刑法初学者が因果関係を論ぜよする方法とポイント

このQ&Aのポイント
  • 刑法初学者が因果関係について学ぶ中で有名な判例に触れています。例題において、「罪責を論ぜよ」という要求がありますが、何を書けば良いのかわからないとのことです。
  • 例題には判例が示されており、判例の立場や判決に至るまでの工程を書く必要があります。どのようなポイントを押さえれば良いのか、書き方のヒントが欲しいとのことです。
  • 刑法初学者にとっては難しい課題ですが、適切なポイントを押さえれば解答することができます。具体的なアドバイスや論点になるポイントを教えていただけると助かります。
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刑法初学者なのですが、今大学で因果関係について学んでいます。

刑法初学者なのですが、今大学で因果関係について学んでいます。 その中で有名な判例について罪責を論ぜよとの例題があるのですが、どのように書けばよいのかまったくわかりません。判例がどの立場をとっていて(相当因果関係説?)、どのような工程で判決に至ったのかを書けばいいみたいなのですが、それが上手く出来ないです。 書き方のヒント、論点になるポイントなど、教えていただけないでしょうか? (1)大阪南港事件 被告人甲はXに洗面器などで多数殴打するなど暴行を加え、その結果Xは意識不明になり、その後気を失っているXを車で運搬し、資材置き場に放置した。ところがXは生存中さらに乙によって書くぜ愛で頭頂部を殴打され、翌日未明死亡した。なお乙の殴打はXの死期を早めたに過ぎない。 甲・乙の罪責を論ぜよ。(傷害致死罪) (2)夜間潜水訓練事件 スキューバダイビング指導者である甲が、補助員乙とともにXら6名の受講生に対し、夜間潜水指導を実施していたが、不用意に移動して受講生らの傍から離れ、経験の浅い補助員乙をXら6名を見失った。その間乙はXらに水中移動という不適切な指示をして、これに従ったXはタンク内の空気を使い果たし混乱状態に陥り、溺死した。 甲・乙の罪責を論ぜよ。(業務上過失致死罪) (3)高速道路進入事件 甲ら6名は深夜の公園およびマンションでXに暴行を加え、Xは隙を見て逃走したが、約10分後に追跡を免れるために高速道路に進入し、そこで車に轢かれて死亡した。 甲らの罪責を論ぜよ。(傷害致死罪) (4)熊撃ち事件 被告人甲は狩猟仲間Xを熊と間違えて誤射し、10数分以内で死亡するほどの重傷を負わせた後、Xの苦悶状態から瀕死の状態と考え、殺害して楽にさせたうえで逃走しようと決意し、至近距離から発砲してXを死亡させた。 甲の罪責を論ぜよ。(業務上過失致死罪) 長々となってしまいましたが、よろしくお願いします。

質問者が選んだベストアンサー

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noname#117587
noname#117587
回答No.3

因果関係を主要な論点とする刑法の問題の解答の例としては、 http://okwave.jp/qa/q5885823.html で回答しているのでまず読んでみてください(この解答例は条文を指摘していないという欠陥があります)。 一般論として言えば、罪責を論ぜよ、という問題に対しては、 1.該当しそうな犯罪を考える(条文を指摘する)。 2.その犯罪の構成要件に問題の事例が該当するかを検討する。  2-1.客観的構成要件要素の検討   2-1-1.実行行為性   2-1-2.結果(結果犯のみだが質問の事例は全て結果犯)   2-1-3.因果関係  2-2.主観的構成要件要素の検討   2-2-1.故意または過失(質問の事例では、結果的加重犯では基本犯の故意が必要。過失犯では過失だけの問題)   2-2-2.超過的内心傾向(質問では関係なし) 3.共犯が絡む場合、必要に応じて検討 4.必要に応じて、違法性阻却事由、責任阻却事由の検討 5.罪数処理 という流れになります(共犯に関しては、構成要件該当性、違法性、責任のいずれに影響するかによって書く順序を変えた方が流れが良くなるかもしれません)。なお、検討すべき行為者が複数いる場合には、「結果に近い方から」検討するのが王道です(ごく稀に例外もあります)。ですから、(1)(2)の例では乙から検討した方がよいです(特に因果関係論で言えば、乙の行為を挟んでいるために甲の行為と結果との因果関係があるのかないのかが問題になるわけです。とすれば、乙の行為と結果との関係の方が分かりやすいので先に書くのが楽です)。なお、(3)については、明らかに犯罪行為を共同で行っている典型的共同正犯なので、「甲ら(6名)」と一まとまりで論じて構いません。 因果関係学説の大雑把な話は、 http://okwave.jp/qa/q6008515.html で回答しているので読んでみてください。 とりあえず質問の4つの事例は全て判例なので刑法判例百選とか判例集を見れば解説付きで全部見つかると思います(最高裁のウェブサイトの判例だとないものもあるかもしれませんし、解説はありません。それ以外のネットの解説は、大学のサイトなどでもない限り信用できないので避けた方が無難です)。一通り目を通すことをお勧めします。 さて、各論です。 (1)傷害致死罪というのは書いてあるわけですから、 乙に傷害致死罪が成立するかを論じる(角材で殴ったのだから暴行の実行行為はある。死んだのだから結果もある。死期が早まったのだから因果関係もある。傷害致死罪の成立に致死結果の予見可能性を不要とすれば、暴行の故意で殴って死なせれば傷害致死罪の故意は満たす)。 甲に傷害致死罪が成立するかを論じる(因果関係が問題。乙の行為によって死期が早まったのでその「早まった死亡」というのは果たして甲の行為との因果関係があると言えるのかというのがメインテーマ。この例は、「(乙という)第三者の故意による(暴行という)行為」が甲の行為の後に介在したという事例)。 というのを書くことになります。 (2)業過致死罪なのは書いてあるわけですから、 乙に業過致死罪が成立するかを論じる。 甲に業過致死罪が成立するかを論じる(乙の不適切な行為の介在が結果を招いたので、その結果との因果関係があるのかどうかを論じる。この例は、「(乙という)第三者の過失行為」が甲の行為の後に介在したという事例)。 ということになります。 (3)傷害致死と書いてあるのですから、 甲ら6名のに傷害致死罪が成立するかを論じる(この例は、「被害者(X)の不適切な行為」が甲らの行為の後に介在したという事例)。 となります。この4つの中では一番書く事が少ないです。 (4)業過致死罪と書いてあるのですから、甲に業過致死罪が成立するかを論じる……のですが、この場合、業過致死罪を不成立として業過致傷罪の成立を認めた上で、更に殺人罪の成立を書かなければいけません(この例は、「行為者(甲)自身の故意行為」が甲の行為の後に介在した事例)。つまり、その死亡は、先の誤射によるものではなくて、楽にするために意図的に撃ったために生じた死亡であることから、誤射との因果関係を否定します。すると、結果との間に因果関係がないので未遂となりますが、過失犯の未遂は不可罰ですから結果、業過致死罪は成立しません。しかし、誤射で瀕死の重傷を負わせたのは事実なので業過致傷罪は成立します。更に、その後の「楽にするため」に撃ったことが殺人罪になることを述べて、罪数は、別々の射撃という行為による犯罪だから併合罪とすることになります。 なお、因果関係学説でどの説をとっても結論はほとんど同じだと思って構いません。 字数がないのでこんなところで。

その他の回答 (4)

noname#117587
noname#117587
回答No.5

ごめんなさいもう一つ付け足し。 ANo.3で、 なお、因果関係学説でどの説をとっても結論はほとんど同じだと思って構いません。 と書きましたが、正しくは、 なお、因果関係学説で条件説以外のどの説をとっても結論はほとんど同じだと思って構いません。 です。

metto-ruds
質問者

お礼

数回の書き込みにわたってわかりやすく説明していただきありがとうございます。 教えていただいた順序で問題を指摘していき、なんとか頑張って解答を作って行きたいと思います。

noname#117587
noname#117587
回答No.4

一つ付け足しですが、 http://okwave.jp/qa/q5885823.html で私は字数の関係で回答を二つに分割しています。両方読まないと理解できないので気をつけてください。

  • LTCM1998
  • ベストアンサー率31% (238/747)
回答No.2

確かに難しい課題ですね。 刑法でいう「因果」というのは,「どこまでを原因とするか?」ということだ,と大枠を理解すると,それぞれの説や判例が読みやすくなると思います。 極端な想定例を勝手に考えてみます。 a)AがBを突き飛ばしたら,Bが転んで軽症を追った。Bは病院に行こうとしたが,途中でクルマに跳ねられ即死した。Bの遺族は,「あのときケガをしていなかったら,病院に行くこともなかったはずだから,事故にも遭わなかったのに!」と言う。 b)Aが,暴力団Xに所属するBを射殺したところ,暴力団Xが報復を計画し,Cが実行することになった。Cは喫茶店内でAを見かけ,Aを射殺しようとしたが,弾が外れ近くにいた店員Xを即死させた。「AがBを射殺していなければ,報復もないはずで,Xは死なずに済んだはずだ」とXの遺族が言う。 いくらなんでもそりゃ関係ないだろう,と常識的に思うのではないでしょうか。 つまりこの二つの例では「因果関係なし」ということになります。 原因と結果がつながっていなければ,原因を惹き起こした人を罰することはできませんよね。 その因果関係の有無を,どこで線引きするか,が各説の違いです。 あとはそれぞれの事件と判例について,ということになりますが,私がごちゃごちゃ書くよりも,『刑法判例百選I(総論)』を読んでもらった方が分かりやすいと思います。 (1):最高裁平成2.11.20第三小法廷決定(P32) (2):最高裁平成4.12.17第一小法廷決定(P28) (3):最高裁平成15.7.16第二小法廷決定(P24) (4):最高裁昭和53.3.22第一小法廷決定(P22) 全部載っています。(カッコ内は私の手元にある判例百選第6版のページ。ただし改訂されているかも) (3)は,「えーっ」と思えますが(私の想定例aに近い),判例は「因果関係あり」と認めています。 判例百選は(刑法に限らず)見開き2ページで論点・各説の違いを解説していて分かりやすいですよ。

metto-ruds
質問者

お礼

判例百選は持っているので熟読したいと思います。 ただあれを見てもどういう風に書いていけばいいのかイマイチイメージがわかないのが難点ですが・・・

  • santa1781
  • ベストアンサー率34% (509/1465)
回答No.1

法律を学んでいない学生には、荷が重い宿題です。 ネットで判決文を見ることができます。裁判官の判決文を読んで意味が分かる事例について、あなたの感想を書けばよいでしょう。 でも、いい課題だと思います。

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