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東京の特別区と政令市の区の違いは?

東京の特別区と政令市の区の違いは?  東京都の千代田区といった特別区23区と、大阪市北区などの政令指定都市(政令市)の区との違いを教えてください。また、政令市の場合、市役所は不要となるのではないでしょうか?         =匿名

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  • SANKEI1
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回答No.1

 ■「出先機関」と「独立した会社」  東京23区から政令市に転居する場合、受け取った転出届を提出するのはいずれも、市役所ではなく区役所となる。しかし、同じ?区?ではあっても、23区で行われる区長・区議選は政令市では行われない。住所を伝える際も23区は区からで通じるが、政令市は「南区」だけではどこの市のことかは分からない…。23区と政令市の区は一体、何が違うのか。  「地方自治体を会社に例えると、政令市の区は本社に対し支店のような地域の出先機関、特別区は独立した会社だと考えると分かりやすい」と説明するのは総務省行政課だ。  政令市は都道府県とほぼ同じ業務を行うことのできる大きな権限を持つ。区は事務を円滑に行うための一区分にすぎず、地方自治体ではない。このため、市職員が就く区長は「あくまでも市長の部下」(行政課)で、区議もいない。市民を代表するのは市長であり市議となる。市役所も必要だといえそうだ。  一方、特別区は23区それぞれが地方自治体で、区長は都知事の部下ではない。区民の代表として区長と区議が選挙で選ばれる。  ほかの違いとしては、23区では消防や水道など、通常は市町村が行う業務を都が行っている。これは大都市の特殊事情によるものだ。23区内には都内人口の7割近い約880万人が集中しているが、面積は都全体の3割弱にすぎない。行政課は「それぞれに消防などの業務を行うことは非効率」だと指摘する。  特別区と政令市はいずれも都市行政のかたちだが、「どちらが効率や住民サービスの面で良いのか」に関しては議論がある。一例が大阪府の橋下徹知事と大阪市の平松邦夫市長の?府市再編?についての議論だ。  橋下知事は、人口約266万人の大阪市は市長1人が担うには大き過ぎるという認識の下、府と大阪市を一体化させる再編案を提唱する。構想では府と市町村を広域行政体と基礎自治体に再編。港湾や空港など広範囲にかかわる事業は広域自治体が担当し、住民サービスは人口30万人規模の基礎自治体が行うという。大阪市を東京のような特別区にする「大阪都」構想も浮上している。  一方、平松市長の構想は政令市の権限を強化し、大阪市と周辺市が合併して「大都市圏州」を設置。将来的に道州制となれば、市が独立して国と直接やりとりする関係をイメージしている。地域ごとの住民サービスは、区の権限を強化して行うという。  明治大学政治経済学部の牛山久仁彦教授(地方自治論)は「保育所や高齢者福祉、教育などについて、より身近な自治体に権限があり、多くのことを決められれば、地域事情に応じた対応ができ住民にとってメリットがある」と話す。  ただ、巨大な政令市を分割することに関しては、「複数の自治体をつくれば、それぞれに首長と議会を置くことになり、かえって行財政効率が悪くなる。大阪や横浜などの市民が市民でなくなることを良しとするかも疑問。効率とブランドの点で課題がある」と指摘する。  ■都道府県と政令市の関係  都道府県は名前は違うが機能は同じだ。政令市は文字通り「政令で指定された市」で、保健所や児童相談所など通常の市町村では都道府県が行う業務も担う。全国の政令市は、4月から神奈川県相模原市が加わったことで計19市となった。  神奈川県内の政令市は横浜、川崎と合わせて3つ。その人口は計約579万人と県内人口の約6割。3市がそれぞれに県並みの行政を行えば、県の役割はどうなるのか。  神奈川県市町村課は「県は高度医療、激しい災害に対する防災、環境政策など県でなければできないものに特化していく」と説明する。  今回、県から相模原市に移る業務は1000以上に上る。国道、県道の維持管理も市に移るため、道路特定財源33億円(平成22年度)が市に移譲される。業務が減った分、県は25年度までに職員計105人の採用を調整するなどして削減する方針だという。市町村課は「政令市が増えるのは望ましい方向性だ。効率的で身近なことは身近な市が担う道州制につながる」と話す。  牛山教授は「基礎自治体への分権で府県はやることが減ってきている。スリム化を進め、権限だけでなく財源も政令市に渡すべきだろう」と話している。(高橋裕子)     ◇  「社会部オンデマンド」の窓口は、MSN相談箱(http://questionbox.jp.msn.com/)内に設けられた「産経新聞『社会部オンデマンド』」▽社会部Eメール news@sankei.co.jp▽社会部FAX 03・3275・8750。

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