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交通事故に健康保険は適用される?

漫画「カバチタレ」第8巻を読んでいたら、病院の事務局長が交通事故の被害者に「交通事故には健康保険が使えないので、治療費の100%負担が必要」と言っている場面がありました。 これに対し、主人公の行政書士は交通事故でも健康保険は使えると主張し、結局、保険を使って3割負担で済むことになりました。 ということは、事務局長が言った、交通事故には健康保険は使えないというのは全くのウソなのでしょうか、それとも、条件付きで使えるということなのでしょうか? また、交通事故の場合、患者の方が病院に「健康保険を使います」と言わないと、全額自己負担になってしまうのでしょうか。 他方、TVドラマ「ブラックジャックによろしく」では、交通事故の場合は病院側が自由に治療費を決められるので、交通事故の急患しか受け入れない病院というのが出てきましたが、これは、交通事故には健康保険は使えないということを前提にしたものではないでしょうか? このサイトでもたびたび、交通事故に健康保険は使えるという回答が出ていますが、上記についてはどのように考えれば良いのでしょうか?

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • ninjinsan
  • ベストアンサー率53% (64/120)
回答No.10

回答者の中には専門家の方もいらっしゃるようでお恥ずかしいのですが保険学を専攻したものとして診療報酬のウンチクを述べさせてください。 質問を提起されていますので、まずは回答から申し上げます。【交通事故でも健康保険は使えます。】 では一体病院や医院では「使えません!」と言い出すのでしょうか?!。 実はこの問題は色々な歴史と利害が絡んでいます。 以下、ご説明いたします。 昭和33年医師会と厚生省の話し合いで決まった一点単価は当時10円でした。 昭和34年には、労災事故の場合は一点当たり12円。 この頃は医師会のボス竹見会長と国の単価交渉は激しく、「まるで喧嘩だ」と語られるほどでした。 自由診療の場合はあくまでも自由価格。 10円より20円の方がイイ!。 当然の流れが瞬く間に全国の医療機関に広がりました。 裁判でも医師会でも厚生省内部でも色々議論を重ねて、落ち着くようになったのは1990年半ば頃です。<現在でも健康保険を拒絶する医療機関はまだ残っています> 保険会社や国としてはたまったものではありませんでした。保険財政が一気に赤字に転落したのです。当時の自由診療の点数は20円前後でしたから当然保険会社は悲鳴をあげたものです。保険料の値上げが叫ばれるようになると大蔵省もだまって見ているわけにはいかず、厚生省に働きかけをしました。 「健康保険の適用を断らないように指導して欲しい!」と。 内部審議を重ねて厚生省は2年後、全国の医療機関に通達を出しました。 内容はといいますと、「患者側より健康保険の提示があった場合は健康保険点数で診療をおこなうように!」と。 それに対抗するように医療の事務方は通達を見てこんな考え方をしたそうです。「この通達には罰則規定がない!・・・だったら・・・。」 (以下) <もし健康保険を使わなかった場合> (1)自由診療となります。 病院など医療機関は患者さんに対して自分達が行った診療に対して報酬として1点10円~20円又は25~30円などある意味自由に設定できます。(実態は平均して20円程度です)つまり自由診療は甚だ利益を生む報酬なのです。 (2)自賠責保険の死亡以外の最大の支払枠は120万円です。小さなケガはもちろん、打撲なら腕の骨折程度も大凡この120万円という枠でまかなえます。すると健保使用を強行に訴えていた損保までもが病院や患者さん達と同じように高額賠償事案を除けば自由診療を認め始めました。 (3)自由診療は適正な治療がおこなわれたか?、という審査の対象外となっているためかなりいい加減治療をしても騒ぐ人はまずほとんど居ません。上段(2)の理由のためです。 <健康保険を使った場合> (1)規定の一点10円という報酬に縛られます。しかしここにはカラクリがあります。健康保険証の提出は健康保険組合(市町村の国保と取りあえず思ってください)から医療機関にお金が支払われます。そして健康保険組合は自賠責からお金が補填されます。 そしてこの報酬順送り作戦は病院側の一人儲けを防ぐことになります。患者・健康保険組合・自賠責保険は共同して全体の利益と相互の利益を守ることになります。「健康保険は使えません」と患者に平気で虚を言う悪しき儲け体質はここに一つの終止符を迎えることになりました。通達から10年の年月の時間がながれましたが・・・。 しかし24時間体制の医療機関や救急体制を敷いている良心的な病院などは、甚だ利益の薄い治療をする事になり実態としては救急は赤字でやっていられない!とドンドン民間病院では救急体制を止めていきました。そんな社会現象を引き起こした事も事実です。 (2)損保会社としては自賠責の120万円以内で納まる事故なら自由診療を見ぬ振りをしていた方が事務量が半分で済みます。大蔵省の通達も損保会社に出ましたがなかなか改善されないのが実態のようです。<ある意味、保険会社とは実に勝手なものです。> 最後になりましたがこの「健康保険は使えません」という問題のフレーズは、当時の医師会会長の武見太郎氏の敷いた医療最優先主義の亡霊と言われ、今でも我が国の医療には閉鎖的で高慢な部分を残していると言われる初因の言葉と言われています。 しかし事実、武見太郎という人物は当時の吉田茂首相の親戚であり、各選挙区にある医師会という応援団を背景に激しく選挙活動に力を入れた人物でもありました。医療のためとはいいながら実際は政争に巻き込まれた無垢な医師という評もあながち間違いではないのかもしれません。 質問にもろくに答えず長々と愚言を並べてしまい不愉快な思いをされたことと思います。質問者並びに回答者の皆様に心よりお詫び申し上げます。<一>

goo-papa
質問者

お礼

詳細な説明をありがとうございました。 現在の制度に至る背景もよく理解できました。

その他の回答 (11)

回答No.1

# 自信ナシです!(なら書くな!) 字面どおりの質問への回答は、「適用されない」でしょう。交通事故の場合の治療費は自賠責保険の人身障害から全額でますので、健康保険は適用されません。 が、質問が「交通事故の治療に健康保険は使える?」だったら答えはYesになると思います。 この場合、健康保険組合が負担した7割分は自賠責保険から健康保険組合に支払われ、3割分が被害者に支払われることになるのでしょう。 ただ、この手続きは面倒くさいので多くの健康保険組合では「交通事故の場合健康保険は使わないでください」と宣伝しているようですが、使えないわけではないようです(実際、私は使ったことがあります)。 別に、黙って使えばいいことです。悪いことではありません(道義的にいえば健康保険組合の手間を増やすことになるので悪いことですが)。

goo-papa
質問者

お礼

「使えないわけではない」という微妙な問題なのですね。 すみません、字面どおりの質問は「適用されない」で、治療には健康保険が使えるとのことですが、両者の違いがよく判りません。どのように違うのか教えて頂けますか?

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