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PPARgammaの細胞内局在に関しまして
御存じの通り、PPARγは脂肪細胞分化のマスターレギュレーターといえる転写因子です。 現在私はがん細胞の研究をしていますが、意外なことにPPARγの細胞局在は核内受容体のはずなのに、細胞質で認められることが多いです。 PPARγの細胞質での発現制御や生理学的機能に関しては、上皮間葉転換との関連などしか文献で分かっておらず、どなたかご存知でしたら是非ご教示ください。 特に核から細胞質へシャトルされる際の刺激(酸化ストレス、炎症性サイトカイン、プロテアソーム阻害剤などは試しましたが有意な所見はありませんでした・・・)で何かIdeaがあればご指摘いただけると幸いです
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こんばんは、ご返答いただきまして、どうもありがとうございました。 > MAPK inhiitorが高価なので、酸化ストレスでp38MAPKリン酸化を誘導してPPARγを細胞質に局在を変化させたいと思っています。 成果を期待しております。 > βカテニンはPPARγと細胞質で結合することで、PPARγの核内輸送をブロックするという通説はどれほど普遍的な現象なのか不思議ですが、御意見を伺えると幸いです。 まず、「βカテニンはPPARγと細胞質で結合する」このこと自体はおそらく問題はないと考えております。 β-カテニン/PPARγの相互作用をブロックする(コアクベータとPPARの結合を阻害により)inhibitorは市販されていることもあり、おそらく、いろんなラボで確認されているものと察せられます。 一方、「βカテニン-PPARγが、PPARγの核内輸送をブロックする」に関しましては、 自信が持てません。以降は、癌との絡みで述べさせていただきます。 癌に関するスタディでは、PPARγは抗腫瘍効果が認められるとされています。ですが、βCateninとの関連で申しますと、PPAR-γリガンドによる、活性化が (or 抑制化が)、βCateninに直接影響を与え、癌化の抑制等に関与していると思われるからです。 ・”PPAR gamma activator (agonist) inhibited beta-catenin-induced transcription in a PPAR gamma dependent fashion.” (ref. Eur J Pharmacol. Vol.636, pp.198, 2010.) ・”beta-Catenin contributes to the promotion of tumorigenesis by PPARgamma antagonist” (ref. J Pharmacol Sci. Vol.108, pp.535, 2008.) 中途半端な回答となってしまい心苦しいのですが、何かしらのご一助となれば、幸いでございます。
はじめまして、ひどっち と申します。 > 現在私はがん細胞の研究をしていますが、意外なことにPPARγの細胞局在は核内受容体のはずなのに、細胞質で認められることが多いです。 核内受容体(NR)は、以外と細胞質にも存在していることが知られています。 > PPARγの細胞質での発現制御や生理学的機能に関しては、上皮間葉転換との関連などしか文献で分かっておらず、どなたかご存知でしたら是非ご教示ください。 残念ながら、核内から細胞質へのimportについては存じてはおりませんが、逆の細胞質から核内へのシステムは解明されつつあるようです。 以下に参考文献を紹介させていただきました。もしかしますと、Introduction等におきまして、何かしらの情報が入手可能かもしれません。 The nuclear import of the constitutive androstane receptor by importin/Ran-GTP systems. Kanno Y, e. al., Biochim Biophys Acta., Vol. 1803, pp.968 2010. Nuclear import of the glucocorticoid receptor-hsp90 complex through the nuclear pore complex is mediated by its interaction with Nup62 and importin beta. Echeverría PC, et. al., Mol Cell Biol., Vol.29, pp.4788, 2009. ご参考になれば幸いでございます。
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お礼
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