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企業経営の最先端の動きについて
IT化から、グローバル化へ、絶えず進化を続けている日本企業ですが、今、最先端の動きとしてはどのようなことが挙げられますか。
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1.コア・コンペテンシーへの集中 コア・コンペテンシーとは中核的競争力とも訳されますが、技術だけでなく、広い範囲の業務分野において自社だけでやっている分野に集中し、他社と共通の分野(=差別化が出来ない分野)を廃止したり、業務委託に変えてしまう事です。 たとえばIT化でも、自社で実施しなくてはならない投資計画や技術選定、利用状況や費用対効果の評価などの経営に近い部分を残して、残りの業務(=業務量では80%も占める)を他社に業務委託してしまうケースがあります。 古くからおこなわれていたのは、物流分野で、自社のトラックや自社社員を使って物流をする企業は稀になり、多くの企業が専門の運送企業に業務委託するようになりました。このような他社と共通の業務はその道の専門家に業務委託する、という傾向が一層進みます。 2.一位か二位の分野に集中 むかし、ジャックウェルチという人が主張した経営戦略です。その分野で一位の製品(事業)か、将来一位になる可能性がある二位の製品(事業)に経営資源(=人、モノ、カネ)を集中するという戦略ですね。 旭化成が競争激甚な衣料用繊維事業から撤退し、他社にまねのできない非衣料・資材分野の繊維に集中しようとしています。将来性の高い炭素繊維でさえも、東レと競合が厳しい(東レに勝てない)とみるや、潔く撤退してしまうのです。将来性があるかどうかではなく、自社が一番になれるかどうか(=収益を確保できるかどうか)で企業の選択と集中がなされてゆきます。 「一番じゃなきゃいけないのですか?どうして二番じゃいけないのですか?」、、、「二番じゃ生きてゆけない時代がくるからですよ。」 3.川上キーデバイスでの独占ねらい 最終製品(川下)は、独占禁止法(公正取引)の考えもあるので、シェアは最大でも50%ですから、つねに競合企業と価格競争する宿命にあります。しかし、キーデバイス(核となる部品)でのシェアは全世界販売の80%以上のシェアを1社が担う事はよくあります。この場合は、安値競争に入ることが少ないために、自社の研究開発投資をまかなうのに必要な収益が守られます。 有名なのはマイクロコンピューターチップのインテル社ですね。インテル社は自社が最終製品であるコンピュータに進出しないことを約束して、実質的に全てのコンピューターメーカーを顧客にすること成功し、この分野で80%ぐらいのシェアを確保しました。今後、どのコンピュターメーカーが成功し、どのコンピューターメーカーが失敗するかに影響されずに、自社は生き残ってゆく、しかも高収益を保ちながら生き残ってゆく路線を確保したのです。 似たようなケースでは富士フィルムの液晶ディスプレイフィルムのケースがありますね。写真フィルムお時代はKodakなどとシェア争いをしなくてはなりませんでしたが、現在、液晶ディスプレイフィルムの世界シェア80%を握っており、どのTVメーカーが伸びても、どのTVメーカーが撤退しても、関係なく自社の液晶ディスプレイフィルムが売れ続ける状態に持ち込むことに成功しています。日本で大地震が起きると韓国のサムソンで液晶テレビが生産できなくなるというお話です。