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importとinput
発音しやすいようにつづりを変えるならば 後者もimとなるはずなのに なぜinになっておりますか。
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n が、p,b, m のような両唇音の前で m にかわるのは、下記の逆行同化の結果です。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%8C%E5%8C%96_%28%E9%9F%B3%E5%A3%B0%E5%AD%A6%29 これは、寒風、寒帯、寒気、などで「寒」の「ん」が [m], [n], [ŋ] と変わるのと同じで多くの言葉に見られます。しかし日本語では「寒」と漢字で書いても「かん」と仮名で書いても、書きことばは同じです。逆行同化を書いているのはヘボン式のローマ字だけです。 ということは、区別がなければ、綴りは m でも n でもいい訳です。 import と input に綴りの差があるのは、逆行同化がどこで、いつ起こったかの差がある、のが原因と思われます。 1。import の方は、15世紀の初頭に、ラテン語の importare 「運び込む」に由来し、「中へ」を意味する in- と、「運ぶ」を意味する portare との合成です。 2。input の方は、1793 に「収入額」という意味で初めて使われ、コンピュータに「データ入力」と言う名詞では 1948年、「入力する」という動詞では、1946年だそうです。「中に入れる」という意味の動詞では14世紀後半には中英語からの使用記録があるそうですが、この意味では間もなく死語になったようです。 こう見ると、import のように、逆行同化の書きことば化は、既にラテン語に見られ、中英語からある。input のような、発音では m でも、綴りに反映しないのは、イギリス国内産で、比較的新しいもの、と区別することが出来ます。 p の前で、 m と n の区別があるように見える例もあります。例えば、impatient 「せっかちな、イライラしている」と inpatient 「入院患者」です。この場合「発音しやすい」条件は同じように見えますが、前者では第2音節の a に強勢のアクセントがあり、後者では第1音節の i に強勢のアクセントがありますから、条件が同じとは言えないと思います。 ついでですが、impatient の方は、14 世紀から、 http://www.merriam-webster.com/dictionary/impatient inpatient の方は、1760年から、となっています。 http://www.merriam-webster.com/dictionary/inpatient 前置きが長くて申し訳ありませんが、ご質問の回答は 古くてラテンから入った import は m、新しくて自家製の input は n です。
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- wind-sky-wind
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接頭辞をつける際,後に続く発音に合わせて変化するものばかりではありません。 否定辞 in- は発音に合わせて, imbalance, illegal, irregular のように変わりますが, 同じ否定辞の un- は常に un です。 unbalance in- は「中に」という否定辞でもあり,おっしゃるように import のように変わるのですが, input は put in がそのまま input になったもので, 接頭辞というより,in がそのまま使われています。 したがって,in のままであることに意味がありますし, 完全に一語になっている感じではないのだと思います。
お礼
詳しいご解説に感謝します。 語源の言語による、ですね。