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殺人未遂と過失傷害致死、民事では?

rinntamaの回答

  • rinntama
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回答No.3

民法上も正当防衛に関する規定はありますが、過剰防衛については規定されていません。 正当防衛であれば賠償請求は否定されます(720条)が、過剰部分については、不法行為責任(709条)を負うことになります。 ただし、(過剰)防衛行為は攻撃行為がなければ、なされなかった行為なわけですから、その点については、過失相殺にて斟酌されるのが通常と言えるでしょう。 ただし、この不法行為に基づく損害賠償請求の過失相殺は、必要的ではないとされています。 また、刑法上は、過失相殺という考え方は原則としてありません。 各請求 (1)A→B Bは、殺人未遂行為という不法行為を行っていますので、AはB(死亡の場合は相続人)に対して不法行為に基づく損害賠償請求をすることができます。 (2)B→A Aは、過失により死亡させるという不法行為を行っていますので、B(の相続人)はAに対して不法行為に基づく損害賠償請求をすることができます。 (2)において、Bの行為は、Aの攻撃行為に対して反撃行為としてなされたものですので、Aの行為について過失相殺がされる可能性が十分にあります(ちなみに、Aの行為は「故意行為」ですが、当事者の公平を図るという過失相殺の趣旨から同理論が適用されると考えられています。)。 さらに、Bの行為が傷害致死罪ではなく過失致死罪に留まっているとのことですから、Bは、正当防衛各要件のうち、相当性を欠くものの、この点についての認識に過失があるにすぎないと考えられます。 とすれば、Bの負担割合は相当小さく、これに対して、Aの過失割合は相当程度大きなものとなると言えると思います(たとえば、A:B=1:9とか。Aには相当性を認識すべきであった過失があるので、過失0とはなりません。)。 結論として、(1)で算出された額と(2)で算出された額とが便宜上相殺され(過失相殺ではありません)、その差額がA又はBに支払われることになります。 >この場合、AはBの遺族に多額の賠償金を払うことになるのでしょうか? 上記のように述べると、Aの賠償義務が完全に否定されるように思えますが、実際は、A・Bそれぞれの損害額によって異なってきます。 大抵の場合、Aの支払い義務は否定される方向に働くでしょうが、あらゆる場合においてAの賠償が否定されるわけではありません(たとえば、Aの損害額と比べてB の損害額(主に逸失利益)がかなり高額な場合)。 また、(1)・(2)の両請求は、必ずしも両方が提起されるとは限りません。 万一、(2)の請求のみがされるのであれば、Aのみが支払いをすることもあり得ます。 ただし、その場合も、Bの過失が相当程度大きいと認定されるでしょうから、賠償額が多額になることはないでしょう。 なお、本件のような事例でクリーンハンズの原則が適用されるとの主張もごく一部であるようですが(不法原因給付も筋としては同じ方向です。が、不法原因給付は既に給付あることが前提なので、本件での適用はあり得ません。)、当原則は契約法の分野にて該当するものであり、不法行為法において適用があるとは考えられません。

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