お勧めを教えてください！

質問

今度天体望遠鏡を買おうと思っているのですが・・・
口コミとか見ていてもいい評価と悪い評価がごっちゃになっていてよく分かりませんでした。
価格は～２５０００円くらいを目途にしています。
月や星などが見えるようなもの、見て感動するようなものがいいです。初心者なので。
何かお勧めなのはありますか？
実際に買ってみての体験談などでもいいです。
よろしくお願いします。

回答No.2

kamakiri83 · ベストアンサー

予算～25000円ということならば、お勧めは、
ビクセン ミニポルタ A70Lf (26460円)
http://www.kyoei-tokyo.jp/shopdetail/020001000002/brandname/
になります。
天体望遠鏡機材の中で、“鏡筒”だけが一般の初心者の方からは注目されがちですが、鏡筒には接眼レンズを付けなければ望遠鏡という光学系は完成しません。
望遠鏡は天体観測を可能にする架台三脚に載せなければ天体望遠鏡にはなりません。

まず鏡筒ですが、口径の大きさそのものが主性能となり、分解能(どれくらい細かい部分が判別可能か)値は口径の大きさに比例し、集光力・明るさ性能値は口径の2乗に比例します。そして口径が大きいほど限界等級も高くなります。

次に接眼レンズですが、その役割は(大雑把には)拡大です。
対象像の光は鏡筒の対物凸レンズで屈折→集光し、鏡筒内に肉眼とは逆さまの「実像」を決像させ、口径の大きさによってこの実像の明るさ(光密度=言わば情報量)が決まります。
そしてこの「実像」をルーペの原理で接眼凸レンズを使って拡大視(虚像として)する仕組みとなります。

「倍率＝対物レンズの焦点距離(f1)÷接眼レンズの焦点距離(f2)」

また接眼レンズには他に見掛視界・アイレリーフという性能値もあります。
さらに屈折レンズを用いる光学系は、収差と呼ばれる宿命的難題を抱えており、アクロマート・アポクロマートという手法で補正がなされますが、収差を完全に取り去るには大変コストが掛かるため、品質の高さ(価格に比例)が像質を左右することになります。

最後に架台三脚についてです。
望遠鏡が1mm揺れた場合、50倍視界では5センチの揺れとなり、100倍では10センチの大揺れとなり、ピントを合わせるために鏡筒に触れただけで、外の風が少し当っただけで、鏡筒を揺らしてしまう・直に揺れが収まらない架台では、観測どころではありません。
それに望遠鏡の視界は肉眼に比べたら大変狭く(高倍率ほど狭い)、その狭い視界に目標を導入するのはそう簡単ではありません。
また、地球は自転しているため地上から見る天球は北極星を中心に24時間で360°回転して見えます。この動きを日周運動と言いますが、視界の中では高倍率ほど速い速度でズレて行きます。
つまり、天体観測用架台には、望遠鏡を極力揺らさない・揺れを短時間で収める、耐力・強度が必要であり、観測機材を安定させる重さも必要であり、大動～繊細・滑らかな動きで導入・追尾をスムーズに行える操作性までが必要となります。

お勧めに挙げた「ミニポルタ経緯台＋A70Lf鏡筒」については、
A70Lf鏡筒は中国生産品ですが、メーカーがしっかりと製造・品質管理に介入し、しっかりと検品された品質レベル十分の鏡筒です。
この鏡筒(口径70mm)の有効上限倍率は(口径mm×2倍＝)140倍あたりまでで、PL20mm(45倍)、PL6.3mm(142倍)の接眼レンズが付属。
セットものなので像質のみが優先された安価な接眼レンズですが、中心像はシャープに見える性能の接眼レンズです。
ミニポルタ経緯台の耐力・強度は、この鏡筒の重さに対しては十分な性能です。
操作性に関しては、フリーストップ式＋微動ハンドル付きで、この上なく扱いやすい架台です。

観測対象については、
月は45倍で視界の半分の大きさ・142倍でクレーターまでバッチリ見えます。
木星・土星は大気の透明度・ゆらぎが見え方に大きく影響し(大気の状態がベストになることは少ない)、高倍率ほど大気の影響を強く拾ってしまうため、142倍で鮮明に見えるかはその日その場所その時刻の大気の状態次第です。45倍で見る木星・土星は大変小さいですが、それでも表面に模様があること・輪の存在は十分に観察できます。
口径を大きくすればより高倍率を有効にできますが、200倍以上をベストに見れる状況はそうそうありません。

お勧めの鏡筒は屈折式ですが、強度が高いため光軸ズレが殆んどなく、温度差による鏡筒内気流の発生も殆んどなく、長さの割に細いので扱いが容易で、鏡筒を目標に向けやすく、そしてお勧めのセットなら総重量は5.3kgなので、気軽に屋外に持ち出せます。(←これ重要)

銀河・星雲・星団を得意とする鏡筒ではありませんが、どんなに大口径の高価な鏡筒を持ってても、良い環境(より光害が少なく(より田舎)・より大気の影響が少なく(高所))と、対象を天球の中から探し出せるスキルが揃わなければ、万足は得られません。
たとえ7センチの鏡筒でも、より良い環境に遠征すれば、機材性能は何倍も向上します。(機材より環境の方が重要ってこと)

お礼

なるほど！
すごくよく分かりました！
参考にさせていただきます！
ありがとうございました。