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X線回折法について
X線回折法で無配向化した粉末試料を用いるのはなぜですか? 調べてみた結果、無配向化というのが「試料を粉砕して、微細化して結晶があらゆる方向を向いている状態」というのは分かりました。でも、なぜこの無配向化した試料を用いるのかがよく分かりません。ご存知の方がおられましたら、お手数をかけますが、よろしくお願いいたします。
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回折光が強くなるためには、入射光と散乱光が特定の条件を満たさないといけません。 これをわかりやすくしたものがEwald球な訳ですが、これが成り立つにはEwald球上に逆格子空間の格子点(各成分が整数になる点)が二つ以上存在しないといけません。 この条件を満たすようにするためには、次のような方法があげられます。 1.結晶構造から逆格子の配置と入射光の方向をきっちりと合わせることでEwald球と逆格子の格子点の位置を合わせる。(非常に難しい) 2.白色X線を使うことで連続的な大きさの分布を持つEwald球を作り出す。(Laue法) 3.単色X線を用い入射光の波数ベクトルを固定する代わりに結晶の向きをランダムに多数は位置することでEwald球に逆格子点が載る結晶が得られるようにする。(粉末結晶法) 格子定数を求めるような波長がわかっているほうが良い場合は3.を、結晶の対称性を調べる場合の様に向きが重要な場合は2.の方法を使う。
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ありがとうございました。無事、解決しました。 返事が大変遅くなってしまって申し訳ありませんでした。 大変助かりました。