• 締切済み

飛行機の翼の揚力について

porco909の回答

  • porco909
  • ベストアンサー率60% (3/5)
回答No.32

1.「揚力が発生する理由は?」 2.「発生する揚力の大きさは?」 この2つの問いに対する回答が別物であるとこと理解しましょう。 この違いを曖昧にしているので「流体力学による揚力の誤った説明」が蔓延しています。 前者1.に対する回答が 「空気を下に曲げた反作用による説明」 になります。 気体分子と翼の間に作用する力は、ほぼ電磁気力に由来することは わかっているので、翼に上向きの力が働く理由の説明としては完結します。 日本機械学会・流体工学部門の説明の通りです。 揚力の大きさは、分子から受ける力を加わえ合わせればよいのですが、 分子の数は膨大であるため、何かしらの近似計算が必要になります。 この近似法の一つが「連続体近似」で、流体力学の計算の基礎になっています。 分子の離散的な集まりである気体を連続体であるとみなし、その連続体を分割して 仮想的な流体要素を考えています。さらに仮想的な流体要素が仮想的な応力を及ぼし合う ものと仮定すると、釣り合いの式や保存則の式をたてることができます。 この式が解ければ、圧力分布や速度分が計算で求まることになります。 これが、「ベルヌーイの定理による圧力差の計算」で、冒頭の2.の問いに 対する回答になります。 流体要素の仮想的な応力は、気体中に仮想的な壁を置いたときに壁が受ける応力です。 実際にはそのような壁はありませんが、この仮想的な力により流体は曲げられる、とか 流体力学では考えてしまいます。しかし、 気体分子の数が膨大なので連続体近似は良い近似となり、仮想的な流体要素や 仮想的な応力を考えていても物体表面における圧力の大きさは正しく求まります。 でも、「方程式を解いたら上向きの力になった」では、揚力が発生する理由の 説明にはなっていません。言えたとしても 「エネルギーが保存するから揚力が発生する」 「揚力が発生する境界条件にするから揚力が発生する」 この程度ですが、これで納得する人はいないでしょう。 No.29が変なイチャモンであることは、No.31の >これは「平板翼では前縁で空気が分かれる」と仮定した場合のみ成り立ちます。 >何度も言いますが、現実にはこの仮定は「適用出来ません」。 この記述からも明らかです。 翼の前方にある空気が、翼の上面と下面に分かれて流れることを否定していますから。 これに加えて、現象が起こる理由を説明するのに、現象それ自体を持ってきています。 いわゆるトートロジーになっているので、何の意味も持ち得ません。 例えば 「揚力が発生するのは圧力差があるからです」 これは完全にトートロジーです。 圧力差が上面<下面であれば、単に上向きの力が作用すると言っているにすぎません。 最後に >それでは「飛行機における揚力」を「空気を下に曲げたことによる」 >ことだけを元に計算する式を示して見せて頂けますか。 これを示しましょう。力学の基礎と線積分の知識がないと理解不能かと思いますが。 x軸方向に流速Uの一様流があり、y軸を鉛直上向きにとります。空気の密度をρとします。 一様流に翼を入れて、定常的に流れが角度θだけ鉛直下向きに曲げられたとします。 空気の運動量変化を見積もるために、翼の回りを囲う長方形領域を考えます。 前辺と後辺の高さをH、上辺と下辺の幅をWとします。 流れは、前辺から速さU、角度0で流入、後辺から速さU、角度-θで流出し、 簡単のために上辺と下辺の速度分布は同じv(x)であるとします。こうすると 上辺と下辺からの流入・流出量は同じになります。 この時、翼の単位長さあたりで、単位時間に長方形領域に流入する空気の質量はρU W なので、運動量変化は下向きに (ρU W) U sinθ=ρU^2 W sinθ です。^2は2乗。 この力積の反作用が翼の上向きの揚力Lなので L=ρU^2 W sinθ と求まりました。 さて、流体力学の計算結果が正しいことも示しておきましょう。 クッタ・ジューコフスキーの定理から翼の単位長さあたりの揚力は L_KJ = -ρUΓ と 書けます。 循環Γは閉曲線C上の周回積分で∫_C v↑・ds↑と定義されます。v↑は流速ベクトル。 上の長方形の領域で線積分を実行すると Γ=∫_前辺 0 dy + ∫_上辺 v(x) dx + ∫_下辺 v(x) dx + ∫_後辺 U cos(π/2+θ) dy  = U (-sinθ) W (上辺と下辺の積分は逆向きなので相殺) これから揚力は L_KJ = -ρU U (-sinθ) W = ρU^2 W sinθ となり 運動量変化から求めた揚力と一致します。 流体力学では現象が起こる理由は説明できませんが、物理量は正しく計算できますね。

関連するQ&A

  • 【揚力】仰角が0の場合の翼上面の流速 その2

    昨日下記の質問させてもらいました http://okwave.jp/qa/q8723821.html ********************************************************************************** 翼上面の空気の流れは、翼下面の空気の流れより速いということがわかっています ↓ケンブリッジ大学の実験動画 http://www.youtube.com/watch?v=UqBmdZ-BNig しかしこれは、仰角が0の場合も当てはまるのですか? 例えば、翼上面が曲面になっており、翼下面がフラットになっている翼断面があるとします この場合、仰角0においては、翼上面に向かう空気は曲面における抵抗によって遅くなり、 翼下面は抵抗が無いため下面の方が速くなるはずです 仰角0の場合も、コアンダ効果によって翼上面から空気が下方向に流れ、 この反作用によって揚力は生じると思います しかし、圧力差におけるベクトル方向が地面に向かっているため、 全体の揚力は小さいものとなる これらのことより、仰角があるから、翼上面の流速が速くなる そして、仰角0でもコアンダ効果によって揚力は生じるが、 仰角がある程度大きくすることで、より大きな揚力が発生する、 揚力について、このような理解で大丈夫でしょうか? ********************************************************************************** 旅客機程度の速度で飛行している場合、 下記画像のような断面形状の翼があるとします 画像上の仰角が無い場合、 翼上面は形状による抵抗が大きくなります 一方、翼下面はほぼ水平のため抵抗が小さくなります なので、仰角が無い場合、上の流速が遅くなり、 下の流速が速くなり、圧力差によって下向きの揚力が発生すると考えます 一方、仰角がある場合、 翼下面の抵抗が大きくなり(空気が進みにくいため)、 翼上面の抵抗が小さくなります よって、上面の流速は速く、下面は遅くなり、 圧力差によって上向きの揚力が発生すると考えます つまり、揚力を発生させるには、 仰角をある程度大きくすることが大事になると思います 仰角の増加により、翼下面の抵抗を増やして流速を遅く、 翼上面の抵抗を減らすことが可能になります 背面飛行が可能なのも、進行方向に対して、 機体全体が仰角を持つからではないでしょうか? この上下翼面の圧力差による揚力(1)に、 コアンダ効果や渦循環による揚力(2)が加わり、 全体の揚力は「揚力=(1)+(2)」となります 仰角が0の翼でも飛行機は飛ぶそうですが、 これは、飛行速度の増加によって揚力(2)が大きくなるためではないでしょうか? 私は揚力に関して初心者なのですが、 翼上面が速くなるという理由がいまいち明確ではないため、 このような質問をさせて頂きました まとめれば、仰角があることによって、 上面と下面の空気抵抗が変化(上面(小)、下面(大))し、 これに伴い流速が変化 そして、ベルヌーイの定理による空気の圧力差によって揚力(1)が発生する つまり、翼上面の流速が速いのは、翼下面よりも空気抵抗が小さいから 長くなりましたが、この考え方大丈夫ですか? 乱文長文になりましたが、ご回答頂ければ幸いです よろしくお願いします

  • 【揚力】仰角が0の場合の翼上面の流速

    翼上面の空気の流れは、翼下面の空気の流れより速いということがわかっています ↓ケンブリッジ大学の実験動画 http://www.youtube.com/watch?v=UqBmdZ-BNig しかしこれは、仰角が0の場合も当てはまるのですか? 例えば、翼上面が曲面になっており、翼下面がフラットになっている翼断面があるとします この場合、仰角0においては、翼上面に向かう空気は曲面における抵抗によって遅くなり、 翼下面は抵抗が無いため下面の方が速くなるはずです 仰角0の場合も、コアンダ効果によって翼上面から空気が下方向に流れ、 この反作用によって揚力は生じると思います しかし、圧力差におけるベクトル方向が地面に向かっているため、 全体の揚力は小さいものとなる これらのことより、仰角があるから、翼上面の流速が速くなる そして、仰角0でもコアンダ効果によって揚力は生じるが、 仰角がある程度大きくすることで、より大きな揚力が発生する、 揚力について、このような理解で大丈夫でしょうか?

  • 飛行機の揚力について

    翼にはたらく揚力は空気が翼に及ぼす力なので、もし揚力と飛行機の重力とがつりあっているとすると、空気はその重力を受けているはずなのですが、空気にはたらく力のつりあいはどうなっているのでしょうか。 なんだか頭がこんがらがってきました・・・。

  • 飛行機の飛ぶ理由

    飛行機の飛ぶ理由が翼上面の速さが速くなり、圧力が下がり、上向きの揚力が発生するからというベルヌーイの定理の説明が誤りだということがわかりました それは、翼の上下に分かれた流れは後縁において同着しないので、ベルヌーイの定理が使えないから誤っているのか、 同着しないので翼上面の空気の速度が早いといえないから誤っていると言われているのか分かりません。 お願いします。

  • 飛行機は背面飛行でなぜ飛べる?

    こんにちは。 タイトル通り単純な質問なのですが、よく言われる ように飛行機の翼はその特殊な断面図からベルヌーイ の定理により揚力が発生して上に持ち上げられる、、、 というような説明がなされています。 が、ここで疑問に感じたのは 「背面飛行で飛べるのはなぜ?」 ということです。翼の上面から上向きに揚力が 発生するのであれば、背面で飛べばどんどん下がって いくはずなのに、アクロバットなどではそのまま 背面で飛び続けたりしています。 これは昇降蛇でコントロールしているのでしょうか? どなたかご存知のかた教えていただけると ありがたく思います。

  • 翼の揚力の発生と境界層について

    お世話になります。 翼の揚力の発生と境界層についての質問です。 翼の揚力の発生の仕組みの説明としてベルヌーイの定理がよく使われ、 一般に、翼上面と下面を流れる気流の速さに違いが生じ、 下面と比較して、より小さくなる上面の気流の静圧によって 揚力が発生すると言われています。(全圧=動圧+静圧) 反対意見として、揚力の発生メカニズムは作用反作用によるもの という考え方もあるようですが、今回はそもそも論は置いといて下さい。 ところで境界層理論をネットや入門書程度で調べてみて、 簡単に説明すると、例えば... 一様流の流れの中に、先の尖った板を流れに沿っておくと、板の表面から 流体の粘性の影響を受ける第一層(境界層厚み部分)と 粘性の影響を受けない慣性だけの第二層(主流)(主流の速さの99%以上)とに 分けられるそうですね。 そこで、これを揚力の発生メカニズムに当てはめると 翼表面附近の境界層の流れの速さの差によって、 翼上下面の静圧の圧力差が生じて、揚力が発生するということと理解てみました。 (境界層より上は主流となり、周りの流体の速さと同じため、いわゆる全圧?) ただココで、境界層のことは考えないで、 翼上面と下面を流れる流体の速さをイメージすると、 これら上下面の流速は主流より速い感じがします。 というのは、一様な流れの中に翼という邪魔なものが出てきて、 流体はそれを無理やり避けさせられるため、どちらも主流より速く流れるような気がします。 いやいや、それだと完全流体?となって粘性というものを考えていないから、 やっぱり主流よりは遅くなり、その中(境界層)で、流速に差が生じるから揚力が発生する、 っていう理解であっているでしょうか? どうぞご教授下さい。。

  • 飛行機はなぜ背面飛行が出来るのでしょうか

    飛行機の翼は断面を見ると上側が膨らんでいて下側が平らだから、 上向きに揚力が働くと、ものの本には書いてありますが、 もしそうならなぜ飛行機は背面飛行が出来るのでしょうか。 上向きに揚力が働くように翼が設計されているのだとすれば、 背面飛行になったら翼には下向きの揚力が働いて、すぐ墜落してしまうのではないかと思えるのですが、違うのでしょうか。 なぜ飛行機が背面飛行が出来るのか教えて下さい。

  • 飛行機の揚力について

    昔から分からないので教えて頂きたいのですが、飛行機はベルヌーイの法則によって翼の揚力が生み出されると習いました。翼の形で上の面が下の面の空気の流速が早くなって、圧力が下がり上の面が圧力が低くなるので上に引っ張られるとのことでした。 しかし昔よく作った模型飛行機の翼は単にアーチ型になっているだけなので上の面も下の面も同じ形です。これでは上を流れる空気のスピードも下の空気のスピードも同じだと思うのですが、どうでしょうか。

  • 飛行機の揚力は翼だけなのか機体にもかかるのか、教えてください。

    他の方も多数質問されていますが、飛行に揚力が発生して安全に飛べる事はわかりましたが、構造的(物理的)な事で質問します。 飛行機に乗るときにいつも不安ですが、 (1)翼だけが浮こうとして機体は重力で引っ張られ、翼の付け根に負担は  かからないのでしょうか? (2)溶接で翼と一体型にする事で、飛行機そのものが一つの物になって、  機体自体も持ち揚げらる様になるという事でしょか? 毎回、揺れたり離陸時に翼が折れたり曲がったりしないかが不安です。 質問の意味わかりますでしょうか? よろしくお願いいたします。

  • 飛行機やヘリコプターについて

    飛行機とヘリコプターについてお尋ねしたいことがあります。 飛行機は、前進する飛行機の翼にぶつかった空気の流れが複雑に変化することによって揚力が生まれて気体が宙に浮く ヘリコプターは空気中を回転するローターが空気の流れの変化を生み、揚力が生じて気体が宙に浮く。 (1)大雑把ですが、この理解は正しいですか? (2)正しいとすると、飛行機は大気がなければ飛ぶことができない? (3)翼がないロケットは水平飛行ができない? (4)飛行機が揚力を得るためには、前進し続ける必要がある? (5)ヘリコプターはどうやって前へ進むのでしょうか?