私は構造屋なのですが、参考になれば・・・
taketaketakeoさんやatchingさんのおっしゃるように、配列だけでは膜蛋白質なのか水溶性蛋白質なのかくらいの予想にしかならんでしょう。
最近では、機能を研究している方々は構造解析をも目指しているようです(だいたいが結晶作りのようです)。
現状では、多くの蛋白質の研究が、機能解析->構造解析->構造-機能相関解析・・・という流れを目指しているのではないでしょうか。
おおざっぱにいえば、似たような配列であれば似たような機能を持つことが期待されますが、ほとんど異なる配列でも類似した機能を持ったり、アミノ酸一残基の違いでも異なる機能を持ったりする例はあります。
一概にはいえないのが現状ですね。
やはり重要なのは、高次構造です。
また現在のところ、機能を知ることは出来ても、その分子レベルでの活性機構が解明されているものはありません。
本当に知りたいのは、時間変化する動的な構造変化だからです。
最近では時間分解X線解析による蛋白質の活性構造の研究が行われてきていますが、結晶中と溶液中では中間体の構造が異なる例も報告されていますし、観測時の温度が生理条件とは異なることが多く、実際の生理条件下での変化を示しているかは保証されません。
私も、イオン強度や温度変化、また界面活性剤処理などで、蛋白質の二次構造が変化することを観測してます。
分子レベルでの活性機構の議論は、まだ多くの問題を含んでいます
また、有名な例としては、狂牛病のプリオンタンパクや、アルツハイマーのβアミロイドなど、同じアミノ酸配列でも、αヘリックスからβシート構造への二次構造変化によって、病気になることもあります。
やはり、このα->β変化の機構も明らかではありません。
高次構造構築の原理も不明なのです。
どうも一般的にβシート構造が安定なような気がしますが・・
補足
なるほどアミノ酸配列がわかっただけではほんのタンパク質機能解析の入り口に立ったくらいのものなんですね。なかなか奥が深そうです。 ところで生化学的実験とは免疫染色だとか酵素活性測定などをすることなのでしょうか?生化学的実験によって機能がわかったとして、その機能はタンパク質のどのような構造に起因するのかということ(ryumuさんがおっしゃる構造-機能相関解析)はどのような実験によって明らかにされるのでしょうか? もしもその構造ー機能相関性がアミノ酸1残基、折りたたみの様子まで完璧に解明されれば応用面としてどのようなことが期待されるのでしょうか?