あることはありますよ。
一律に 「昼間の消えかかってよく見えない月」 を指す言葉ではないですが、
英語圏では MOON という言葉のバリエーションが少ないのに比べて、
日本・中国では満ち欠け・季節・気象条件ごとに、非常に細かい呼び名を持つようです。
つまり 「昼間の消えかかってよく見えない月」 をまとめて呼ぶのではなく、
「○○な昼間の消えかかってよく見えない月」 と
「▽▽な昼間の消えかかってよく見えない月」 を 区別
する言葉まで存在する、と思ってください。
■見る時間と月の形
既にご存知と思いますが、月の見え方は、月を見る時刻と密接に関わっています。
なぜなら、月の光る部分は、太陽の方向を示すからです。つまり、
満月が朝6時過ぎ~夕方6時前に見えることはありません。
三日月が夜9時過ぎ~朝9時前に見えることはありません。
朝9時になっても、東の空(太陽と同じ方向)にそれを見つけるのは困難でしょう。
二十七日月が午後3時過ぎ~未明3時前に見えることはありません。
午後3時間際になると、西の空(太陽と同じ方向)にそれを見つけるのは困難でしょう。
つまり、「昼間」というのが、明け方や夕方ではなくて何時から何時までをイメージなさっているのか知りませんが、
朝6時~夕方6時だとすると、昼に見える月というのは、
十六夜月(立待月)~十四日月(宵待月、待宵月)という、満月を除いた月 ですし、
朝8時~夕方4時だとすると、昼に見える月というのは、
十八夜月(居待月)~十二日月という、4分の1以上は欠けている月 です。
■満ち欠けによる呼び分け
・朔(さく)
新月のことを言います。朔日(ついたち)にこの漢字が使われていますね。
日本は明治初頭になるまで長い間 太陰暦が使われていたので、毎月の日の名前と月は密接に関わっています。
新月は太陽と同じ方向なので見えなくても、一日の中で微妙に満ち欠けしているので、細~い月が明け方や暮れに見えるかも知れません。
・既朔(きさく)=繊月(せんげつ)、二日月(ふつかづき)
朔の1日後です。三日月よりもっと細いです。
・眉月(まゆづき、びげつ)=蛾眉(がび)
三日月の別名です。会社のマークに使われたりもするので、欠けている月が一番月らしい、と思う人も多いでしょうね。二十七日月と区別の付かない人もいますね。
・三十日月
形としては既朔の対称形です。
三十日を晦日と書いて みそか と読みますが、晦日(つごもり)とも昔は言いました。「つごもり」は「つきこもり」が転じたもので、月が姿を見せないことから来ています。
朝3時より前に見えることはありません。明け方に、太陽と同じ方向にわずかながら見えます。
■見る時間帯による呼び分け
・朝(明け方)に見る月
名残の月
暁月(あかつき)
・暁より若干早い時間(夜明け前)に見る月
有明の月=残月
・夕方(暮れ、茜)に見る月
夕月(ゆうづき)
夕月かまぼこ、っていう商品を知らないですか?
夕月は、上る月(東の空)ではなく、「夕空に残る月」(つまり西の空) と解説している人もいます。すると、その形は 朔~三日月に限られますね。
■見え方による呼び分け
・淡月(たんげつ)=朧月(おぼろづき)
光がうすく淡い月
・孤月
もの寂しい月
文学的表現
俳句や漢文でこのような表現を用いられる理由はよくわかる気がします。
・薄月(うすづき)
「薄雲がかかって」ほのかに光る月
季語は秋だそうです。昔から、月を意識するのは秋と相場が決まっていたのですね。
・白月(はくげつ)
白く輝く冬の寒々しい月
つまり、月というのは、
満月に近付けば近付くほど、力強いイメージとなり、
細い月になればなるほど、弱弱しいイメージとなる、
とは言えるでしょう。
淡月とはすなわち、半月よりは細い月のことかも知れません。
しかし満月であっても、冬の月はますます白く寂しく見えるわけです。
私が、昼間に見える月を 薄月 や 白月 と呼ぼうとして、上の情報に行き着きました。
■参考
月について詳しいサイト(画像もここから取りました)
http://www2s.biglobe.ne.jp/~yoss/moon/moon.html
■私ならなんと呼ぶか
薄月 や 白月 や 宵待月 というのは、昼の月を連想してしまいます。
宵待月が、満月より50分くらい遅く上る月なので、「まだかまだか」と待ち望まれる月であることは、以前から知っていましたが。それでも「宵待ち」と聞くと、月が夜になるのを待っているように聞こえるクセは残っています。
後は、
惑い月 くらいですかね。
月は夜に出るものなのに、場違いなところに現れてしまったから。
お礼
回答ありがとうございます! URlとか画像とかまで載せていただいて・・・ とても詳しくありがとうございました! 参考になりました。