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マクロ経済学の範囲
経済学は、アダムスミスから始まり、4つの市場の均衡、セイの法則、その後、有効需要の発見によるケインズ経済学、その後も新古典派経済学と変遷してきましたが、マクロ経済学はこれらの上に立つ最終的なモデルと考えて良いのでしょうか?例えばislm曲線は、有効需要を考慮してのモデルなのか、などです。確か45度線分析は考慮していた気がします、つまりマクロ経済学、ミクロ経済学を基礎から上級まで習得すれば、行動経済学などの新しい見方の経済学を除いて、歴史から出された合理的人間をモデルとした経済法則の体系を理解出来るのでしょうか、これからの学習の上で知りたいと思いました、おねがしいます。
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>マクロ経済学はこれらの上に立つ最終的なモデルと考えて良いのでしょうか? 全く違います。 政府が関与しない、市場そのものの動向を調べるのがミクロ経済学であり、そこに政府が介入すると市場がどのように変化するかを考えるのがマクロ経済学です。 アダムスミスらは、市場競争により市場均衡が達成されると社会全体の利益である総余剰が最大になり、政府がこれに関与しようとすると総余剰が減少してしまうことから、政府は市場に干渉すべきでないと考えました。したがって、アダムスミスの経済学にはマクロの部分はありません。強いて言うならば、「補助金などの政府の関与は総余剰を減少させるので、政府は市場に介入すべきでない」という結論を出した部分がアダムスミスのマクロ経済学です。 しかし、アダムスミスの理論では不況も失業問題も生じないはずでした。1930年代の大恐慌はアダムスミスの理論では説明できなかったのです。 そこでケインズが登場します。ケインズは、労働市場を調べ、労働の価格が下方硬直的であることを見い出しました。つまり、労働市場に関して、アダムスミスのミクロ経済分析は間違っていると主張したのです。労働市場の分析とデフレスパイラルに関する考察はケインズ経済学のうちのミクロ経済学の部分です。1930年代の大恐慌の対策としてケインズはニューディール政策を提案しました。これがケインズ経済学のうちのマクロ経済学の部分です。 他の経済学に関しても、その中にミクロの部分(政府の関与のないときの市場の分析)とマクロの部分(政府の関与による市場の変化)があります。 月ロケットを、正確に月に送り届けるためには、まず地球を出発したロケットが月へ届くための軌道を計算します。次に、太陽の重力によってその軌道がどう変化するかを計算します。 ミクロとマクロというのはこれと同じで、まず市場そのものの動向を調べ、次に政府の関与による影響を調べるのです。
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質問の意味をよく理解できませんが、近代経済学の到達点について何か楽観的な見通しを持っても、学習の役には立ちません。 教科書をよく読み、各仮定が何を含意するのか正確に理解していくしかありません。 古典派以降の経緯を理解したければ手軽な解説で済ませずにスミスやケインズを読むなり学説史を読むなりすることです。 ちなみに#1でマクロ・ミクロは政策を扱うか否かの分類であるかのように言われていますが、必ずしもそうではありません。 普通の用語法通り、マクロ経済学は集計的な変数の説明に焦点を当てる分野であり、ミクロ経済学は個々の主体の行動の説明に焦点を当てる分野である、それだけのことです。 あなたの質問はミクロ的基礎を持ったマクロ経済学という意味で近代経済学を大雑把に「マクロ経済学」で表していると解釈しましたが、おそらく質問の本筋とは関係のないどうでもいいことです。