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経常赤字が続くと国債の国内消化ができなくなるか
経常赤字が続くと国債の国内消化ができなくなると言う人がいますが、その論理がよく分かりません。そもそも財務省が売っている国債の7割は日銀が買っており、消費増税の後、景気が悪化すれば更に追加緩和をすると黒田総裁は言っています。 日銀という強力な買い手がいる限り国債の国内消化ができなくなるわけがないと思いますが如何でしょう。もちろん、日銀の国債引受は禁止されていますが、どこかの金融機関を迂回すればよいだけでしょう。金融機関にしても、日銀に転売すれば100%儲かるのであれば、喜んで買うでしょう。海外の投資家の助けなどいらないと思うのですが如何でしょう。
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経常収支で見るというのは、すこし乱暴な気がしますが、一応、考察してみます。 おっしゃる通り、現在日本は金融緩和によってデフレ脱却を狙っています。 円を刷り続けていくと、まず地価が上昇し始めます。(実際に、都市圏の地価は上昇していますね) そうすると、預金しているよりそちらの方が儲かります。銀行は預金を下ろされたくないので、地価上昇分だけ金利を引き上げます。また土地を絡めた債権等で利益が出ると、銀行はその利益を使って他行の預金者を奪おうと、また金利を引き上げます。 そうやって徐々に金利が上昇していくと、銀行としては引き上げた分、より儲けなければなりませんから、低金利の国債を持っていては損をすることになります。 となると国債を消化させるためには、やはり金利を引き上げざるを得なくなります。 つまりインフレになると、金利が上昇するわけです。 もし、この金利上昇を食い止めるために日銀に引き受けさせ続けたとすると、それは金融緩和の続行です。ただでさえインフレになっているのに更に金融緩和をすると、悪性のインフレへと変わってしまいます。 また、日本の基礎的財政収支は70兆円を超えており、これはバブル期の税収60兆円をはるかに上回る金額です。つまり日本では、もう一度バブルを起こしても借金は続けなければならないのです。 金利の引き上げが財政を圧迫して、さらなる国債の発行、、、と、破綻はしないまでも、厳しい財政運営となることは予想されます。国の対外資産などで国債の安全性を語る人もいますが、それももちろん大事ですが、一方でこのように経済情勢にも充分に左右されてしまいます。 ここで、経常収支を見ていきます。経常収支の赤字とは、入ってくる金額よりも出ていく金額のほうが大きいことを意味します。つまり、長期的には円安傾向となるわけです。すると、海外に投資家からみると、あまり優良物件な物件ではなくなってきます。また国内銀行から見ると、円安傾向によって相対的に海外資産が優良物件となり、その保有率が高くなります。 そうすると、国内銀行や海外の投資家はより高い利率を国債に求めてくるのではないでしょうか。そして国債が買われない場合、日銀引き受けは前述の通りインフレ下では悪性になりやすく、難しいでしょう。 つまり、「低金利で国内消化できないならば海外に売ればいい」ということが、経常収支が赤字なことによってできなくなる。という意味合いなのではないでしょうか。 私は、経常収支の多寡で見ることには疑問を持ちますが。 ちなみに、この議論は国が財政再建を全くしないという仮定のもとでの話です。実際にはプライマリーバランスの黒字化を安倍首相は宣言しましたし消費税は上がりますから、そう簡単には陥らないとは思います。 もちろん経済情勢や金融政策如何によっては、急展開することもありますので確証は出来ません。
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- m-m-mg
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これまで大デマの財政破綻論の発言を続けて来た人たちが 苦し紛れに言っていることです。 「嘘を隠すために嘘をつく」という典型です。 日本が再び戦争をはじめて第二次世界大戦後のような超疲弊しきった状態にでもなれば、外貨建ての資金調達などが必要になるでしょうが、現在の日本で外貨建ての資金調達などを行うのは自殺行為でありあり得ない話です。
お礼
有り難うございました。
補足
全く同感です。
- nhhiromi
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経常赤字との関係は置いておいて >そもそも財務省が売っている国債の7割は日銀が買っており、消費増税の後、景気が悪化すれば更に追加緩和をすると黒田総裁は言っています。 もしそういったら法律違反では? そのソースとなる公式サイトなどお示しください。 日銀のサイト https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjexp.pdf 図表5-2にある国債保有率には 2013年12月末 残高(兆円) (構成比(%)) 中央銀行は18%台とありますが・・・ それとその方式が簡単に可能なら政府は国民のご機嫌取りで税金ゼロにできますが?
補足
>もしそういったら法律違反では? そのソースとなる公式サイトなどお示しください。 国債保有率ではなく、財務省の売り出している国債の内のどれだけ買っているかということです。 財務省に電話して聞いたところ、分かりました。財務省のホームページを参照するとよいとのこと。 http://www.mof.go.jp/jgbs/issuance_plan/fy2014/calendar131224.pdf 「ここに25年度当初」ということで国債市中発行額が書いてあります。25年度は156.6兆円発行の予定となっています。 このうち1年割引短期国債は年間30兆円発行予定なのですが、これは除外して考えるのだそうです。そうすると126.6兆円になり、これを12で割って月間約10兆円になります。日銀は月に7兆円買うということで、7割買うという表現になったそうです。「1年割引短期国債」の分を除いて7割という意味だそうです。 >税金ゼロにできますが? もちろんできますよ。ただし、インフレになるので国民はそれだけ金融資産を失うということでインフレ税と名前がつけられています。インフレ税を払うと、国の借金はそれだけ目減りします。
- at9_am
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> 経常赤字が続くと国債の国内消化ができなくなると言う人がいますが、その論理がよく分かりません。 経常赤字と国債の国内消化の間には、風が吹けば桶屋が儲かる程度の関係しかないため、良く分からなくて当然だと思います。 > 日銀という強力な買い手がいる限り国債の国内消化ができなくなるわけがないと思いますが如何でしょう。 > 金融機関にしても、日銀に転売すれば100%儲かるのであれば、喜んで買うでしょう。 > 海外の投資家の助けなどいらないと思うのですが如何でしょう。 例えば同じ1億円を、国債を買って日銀に売ったら100万円の儲け、企業に貸したら500万円の儲けが出るとしたら、国債を買うでしょうか? ということで、日銀という買い手がいるから云々は、国債消化が滞りなく行われる理由としては相当に不十分です。 また、経常収支云々という話であれば、海外の投資家の動向と同じかそれ以上に、国内金融機関等の海外への投資動向に左右されます。 とりあえず、国内の銀行はBIS規制により預貯金の額の一定割合を自己資本として持つことが求められており、自己資本を国債で運用している日本の銀行は預貯金が増えれば増えるほど国債を(利益がなくても)多く持つ必要がある、という事情があったりします。預貯金が増えれば増えるほど、です。
補足
>例えば同じ1億円を、国債を買って日銀に売ったら100万円の儲け、企業に貸したら500万円の儲けが出るとしたら、国債を買うでしょうか? 1億円を、国債を買って日銀に売ったら100万円の儲けという場合は100%儲かるのですから、やらない手はないです。買って翌日に売れるなら1日で100万円儲かるわけで、こんなに確実で有利な商売はありません。企業に貸したら500万円儲かるかもしれませんが、企業は倒産するかもしれません。しかも何年も貸すわけで、1日で100万円儲かるほうが,危ないけど5年で500万円儲かるかもしれないというより有利でしょう。 ただし、銀行としては2者択一というわけではないわけです。現在日銀は量的緩和をしており、日銀当座預金は128兆円にもなっています。少し前の数倍の規模ですね。つまり銀行には手持ち資金が使い切れないほどあふれています。 (1)財務省から国債を買って日銀に売る (2)企業に融資する の両方を行ってもまだまだたっぷり余っています。ですから両方やればよいわけです。 「(1)財務省から国債を買って日銀に売る」 をやったとしても、手持ち資金は儲かった分だけ増えます。 「(2)企業に融資する」 この場合も融資先の企業は融資を受けた資金を自社の金庫に全部入れておくので無く、ひとまず銀行口座に入れます。他の企業から何か買ったりする場合でも他の企業の銀行口座に振り込むだけです。ということは、こちらもお金は大部分銀行に留まります。ですから銀行全体で見れば、膨大な資金がダブついているままです。 ということで何に使ったら良いのか分からない128兆円という莫大な資金が日銀当座預金という僅か0.1%の利息しかつかない口座に眠り続けていますし、この額は今後ますます増えていきます。 BIS規制も考えれば、ますます国債を買う必要が大で、国債消化に困るとは思えません。
- potatorooms
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無制限に日銀が引き受ける場合、その国債を使って行う公共事業の実施価格が上がるので、どこかの線で、いくら刷っても公共事業の実施価格の上昇に追いつかない、という現象が起きます。 ご質問のとおり、銀行が「儲かる」ように、受注業者も「安値で苦労して引き受ける必要」はないわけです。仕事が少ない時ならともかく、大量の国債発行に伴う公共事業がたくさんある状態なわけで、価格競争が起きなくなりますから。 あと、銀行は、日銀に国債を売らなければならない、というわけじゃないですよね。 いま起きているのは、日銀へではなく、海外投資家の売買制限がない先物の形で、海外投資家に売り払っていません? 異次元の~が始まってから、先物国債の売り越し分ば多くなっていて、国内で実物を持っている誰が売っているのかな?という状態かと。
補足
公共事業の実施価格の上昇は震災復興と今まで公共事業を減らし続けたために担当業者が少なくなったためでしょう。 国債が先物で取引されることが多くなったのは、日銀が現物を買いすぎたため現物が市場で入手困難になったためでしょう。このことを考えれば、財務省が国債を出したとき、国内の金融機関は待ってましたとばかり飛びつくわけで、「経常収支の赤字が国債の国内消化を危うくする」というのは嘘だと思います。
- rikukoro2
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日銀が購入といっても限界はあると思います。 日銀の購入に関しては現在日本国内のマネタリベースを目安に購入だとは思いますが、CPIが上がりすぎては日銀もさらなる購入はキツイでしょう。 日銀の場合は欧州ECBのような物価目標をおいての購入ですのでCPIが2%を超えてしまえばさらなる国債買い付けはできません。
お礼
コメントを有り難うございました。
補足
日経が行っている経済フォーキャスター41人による予測の平均ですが消費増税の影響(ゲタ)を除いた2013年度が0.79%、14年度が0.95%、15年度が1.01%となっており、日銀が国債を買うだけでは物価は上がらないということだと思います。CPIは2%が絶対的な限界とお考えでしょうか。クルーグマンは自分なら4%を目指すと言っています。バーナンキが2002年に日本金融学会で講演をしたときは、インフレ目標ではなく物価水準目標にせよと言っていました。つまりデフレでなかったら今頃物価はどの程度の水準だっただろうと検討をつけ、その水準を目指して物価を上げていく。この考えでは、そこまで上がる途中では2%以上になるでしょう。 いずれにせよ、日銀が国債を買うだけでは日銀当座預金が積み上がるだけで、資金需要は生まれてこず、2%すら達成できないのではないでしょうか。
お礼
大変、ためになるコメントを有り難うございました。
補足
深く考察されていますね。大変参考になります。私の意見も是非聞いて下さい。 これは量的緩和の出口戦略にも関係しています。 物価が上がると金利は当然上がろうとします。しかし、日銀がここで頑張って金融抑制、つまり金利を上げなかったらどうでしょう。日銀当座預金の金利も上げません。安い金利では国債の買い手がありませんが、政府系金融機関に強引に買わせて、それを日銀が若干上乗せして買って金融機関には損をさせないようにします。これなら売れ残りは無いでしょう。 低金利の日銀当座預金より土地に投資した方がよいと人は考えるでしょう。そこで預金準備率を高くしてお金が動けないようにして土地の暴騰を抑制します。金利は低いままです。預金金利が低いと人は株に投資するでしょうか。 物価が上がるということはデマンドプルであれば、需要がでてきた、消費が増えてきたということでしょうか。当然給料の上昇に影響されたのでしょうね。所得税は累進課税になっていますから、給料が上がれば税率が高いランクに移ります。ブラケットクリープですね。所得税収は大きく増加します。もちろん景気が良くなれば法人税収も消費税収も増えてきます。税収が増えるということは実質増税ですから、景気にブレーキをかけ、インフレにブレーキがかかりますから制御不能にはなりません。 税収が増えすぎたらもはや財務省は国債の発行は不要となります。新規国債だけでなく借換債の発行まで減らすことができるようになれば、国債残高はどんどん減少していきます。このようにして日本の国の借金はどんどん減らしていけるわけです。インフレ率が高くなりすぎてブラケットクリークで税収が増えすぎたらいきなりデフレに逆戻りしますから、それを避けるためには減税をすればよいわけです。絶妙なコントロールが必要だとは思いますが、絶対実現可能だと思います。