度より大きければ日食は起きません。この中間の場合は起きる場合も起きない場合もあるので精密な計算が必要となります。

honeybeans
質問者

お礼

大変詳しく説明していただき誠にありがとうございます。難しいですが、とても参考になりました。実は、月以外に他の惑星と太陽との食も何度になるか計算したいのですが、同様に月の値を各惑星の値にすればよいですよね? 視半径と傾斜(軌道傾斜角で良いですか?)は調べると出てくるのですが、地平視差が探しても見当たりません。惑星と太陽との食についてもご教授いただけると助かるのですが。

  • staratras
  • ベストアンサー率41% (1504/3660)
回答No.1

日食の場合の説明です。日食は太陽・月・地球が一直線上に並ぶことにより太陽が月に隠される現象ですが、太陽も地球も月も大きさがある天体ですので、厳密に一直線上(Moの位置)である必要はなく、ある程度ずれていても日食になります。 部分食の場合どこまでずれていても日食となるのかを示したのが下の図です。M,E,Sはそれぞれ太陽・地球・月の中心で、求めたいのは太陽ー地球ー月の角度(∠MES)です。日食が起こるためには、月は太陽と地球に外接する細長い円錐ABDCの内部を通過しなければならず、その限界(月がこの円錐に外接した瞬間)には下の式が成り立ちます。 ∠MES=∠MEF+∠AES+∠FEA=∠MEF+∠AES+∠CFE-∠FAE    =月の視半径(r)+太陽の視半径(R)+月の地平視差(p)-太陽の地平視差(P) つまり、月と太陽の離角∠MES≦r+R+p-P となるときに日食がおきます。しかしまだこの角度は月と太陽の角度なので、「満月か新月の時に12.5度~18.5度の範囲内にこの交点が来ると、月食か日食が起こる。」という月と交点との角度ではありません。これを求めるのが次の回答です。(No.2に続く)

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