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畳込み積分の定義について教えてください
自分は物理系のB2の学生です。 疑問なのですが、畳込み積分の定義域が有界の場合と非有界の場合で定義域が違うように思えます。特にフーリエ変換や解析系の教科書の定義では、積分区間と積分される関数の引数には関係がなく、積分区間と定義域が一致しています。一方ラプラス変換を解説しているものは、積分区間と被積分関数の引数に関係があり、積分区間と定義域が一致しないようです。 畳込み積分の統一的な定義はないのでしょうか?それとも自分の勘違いでしょうか。
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[1] ラプラス変換では、t≧0で定義されている関数しか扱いません。t<0のときは本来対象にしない。たとえば exp(-t) と書いてあっても、これはt<0では定義されていない関数なのです。(だからこそ、わざわざtに符号が付けてある。)すると、積 f(t-x)g(x) が意味を持つのは 0≦x≦tの時だけです。だから畳み込みは f*g = ∫{x=0~t}f(t-x)g(x)dx と定義するしかない。と、これが一つの説明です。 [2] t≧0で定義されている関数を考える代わりに、 t<0のときf(t)=0 とすることによって定義域を-∞~∞に拡張して扱うこともやります。f(t), g(t)がそのように定義域を拡張した関数であるとき、 x<0 のとき、f(t-x)g(x)=0 x>t のとき、f(t-x)g(x)=0 なのだから、∫f(t-x)g(x)dx の積分範囲は、範囲0<x<tを含む範囲であれば何でも構わないわけで、従って、 f*g = ∫{x=-∞~∞}f(t-x)g(x)dx でも構わない。 ただし、このような定義域の拡張を行った場合には、明示的に f(t)= t<0のとき0、さもなくば exp(-t) のように場合分けをして書くか、あるいは f(t) = u(t)exp(-t) のように、ステップ関数u(t)との積として書く必要があります。 [3] 「畳込み積分の統一的な定義」という話になると、何も実数や非負実数だけが関数の定義域ではない、ということを考えなきゃいけません。いろんな空間を定義域とする関数の畳み込み積分がある。 もっと一般の話をしますと、数学的には、畳み込み積分は「関数の作る線形空間における内積の一種」と捉えるのが普通です。そして、類似した演算の様々なバリエーションがあり得る。なので、必要な時に必要な定義をきちんと書くのが当たり前であって、そうすれば「統一的な定義」なんてどうでも良いんですね。
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- stomachman
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ANo.1 滑りました。 「内積の一種」→ 「積の一種」に訂正です。
お礼
回答ありがとうございます。 そうですか。講義で同じ記号を使っているにも関わらず、やっている演算が異なるので気持ちが悪かったのですが、すっきりしました。どうもありがとうございます。