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弾性変形するポリマーの合成
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ゴムが弾性的に大変形出来るのは、柔軟な分子構造とそれらをずれないようにする架橋構造が存在するからです。 輪ゴムは天然ゴムから出来ていますが、硫黄などにより架橋(加硫)されているから、あのように伸びて縮むことが出来ます。 それ故、新しいポリマーでも柔軟な分子構造と架橋構造の導入を考えなければならないでしょう。 ウレタン系やアクリル系の材料を用いればゴム弾性体を作ることは出来ますが、99r054さんが、どの程度の化学知識をお持ちで、どの程度のモノマー入手が可能なのかが分かりませんので、私としてはブロックポリマーを利用してみてはと思います。 具体的にはSIS(スチレン-イソプレン-スチレン)などの熱可塑性エラストマーと呼ばれる、トリブロックポリマーがおすすめです。 スチレン部分が擬似的に架橋構造として働き、室温下では弾性体です。 イソプレン部分に2重結合が存在しますので、その分、耐候性は劣ってしまいますが、天然ゴムに比べ2重結合の割合が少ない分(スチレンが存在するので)、天然ゴムよりは耐候性はよいと思います。 もし、さらに耐候性の良いものが必要ならば、イソプレンの所を水添して耐候性を高めたポリマーも市販されています。 このようなブロックポリマーで、水添されたものの例としては、SEPS,SEBS等が市販されています。 分子量やスチレンの割合などを変化した各種グレードのものが市販されています。
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- psa29
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>そこでさらに質問したいのですが水添して二重結合が無くなっているのにもかかわらず、柔軟性が出るのはなぜなのでしょうか? >炭素鎖がフレキシブルだからですか? 答えとしては、炭素鎖がフレキシブルということだと思います。 柔軟性を発揮するためには、ガラス転移温度が使用温度よりも充分低いことが必要です。 そして、結晶性が低いことも大切です。 ポリエチレンは、ガラス転移温度は充分低いけれど結晶性です。プロピレンと共重合すると結晶性が崩れてゴム(エチレン-プロピレンゴム)になります。 今回、水添した部分の結晶性が低いので、柔軟性を保っているものと思われます。 ただし、水添前に比べると、弾性率は上昇してしまっている(硬くなっている)と思います。 その点、SEBS(SBSの水添ポリマー)よりもSEPS(SISの水添ポリマー)の方が、耐候性は同じで、柔軟性があると思います。 ウレタン系のポリマーは多官能イソシアネートと多価アルコールとの重付加反応によって生成するポリマーですが、ある程度分子量の大きい多価アルコールを用いて、その主鎖を柔らかくしておきます。 主鎖として、ポリエーテル系やポリエステル系のものが代表的だと思います。 そして、多官能イソシアネートを用いることにより、十分な枝分かれが生じ、重合反応と同時に編み目構造を形成し、架橋構造体を作ります。 アクリル系の場合、主モノマーとしてガラス転移温度が、ある程度低いものを用いなければなりません。 アクリルの代表であるMMA(メチルメタクリレート)では、ガラス転移温度が高くてゴム弾性体にはなりません。 こちらは別途、架橋構造を形成する必要があります。 架橋点を共重合して、架橋剤と反応させます。 塊状重合を用いて、多官能アクリル系モノマーを添加しておけば、ウレタンと同様に重合時に架橋構造を形成できます。 工業的にはそのような方法も十分可能です。 塊状重合の場合、重合(重合熱など)を如何にコントロールするかがポイントとなります。
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お礼
早速のご返事本当にありがとうございます。 耐候性良好なものを求めているので、SEBSを調べてみました。そこでさらに質問したいのですが水添して二重結合が無くなっているのにもかかわらず、柔軟性が出るのはなぜなのでしょうか?(炭素鎖がフレキシブルだからですか?) また、もし宜しければアクリル、ウレタン系でも同様に耐候性に強く、弾性体となれるものがあれば教えてください。