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解析力学に関する質問
解析力学でラグランジュ方程式を導出するとき 作用をS、ラグランジアンをLとする δS=δ∫Ldt(区間と変数は省略) を考え、これが極値を取る条件としてδS=0ならラグランジュの方程式が得られますが このδSが0だとどうして極値をとると言えるんでしょうか。 ご教授よろしくお願いします
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>これが極値を取る条件として・・・ の「これ」は、 S=∫Ldt (1) の事だ、というのはOKですよね?(確認です)。 #1さんの仰る事を、もう少し具体的に定式化してみます。ただし言葉で・・・。 積分S(作用)は、それを行う経路依存です。それを陽に書くと(1)は、 S=∫L(x(t),x'(t))dt (2) です。時間の関数x(t)は、積分を行うべき、系の可能な経路(軌道)を表し、x'(t)はx(t)の時間微分です。(2)でさらに、値Sが経路x(t)に依存する事を明記し、 S[x(t)]=∫L(x(t),x'(t))dt (3) と書きます。(3)の[x(t)]は、積分値Sが、関数x(t)の選択によって変化する事を、明記しただけです。しかしSを(3)のように書くと、(3)全体の意味は、可能なx(t)を全て集めた集合、C={可能なx(t)全体}から実数の集合Rへの写像(関数)だと考えられます。 S: C→R (4) ここまでは用語の定義みたいなものです。実数xを独立変数とする普通の関数f(x)の定義域をA(x∈A)とした時、 f: A→R (5) と書くのと、全くいっしょです。ただし(4)の関数としてのSの独立変数は、関数x(t)で、ふつうの数ではないので、関数と言っても一風変わったものだよという意味で、汎関数と言ったりします。 (5)のf(x)の極値を考える場合、集合A上で微積を行います。このとき前提として、A上には距離が必要です。x1,x2∈Aとして、距離α=x2-x1が定義されてる事です。Aにαは自然に備わっているので、ふつうは気にせずに、df/dxの計算に移行しますが、これは実質的に、df/dαの計算である事に注意して下さい。 (4)でも同様ですが、まずC上に距離を定義する必要があります。関数どうしの距離(2つの関数が、どんだけ離れてるかの評価)の定義は、数学的にいくつかありますが、x1(t),x2(t)∈Cとしたとき、いずれを適用しても、α(x1(t),x2(t))=0ならx1(t)=x2(t)になるのは、もちろんです。 とにかくC上に距離αを定義してしまえば、ふつうの微積分dS/dαは可能になります。距離αは「ふつうの数」だからです。ところが以上の話を数学的に厳密にやろうとすると、関数空間の話になってしまい面倒なので、「大概ここの説明が」省略されます。という訳で、変分δSの定義は以下です。 δS=dS/dα・dα (6) (6)のδSの実質は、汎関数Sの微分を意味し、fの微分をdf=df/dx・dx(=df/dα・dα)と書くのと同じです。関数空間の話を省略したので、(6)の右辺をもろに出すわけには行かず、大抵はδSがいきなり出てきます。汎関数の微分を変分と言い、記号δを使うのは、たんなる習慣です。だからδS=0は、dS/dα=0を言ってるに過ぎません。 ゴールドスタインの古典力学(吉岡書店)では、距離という言葉までは出て来ませんが、(2)の可能な経路x(t)は、解関数x0(t)からの距離αで分類できるという見方をし、 S=∫L(x(t,α),x'(t,α))dt (7) なる表現が出てきます。(7)の表現では、積分記号下の経路xは、tとαの多変数関数になるので、積分記号化の微分を使い、 δS=∂S/∂α・dα (8) が、変分の定義になっています。
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- yokkun831
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一般の微分と同じ考えでよいと思います。 関数 f(x) の値が極値(正確には停留値)をとる条件 df(x)/dx = 0 δS の場合は,汎関数の「極値」ですから,独立変数は経路を決定するパラメータということになります。
お礼
回答有り難うございました。
お礼
丁寧な回答有り難うございます。非常にわかり易かったです。 ランダウの力学見て勉強していたのですがゴールドスタイの力学も参考に見てみます。