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哲学と思想の明確な違い

図書館では東洋においては「東洋思想」と分類があり、西洋において「西洋哲学」とあります。 哲学と思想の違いの明確な出典をご存知のかた、出典元を教えていただければと思います。

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  • Nakay702
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回答No.2

>哲学と思想の明確な違い ⇒以下のとおりお答えします。 哲学は(人間を含む)自然への関心から生まれ、思想はおもに人間への関心から生まれた。したがって、思想的研究のほとんどは哲学の対象に含まれるが、逆に哲学的研究は必ずしも思想的研究に含まれるわけではない。 哲学は、形而上学(存在論)、自然哲学と精神哲学、論理学、倫理学、美学などに分かれる。一方、思想は、生活理想、理念、規範、道徳、倫理な対象とする。思想の探求は哲学の一部と言えるが、その区分は曖昧である。 以下で、文献を参照したりしながら、さらに幾つかの視点から哲学と思想の違いを見てみましょう。 学問的経緯: ご存知のとおり、哲学(philosophy)の語源は「知を愛する」ことで、ギリシャを中心に発展したが、ヨーロッパ中世のスコラ学のころは「神学の侍女」と言われた。それが、近世に入ると、徐々に神学から独立していって、存在論や認識論など人間の知識・精神・当為の問題などを探求するようになる。それと同時に、学問の総元締めたる神学の後身として、「総合学的な性格」を帯びていく。(つまり、かつて中世・近世のヨーロッパ世界においては諸学の中核に神学があって、学問を有機的な統一体に束ねていたのである。)しかし近代以降、コペルニクス、ガリレオ、ケプラー、ニュートンらのいわゆる「科学革命」によって、科学が神の呪縛から解放されるとともに、神学の統合機能が消失する。特に自然科学分野においては、フランス啓蒙主義から始まる科学の専門化によって、神学につきまとっていた魔術・奇跡などの概念が払拭され、哲学をはじめあらゆる学問が「科(=区分)学」として確立されていく。すなわち、哲学はその総合性能が失って、分科学の一つに成り下がっていったのである。 哲学的考察: 『哲学事典』(平凡社)によれば、「哲学」は事物(自然・人間・社会)についての、より論理化され概念化された原理的な考察であるが、多分に形相的(フォーマル)に、また抽象的にならざるを得ない。これに対し、「思想」はもっと素材(マテリアル)に即し、そこにあるさまざまな問題を思いめぐらすもの(あるいは思いめぐらされたもの)である。したがって、哲学に対する思想の重視は、多分に、「素材」「データ」「実証」の重視と結びつき、2つの意味でマテリアリズム(素材主義と唯物論)への傾斜を持つ可能性がある、という。 思想的考察: 上掲書によれば、思想は、社会諸科学の多くの成果やデータ、もしくは素材に即して、自己を豊かにし鍛えていく点に積極的な意味を持っている。そして、思想が真にその名に値するための前提条件として、(1)現実(事物)に対するリアルで醒めた認識、(2)理論や思想における自己客体化、(3)自明性の打破と考え得るさまざまな反論に抗しての考察、の3つをあげることができる。これら3つの条件を満たす思想をモデル化して示せば、「現実」の持つさまざまな局面を思想的に受けとめたものを自己の検討の対象とし、さらにそれを、自明性の背後にまでさかのぼって、進んであらゆる異論とつき合わせ、それらを克服し、あるいは一貫性を持ちながらそれを包みこんでいく完結したシステムということになる。この場合、「現実」がトータルな現実であるとき、そこに得られたものが堅固な世界観にほかならない、という。 探求方法: 哲学は通常、学問的体系化を念頭に置くが、思想は学問的体系化にはさほど拘泥せず、おもに人間的理想や当為の探求に強い関心を抱く。また、哲学はおもに分析・比較・推論を考察の道具とし、思想はおもに直観・情感・観照を考察の道具とする。したがって、哲学は客観性や経験的事実を重んじ、思想は主観性やひらめきを重んじる。そしてそれは、自己の生命にとって重大な意味を持つべき事柄について形作る反省的な再構成(理解・解釈・洞察など)、およびこれと一体となった実践的行為の基準となる。 地域差: 歴史的に見て、西欧は哲学を得意とし、東洋は、どちらかと言えば哲学全般よりも思想的な問題に的を絞ってその探求・思索・瞑想・観照などを得意としてきた観がある。前8世紀ごろから、「知恵の探求」がギリシャ・インド・中国などで起こるが、最も顕著に学問的・論理的な形をとったのはギリシャの哲学であった。インドや中国では、実在と人間的生の洞察、すなわち、生活理想・規範・知恵・宗教的探求がよくなされてきた。「西洋哲学」と言い、「東洋思想」と言うのは、このことによるところが大きい。 まとめ: 愛知=知恵の探求には、世界がいかにあるかについての知識と、その世界の中で我々はいかに生きるべきかの英知の2つが含まれる。「あるところのもの」(存在)の知識と、「あるべきもの」(善)を求める意志とか知恵が哲学の2大柱である。下位分類すれば、形而上学(存在論)、自然哲学と精神哲学、論理学、倫理学、美学などに分かれる。 一方、思想は、人間が自分自身および自分の周囲について、あるいは自分が感じたり考えたりできるものごとについて抱く、あるまとまった考えのことである。単なる直観とは区別され、感じた事を基に思索し、直観で得たものを反省的に洗練して言葉としてまとめること。また、まとめたものである。冒頭で述べたとおり、思想は哲学の一部と言えるが、その区分は曖昧である。 以上、ご回答まで。

その他の回答 (1)

  • ks5518
  • ベストアンサー率27% (469/1677)
回答No.1

回答が付いていないので、回答いたします。 >哲学と思想の違いの、、、 思想・・・あらゆる人間活動において、思考すこと。⇒考え自体、考え全般を指す。 哲学・・・思想に対する学問、研究、文書。⇒学術的体系。 >東洋においては「東洋思想」と分類があり、西洋において「西洋哲学」、、、 「東洋思想」・・・「いかに生きるか」という人生に対する実践的関心が思索を方向づけている 「西洋哲学」・・・学問として論理的観点に立ち、世界の本質の理論的解明を目指している。 と言うように、東洋では『実践的な思索』であり、西洋では思想をベースにした『理論的解明』であるため上記の分類があるのだと思います。 【思想】 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%80%9D%E6%83%B3 【哲学】 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%93%B2%E5%AD%A6 以前、私が立てた類似の質問です。 『宗教・思想・哲学』 http://okwave.jp/qa/q9026296.html ※多少なりとも、あなたの思考に役に立てばと思い投稿いたします。

marko23
質問者

お礼

大変参考になりました。ありがとうございます。

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