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質問ですが
極小のブラックホールが徐々に大きくなって地球を飲み込むほどになってしまうことはありますか? 下の記事の事を見たときにふと思ってしまって・・・ http://karapaia.livedoor.biz/archives/52011348.html 記事の中に高速で極小のブラックホール自体が地球の周りを通り過ぎている話を聞いて、少し怖くなり 生きている間には多分、この記事の通りに大型ハドロン衝突型加速器(LHC)のような強力な原子核破壊装置によって極小ブラックホールが生成されたとしても、地球をのみ込むような最悪のシナリオの心配はないようだ。 と言われてありますが・・大丈夫でしょうか
- hino681
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- 天文学・宇宙科学
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ずいぶん前の与太話ですね。前世紀半ばくらいなら、「マイクロブラックホールというものがあって周囲の物質を吸い込み」という話は一応は考えられなくもない話ではあるんですが、その後の理論的発展により無意味なものになっています。SFでも使わなくなっています(新理論に沿った別の使い方ならある、後述)。 まず原子サイズのマイクロブラックホールですが、遥か昔から実際にあります。素粒子加速実験でもできますが、地球に常に降り注ぐ宇宙線同士の反応でもできます。今も無数にできているでしょう。 そういうマイクロブラックホールがどうなるかですが、すぐに消滅します。そのことは量子力学の成果の一つである「ホーキング放射/輻射」として知られています。説明すると、ちょっと話が長くなります。 まず、何もない空間(物質内でも同じ)では、量子力学が言う不確定性原理により、常に素粒子ができては消えています。何もないというのはエネルギーはゼロであるわけですが、不確定性原理によればゼロ付近で揺らぐとしか言いようがありません。ゼロで安定できないのです。 するとどうなるかですが、エネルギーを何も与えなくても素粒子と反素粒子ができます(対生成)。物質と反物質ですね。できるんですが、素粒子と反粒子が反応して消えます(対消滅)。それが至る所で常に起こっています。何もない真空の空間でも、ミクロに見れば大騒ぎになっているわけですね。 そのとき重力があるとどうなるか。特に強い重力を持つブラックホールですね。対生成した二つの素粒子(素粒子、反素粒子)の一方がブラックホールの重力に引かれて吸い込まれ、残る片方はブラックホールから逃れるということが起こります。 この現象をマクロでみれば、ブラックホールから素粒子が出てくる、ということになるわけです。出てくるのは主に光子、つまり光です。この現象は重力差が大きいときに起こりやすいので、ブラックホールが小さいほど激しく起こります。 では対生成した素粒子を吸い込んだブラックホールはどうなるのか。物質なりエネルギーなりを吸い込んだんだから、どんどん大きくなるのではないか。そうではないのです。マクロでみれば、ブラックホールから光などのエネルギーや物質が出てくるわけですから、ブラックホールはエネルギーや物質を失うことになります。エネルギーも質量を持ちますから、要はブラックホールの質量が減ることになります。 (※ ブラックホールに吸い込まれるのは、数値的にはマイナスの質量というものになる。マイナスの質量やエネルギーは、エキゾチックな物質と呼ばれたりする。) ブラックホールが充分小さければ激しく光り、質量を減らしてやがて消滅する、ということになります。国会議事堂くらいの質量のブラックホールとか、車数千台分とか、もしそんなブラックホールがあれば、温度にして数億~数兆度になり、非常に短時間で消滅するでしょう。ブラックホールが車数千台の質量が消えるわけで、車数十万台の重さの核兵器が爆発するのと同じ破壊力です。人知れず存在して、うようよ漂ったり、通過していくなんてことはあり得ません。 ちょっと前にやっていた「宇宙戦艦ヤマト2199」では、「波動砲はマイクロブラックホールを作って撃ち出し、ホーキング放射で敵をせん滅するものである」なんて設定を使っていました。古いSFだとマイクロブラックホールに飲み込ませるなんてやってたわけですが、ホーキング輻射とブラックホールについての正しい知識が広まってきているので、嘘のつき方、もとい、SF考証も変えてきたようです。 素粒子実験器や宇宙線同士といった、原子核反応レベルでの質量ですと、しょせんは原子1個レベルですので、マイクロブラックホールができて即消滅しても、大したエネルギーではありません。1個ではなく、数千、数万でも同じことです。ですので、身の回りで日常的に起きてはいますが、影響を受けることは事実上ありません。宇宙が誕生して以来、宇宙のどこでも起こってきたことですからね。当然ですが、地球に生命が誕生して今日まででも同じことです。 どう考えても、当該記事については現在の知見を無視して古い理論を適当に扱った妄想でしかなく、「アホか、少しは勉強して来い」で片づけられる与太話でしかありません。 元の話を科学音痴が歪めて伝えたんじゃないかという気がします。こういう一文を入れていますが、記事内容にさっぱり反映されていないですよね。 > 物理学者スティーブン・ホーキング氏は、ホーキング放射理論で、小さなブラックホールは放射により質量を失い、最終的に蒸発すると提唱している。 当該記事の著者が、こういう話を聞いたものの、何のことか分からなかったのでしょう。特に難しい話ではないはずなんですが。ホーキング博士は宇宙の誕生当時に小さなブラックホールができていれば、宇宙を観測して証拠が見つかるかもしれないと期待しているそうです。 (となると輝きを増している天体があれば、ということになりますが、宇宙空間を長距離進む光は星間物質などで減衰し、一定以上のエネルギーにならないということがあり、なかなか難しい。もしかすると、普通の星だと思っている天体がマイクロブラックホールだという可能性は無きにしも非ず。と、未解明の分野は得手勝手なことが好き放題言えるのです (^^;。) まあなにせ、あのカラパイアさんですから面白く書ければそれでよく、間違いだらけなのは仕方ないのかも。 P.S. まだ未知の存在であるダークマターの候補物質としてマイクロブラックホールを考えることはあるかもしれません。陽子の数千倍といった質量で非常に反応性が低い素粒子があり得ないわけではありません(まだまだ未知の領域なので、もっと重いとすることも可能)。ただし、原子サイズで車数千台といったレベルの質量だと、とっくに発見されているでしょう。他の物質との反応性が低く、おそろしく質量の小さいニュートリノでも観測できているわけですからね。その面から考えても、当該記事の内容はあり得ない与太話です。
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- maiko0333
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誰もやったことがない、見たこともないものっていうのは 想像や理論上などでしか判断不能です。 世界中のどんな科学者や天文学者やどんな博士でも正確な答えはわかりません。 気になるならあなたが勉強してそういう研究室や天文台に就職して 自分の目で確認してみてください。
お礼
そうですよね。まぁ誰もやったことがないことに判断なんて無理ですよね。 就職するつもりは全くないので申し訳ないです ありがとうございます
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いくつか質問があります http://karapaia.livedoor.biz/archives/52011348.html 記事の中に高速で極小のブラックホール自体が地球の周りを通り過ぎている。大型ハドロン衝突型加速器(LHC)のような強力な原子核破壊装置によって極小ブラックホールが生成されたとしても、地球をのみ込むような最悪のシナリオの心配はない 重力の虹理論では、宇宙の崩壊はすでに始まっている可能性があり、我々の世界は「完全に崩壊して全てのものが小さな球に圧縮されつつある途中」だと指摘している。 記事の抜粋させていただきましたが、そこからいくつか質問があります。 質問1 高速で極小のブラックホール自体が地球の周りを通り過ぎている話は事実なのでしょうか? 質問2 重力の虹理論では、宇宙の崩壊はすでに始まっている可能性があり、我々の世界は「完全に崩壊して全てのものが小さな球に圧縮されつつある途中」という話で、人類が生きている間に崩壊してしまうのか、それとも遥か先の長い話のスパンで言っているのでしょうか? 白黒はっきりつけたいのでよろしくお願いします
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