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タンパク質の構造決定
現在、タンパク質をコードする遺伝子の配列を基にして、タンパク質 の1次構造が比較的容易に推定できます。でも、タンパク質そのものを生体から単離して構造決定することも盛んに行われています。どうして遺伝子側だけでなくタンパク質側からも構造決定する必要があるのですか?
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一言で言えば、「ある一次構造のタンパク質が取りうる三次構造が一つではないから」でしょうか。 三次構造が違うと機能が全く違いますので、 そのタンパク質のin vivoでの機能が何なのかを正確に知るためには、 in vivoで機能しているタンパク質を取得する必要があるわけです。 また、タンパク質というものは、糖鎖付加やリン酸化などの修飾、 他のタンパクやGTP等の小分子、イオンとの複合体形成等によって機能制御されている場合がほとんどで、 修飾によって生体内で三次構造が変わるタンパク質も存在します。 さらには、全てのタンパク質が一定の発現をしているわけでなく、 その細胞内や組織における局在制御や、時間的な発現制御等の複雑にコントロールされたシステム下で機能しています。 これらのことを一次構造のみから、すべてを推測することはとても無理なことなので、 さまざまな条件下の生体内からタンパク質を回収して解析をする必要があるわけです。
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- taketan_mydns_jp
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遺伝子情報から全ての情報(タンパク質の構造)が分かると思い込んでいませんか? 当然、遺伝子配列をもとにタンパク質が合成されるわけですが、さらにそのタンパク質が酵素として作用し、別のタンパク質を合成や分解してようやく目的の生合成が完了する、と言う場面がたくさんあると思います。タンパク質だけでなく、金属と錯体を作ったり多糖と結びついたりしてようやく機能することもあります。二次的に生合成されたタンパク質は、残念ながら今の生化学では分からないのではないでしょうか。機能性のある複雑なタンパク質を抽出し、それがどの遺伝情報と紐づいているか、と言う事を調べる事をしなければ、遺伝子がどのように機能しているかが分からないでしょう。
- Hayate03
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cDNAの塩基配列(=mRNAの塩基配列)を決定する事で、タンパク質一次構造の情報が得られますが、 例えばcDNA配列のどこが開始コドンに相当するのかは推定レベルでしか解りません。 またタンパク質のアミノ末端は翻訳後に修飾される場合も多くありますし、主鎖中に糖鎖付加などの修飾がある場合も多くあります。 これらも含めて構造決定することが、タンパク質の構造決定の意味合いです。 あと、mRNAが存在していてもタンパク質が存在しない場合もありますので、タンパク質の存在を確認する意味もあります。 よく行われているという意味では、タンパク質の結晶構造解析もありますが、 こちらは三次元構造を決定するもので、遺伝子情報からは決定する事はできません。
お礼
回答ありがとうございました。 タンパク質の構造決定の意味合いを理解することができました。
お礼
回答して頂き、ありがとうございました。 納得することができました。 タンパク質について、もっと勉強していきたいと思います。