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なぜ剣という字が使われる?
イメージだと、日本は刀、西洋は剣、という感じがします。 曲がっているか、真っ直ぐかという違いもあったりするのでしょうか。 武士が使っているのは刀と呼んでいます。 けれど、「刀道」ではなく「剣道」ですし、「剣術」や「真剣」「剣戟」など刀を使っているのに、表すには「剣」を使っている言葉が多い気がします。 なぜこうなっているのでしょうか。 その言葉が出来た頃は「刀」とは呼ばずに「剣」と呼んでいた? 「剣」のほうが語感がいいから? ちょっとした疑問なのですけど、ご存じの方がおられましたら教えてやって下さい。
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ANo.5です。 辞書「字統」を見たところ。 〈説文に「人の帯ぶる所の兵(武器)なり」とあり、帯剣を言う。金文の字は鐱に作る。みな双刃、 —略— 六朝の士人も、聖徳太子像のような長剣を帯しており —略— 〉とあります。 刂はリットウで刀と同じ字ですが、篆書より古い金文ではリットウや刀とは組み合わせず金偏で違う字形だったとあります。 篆書 http://sf.zdic.net/sf/zs/1124/e4c092264eedf8a3a5bf835227c2dd10.html 金文 http://images.gg-art.com/dictionary/jin.php?page=230 http://images.gg-art.com/dictionary/jin.php?page=288 参考 http://images.gg-art.com/dictionary/dcontent.php?word=%BD%A3 聖徳太子像でもっとも古いのが奈良時代のこれです。 http://kanagawabunnkaken.web.fc2.com/index.files/raisan/shodana/shodana20.htm 確かに直剣を帯から提げています、二王子はどうやら太刀のようです。奈良時代には刀は帯に挟まないでこういうふうに紐で提げていたらしいです。 奈良時代にはすでに長剣は身分の高い人が帯びる、儀礼的な色の濃い、あるいは継承権を象徴する物だった可能性がありますね。 で中国語版Wikiで剣・刀を見ると、現代では刀はあくまでも小刀(ナイフ)または日本刀であるようですが。 中国刀のところに[在春秋戰國時代,刀與劍的意義類似。][春秋戦国時代には刀は剣と類似した意味として使われた][宋代以降は短い片刃の兵器を指す。]というような記述があります。 https://zh.wikipedia.org/wiki/%E5%88%80_%28%E4%B8%AD%E5%9C%8B%29 また剣のところには[日本與西洋一樣,不區分刀與劍,皆通稱為「劍」。日本刀流行以後,日本人幾乎不生產「劍」了,所以日本文化中所謂的「劍客」、「劍道」、「名劍」、「鑄劍」,都是指「刀」。而在中國文化裡,剑与刀是两种不同的武器。]とあり西洋と日本では剣と刀の区別をしないできたというように書いています。 https://zh.wikipedia.org/wiki/%E5%88%80_%28%E4%B8%AD%E5%9C%8B%29 これが正しければ日本では現代まではおっしゃるような剣を刀と区別しようという意識がそもそもあまり無かったということになると思います。 これはもしかすると「方言周圏説」のように中国の古い(宋代以前の)概念(あまり刀と剣を区別しない)が漢字文明の辺境地にあたる日本で残ったのかもしれないなどと考えました。が自説の域を出ません。 方言周圏論 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B9%E8%A8%80%E5%91%A8%E5%9C%8F%E8%AB%96
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- Pinhole-09
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どちらも漢字から来ています。 剣の本来の漢字は「劒」「劔」ですから「刀」が始めに 使われたと推定されます。 物を切るのに便利な刃が反った道具です。 争いが始まり人を殺したり、獣を殺したりするのに便利な、 刃が両側に付き、突き刺しやすい直刀が出来剣と呼ばれました。 刀も進歩し同じ目的に使われるようになりました。 そうなると「刀」と「剣」の言葉の混用は当然です。 一応刀と剣は形状が違い分けられるので、刀剣類と言いますが 現在は区別されないのが普通です。 刀を使うのに剣術、刀術とはいいません、剣豪もおなじ。 これは劒には人を殺すという意味もあります。 つまり刀は物を指すが、劒は物とその使い方も含むので 剣術、剣士のような言い方が適切といえます。
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- Postizos
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おそらくですが、漢文の影響ではないかと思います。 中国語のサイトですが、「剣術」の訳(2)として「日本の剣道」となっている他にもっと古い明代や晉の陶淵明の漢文での「剣術」の語の用例がありますからもともと漢籍では使われていたものが日本でもそのまま使われたのでしょう。 http://www.zdic.net/c/1/158/345871.htm その他の漢語(中国語・中国語古文)の熟語として「剣戟森々」「剣士」「剣客」「劍俠」などの語があげられています。 それと日本では刀の発達によって刀剣類がほとんど刀になってしまったことがあいまって実体にそぐわない言葉になってしまったのだろうと考えます。 こういった漢文熟語が(特に武士の間で)今のカタカナ外来語のような感覚で使われたのでしょう。つまり語感説も合わせて有力だと思います。 〈刀が片刃の刃物、武器としては時代劇でもよく出てくる大刀を意味するのは既出のとおりです。なお江戸時代の刀はすでに鉄砲の発達によって戦争の道具としては主流ではなく、江戸時代から現代と同じように実用可能な工芸品として発達したのだとある刀鍛冶に聞いています。桃山時代の刀を再現するとかいうことがすでに江戸時代から行われているそうです。日本の刀は軟鉄の中に鋼鉄を挟んで打ち合わせている物で、そのことによって比較的小型軽量にもかかわらず丈夫で切れ味のよい物に仕上がっています。〉 一方では「刀工」などは剣工とは言いませんね。 以上自説に過ぎませんが。
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- staratras
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これは「刀剣類の総称を漢字一文字で表す場合に、「刀」と「剣」のどちらを多く用いるか」ということに帰着する問題だと思います。もともと「かたな」という日本語はカタ(片)+ナ(刃)に由来し片刃の刃物のことでした。一方の「つるぎ」は、後の時代には両刃のものに多く使われるようになりましたが、本来は「刀剣類の総称」でした。どちらも非常に古くから使われた言葉で記紀にも用例があります。 「爾(いまし)が袍(ころも)の中(うち)の刀子(かたな)は、何する刀子ぞ」とのたまふ (日本書紀 垂仁紀) 少女(おとめ)の床の辺(べ)に我(わ)が置きし剣の太刀(つるぎのたち)その太刀はや (古事記・中・歌謡) 古代の刀剣類には両刃と片刃の両方がありましたので、その一部でしかない「かたな」という言葉を「刀剣類の総称」としては使いづらかったのではないかと回答者は考えます。 一方漢字の「刀(トウ)」と「剣(ケン)」も日本語の「かたな」と「つるぎ」の区別に対応する形で、「刀」は片刃の刃物という意味で、「剣」は両刃のある刃物の意味で、それぞれ区別して使われている場合が多いと考えられます。 また漢字の「剣」にはモノとしての意味だけではなく「剣術」「剣法」の意味が古くからありました。今から2200年以上昔の「史記」の「項羽本記」には、少年時代の記述として「學レ書不成、去學レ劍、又不成」とあります。 「書を学んでうまくならず、次に剣を学んでまただめであった」という意味ですが、この「劍(剣)」は剣術の意味であることは明らかです。 さらに時代が下ると「ペンは剣よりも強し」ということわざがあるように、「剣」は武力の象徴の意味でも広く使われるようになりました。一方、「刀」はそのような象徴的な使われ方をされることは「剣」と比較すれば少なく、むしろ「刀傷(かたなきず)」や「刀掛け」、「牛刀」というように具体的・即物的なモノを指すことが多いように感じられます。 こうしたことを総合して考えると、刀剣類の総称としては「剣」のほうが使いやすく、ご指摘のように「剣道」、「剣術」、「真剣」、「剣戟」というように、「剣」の文字があふれているのではないかと考えます。
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- takuranke
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中国から来た漢字で、 剣は両刃のまっすぐなもので焼入れをしたもの 刀は反りのある片刃で焼入れしていないもの という明確な区別があります。 日本も昔は、このような区別がありましたが、 徐々に焼入れをした片刃の曲刀(要するに日本刀)しか作られなくなり(前段で片刃の直刀もあった)、江戸時代では明確な区別が無くなり、刀と剣は同じ意味合いで使用されるようになりました。 なので剣術は語感かもしれません。 江戸中期の文献には、刀術と胃う言葉も見られますが定着しなかったようです。 ほかに、刀法(とうほう)と言う言い方もありました。 竹刀はもともと撓い竹(しないだけ)といっていたそうですが、略して「しない」というようになり、「竹刀」と胃う漢字を当てたそうです。
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- kagakusuki
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「刀」とは片刃で主に斬撃を行うための武器です。 刀に曲がっているものが多いのは、刃に「反り」を付けた方が切れ味が良くなるからであり、「反り」の効能が知られていない地域や時代に作られた刀には、直刀と言って刀身が真っ直ぐなものもあります。 【参考URL】 刀 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%80#.E9.80.86.E6.AD.AF 一方、「剣」とは両刃になっていて主に刺突を行うための武器です。 斬撃に使う事は稀であるため、切れ味を高める反りは必要なく、刺突を行いやすい様に刃の部分が真っ直ぐになっています。 【参考URL】 剣 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%A3 剣は腕を伸ばした片手で持ち、先端を回すようにして扱うもので、扱うためには技術を要するのに対し、刀は剣と比べると扱うために技術を要しません。 その上、日本では日本刀という優れた刀が作られたため、日本において剣は廃れて存在しなくなってしまったので、「剣」と「刀」を区別する必要が無くなりました。 そのため、日本では「剣」と言えば「刀」の事を指す様になり、そこから >、「剣術」や「真剣」「剣戟」など刀を使っているのに、表すには「剣」を使っている言葉 が多くなったのではないかと思われます。 【参考URL】 剣 - Wikipedia > 4 剣と刀 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%A3#.E5.89.A3.E3.81.A8.E5.88.80 質問No.5466573 日本で剣が普及しなかった理由 - その他(趣味) | 【OKWAVE】 http://okwave.jp/qa/q5466573.html
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勉強なりました。 ありがとうございました。
- bakansky
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おっしゃる通り、まっすぐが曲がっているかも 刀 と 剣 を区別する要素の1つだと思います。 本来の武器としては 剣 の方が一般的なのかもしれません。剣 という文字はもちろん中国由来のものですし、あちらで 剣 といえばまっすぐで、しかも両刃でしょうし、西洋でもそうでしょう。 ただし、あちらでも片刃で、しかも曲がっている 剣 もないとはいえない。たとえば 青竜刀 なんてのがありますね。 刀 は 刃物であり、包丁なども 刃物 には違いありません。しかし、武器という感覚では扱わない。片刃で、しかも反りのある 剣 で、日本独特の形態を持つものを 切る武具 ということで 刀 と呼ぶようになったのではないでしょうか (私は武器について知識があるわけではないので、推測です)。 剣道 の 竹刀 はまっすぐですが、だから 剣 と呼ぶようになったというより、切る武具 を扱う修練 というところから 剣 の文字を使うようになったのかもしれません。 古代の日本の銅剣などは両刃ですし、まっすぐです。あれは 刀 というよりは 剣 と呼ぶ方が適切かもしれないですね。 個人的な考えですが、私は 刀 は 剣 の特殊な形態ではないだろうかと思います。 また、古代中国には 刀 のような形をした貨幣があったそうで (つまり、曲がってます)、刀 という文字は、曲がっている刃物 の意味で日本で用いられるようになったのかもしれません。
お礼
勉強になりました。 ありがとうございました。
お礼
刀と剣。単純な疑問でしたが、奥深い物と判りました。 勉強になりました。 ありがとうございました