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仮執行宣言付判決への強制執行停止決定申立について
(1)強制執行停止決定とは、担保が実際に供託されて発令されるのでしょうか、それとも担保を条件に停止するという内容の決定であって、後日、供託すればよいという内容の決定なのでしょうか。または、いずれのケースもあるのでしょうか。 (2)敗訴者が執行停止のための供託をした場合、勝訴した側には、相手が供託した事実やどこに供託をしたのか(供託所や受付番号等)は、わかるのでしょうか。 (3)最終的に裁判に勝って確定判決が出た場合には、相手(敗訴者)が供託したお金はどうなるのでしょうか。相手が勝手に供託所から取り戻せるのでしょうか。逆に勝訴者は、供託所から引き出して、もらえるのでしょうか。 (4)仮に勝訴者がもらえる場合、他にも多くの債権者がいても、供託金は他の債権者に優先して勝訴者がもらえる特権のようなものはあるのでしょうか。 (5)仮に勝訴者がもらえる場合、他にも多くの債権者がいても、供託金は他の債権者に優先して勝訴者がもらえる特権のようなものはあるのでしょうか。 質問が多くなり申し訳ありませんが、ご存知の方ご教授下さい。
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(1)供託書正本の写しを裁判所に提出(原本は提示する。)することによって発令されます。 (2)強制執行停止申立事件の記録を閲覧すれば良いです。 (3)相手方が供託金を取り戻すためには、裁判所に担保取消決定をしてもらう必要があります。勝訴者に同意してもらうのは難しいでしょうから、民事訴訟法第79条第3項の方法をとるのが通常でしょう。 勝訴者は被供託者なので、供託金を還付してもらうことができます。しかし、この保証供託は、強制執行の停止によって発生した損害を担保するためのものなので、別途、損害賠償請求訴訟を起こして、勝訴判決等を得る必要があります。損害賠償が認められるかどうか分かりませんし、認められても大した額にならないかもしれないので、費用対効果の問題から、本案の請求の回収(本案の判決に基づく強制執行)に留めるのが普通だと思います。 すなわち、本案の勝訴判決に基づいて、供託者である敗訴者が有する供託金取戻請求権の差押え及び転付命令の申立をし、それが確定すれば、裁判所に担保取消決定の申立を行い、それが確定すれば、供託所に供託金の取戻請求をします。 (4)還付請求権は、勝訴者が有する請求権なので、他の債権者が差し押さえることはできません。しかし、取戻請求権は敗訴者が有する請求権なので、勝訴者への転付命令の決定書が、第三債務者である供託所に送達されるまでに、他の債権者による差し押等が入ってしまう可能性はなくはないでしょう。 民事訴訟法 (担保の取消し) 第七十九条 担保を立てた者が担保の事由が消滅したことを証明したときは、裁判所は、申立てにより、担保の取消しの決定をしなければならない。 2 担保を立てた者が担保の取消しについて担保権利者の同意を得たことを証明したときも、前項と同様とする。 3 訴訟の完結後、裁判所が、担保を立てた者の申立てにより、担保権利者に対し、一定の期間内にその権利を行使すべき旨を催告し、担保権利者がその行使をしないときは、担保の取消しについて担保権利者の同意があったものとみなす。 4 第一項及び第二項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。 民事執行法 (転付命令) 第百五十九条 執行裁判所は、差押債権者の申立てにより、支払に代えて券面額で差し押さえられた金銭債権を差押債権者に転付する命令(以下「転付命令」という。)を発することができる。 2 転付命令は、債務者及び第三債務者に送達しなければならない。 3 転付命令が第三債務者に送達される時までに、転付命令に係る金銭債権について、他の債権者が差押え、仮差押えの執行又は配当要求をしたときは、転付命令は、その効力を生じない。 4 第一項の申立てについての決定に対しては、執行抗告をすることができる。 5 転付命令は、確定しなければその効力を生じない。 6 転付命令が発せられた後に第三十九条第一項第七号又は第八号に掲げる文書を提出したことを理由として執行抗告がされたときは、抗告裁判所は、他の理由により転付命令を取り消す場合を除き、執行抗告についての裁判を留保しなければならない。 (転付命令の効力) 第百六十条 差押命令及び転付命令が確定した場合においては、差押債権者の債権及び執行費用は、転付命令に係る金銭債権が存する限り、その券面額で、転付命令が第三債務者に送達された時に弁済されたものとみなす。
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- buttonhole
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>差押え債権者や転付命令により取り戻し請求権を取得した者は、「担保を立てた者」として扱われるということでよいのでしょうか。 差押だけですと、差押債権者は取立権を有するだけなので、取立権の権能として担保取消決定の申立ができるのかは不明です。転付命令も申し立をして、それが確定すれば、取戻請求権を取得するので、担保を立てた者(の特定承継人)として申立をすることができます。 >その場合、勝訴者は、担保権利者として民事訴訟法第79条第3項の方法をとるという理解でよいのでしょうか。 申立はあくまで、「担保を立てた者(の特定承継人)」としてですが、同時に「担保権利者」でもあるので、「担保権利者」として担保取消決定に同意をしていることは明らかです。ですから、第3項ではなく第2項になります。
- tk-kubota
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(1)強制執行停止決定は担保を供するか又は供しないですることがですます。仮に、供することになれば、供託があった後強制執行停止決定があります。 (2)強制執行停止決定は債権者に通知しますので、閲覧しなくても判ります。 (3)供託者は被供託者の承諾を得ない限り勝手には下ろせません。 (4)債権差押命令申請でできます。ただし、条件があります。 他の債権者との関係は、債務名義の有無や配当要求の時期で変わります。つまり、優先弁済はないですが、配当要求終期までに適切な申請があれば、債権額に比例して平等に配当されます。 (5)は(4)と同じ
補足
非常に分かりやすく説明して頂き、大変感謝しています。本当にありがとうございます。 ところで、回答の中で、 「本案の勝訴判決に基づいて、供託者である敗訴者が有する供託金取戻請求権の差押え及び転付命令の申立をし、それが確定すれば、裁判所に担保取消決定の申立を行い、それが確定すれば、供託所に供託金の取戻請求をします。」とありますが、条文上は担保の取消決定は、担保を立てた者の申立てによるとありますが、差押え債権者や転付命令により取り戻し請求権を取得した者は、「担保を立てた者」として扱われるということでよいのでしょうか。その場合、勝訴者は、担保権利者として民事訴訟法第79条第3項の方法をとるという理解でよいのでしょうか。 度々ですいませんが、ご教授をお願いします。