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辻村深月のブランコをこぐ足について【ネタバレ】
この作品の結末の意味が分かりませんでした。 10円で買ったガムを一緒に食べたせいで死んでしまったということでしょうか? 登場人物も多いですし、辻村さんの作品ですからもう少し捻ってあるような気がしているのですが…… ネタバレで良いので回答よろしくお願いします。
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これは、倉橋みのりの事件でありながら、最後は、 松田茜の想定外の結末が待っていますよね。 クラスの中で、一番、疎外感を抱いていたのは、みのりではなく 実は茜だったのかもしれないな、と私は思いました。 茜とみのりの最後の会話で、みのりは 「ジョウブツしちゃった霊は、なかなかゲンセに戻って来られないんだよ。 向こうの世界はみんな気持ちが安らかで苦しいことなんか何もないから、 こっちになんてもう絶対に戻りたくなくなるんだって」 と言っています。 キリエに嫌われ、母親の霊にも会えない茜は、ジュリア人形を 持っていないことなどで、友達からは内心、浮いた存在と思われていたみのりとは、 お互いに何か共感するものがあったのではないかな、とも思われます。 ガムのせいで死んでしまったとは、私は考えにくいのですが、 事故の前日に、ガムを分け合い、みのりは、共に負の要素を持った者同士の茜に、 自身の本音を語っているような気がするのですが、その中に、 翌日の自分の行動の暗示などが見え隠れしているようでいて、 あまりに文章が短く、なかなか読みとれませんね。 事故を目撃した生徒達の証言は、みのりが、単にこぐスピードを速めたために事故死したのではなく、 何らかの彼女の意図的な(自発的な)行為があったことを感じさせますね。 相変わらずの恐怖と謎に満ちた辻村ワールドです。 参考までに書いてみました。