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営業の全部譲渡
営業の全部譲渡において、株主保護規定があるのに債権者保護規定がないのは何故でしょうか?譲渡会社と譲受会社が同一の株主の場合、債務引き受け公告などしませんから、債権者など簡単に切り捨てられます。法人格否認は一般条項で使いづらいです。せいぜい、詐害行為で取り消し請求するくらいしか出来ないのでしょうか?他に方法はありませんか?そして、そもそも営業の全部譲渡において明文化された債権者保護手続がない理由をお教え下さい。
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>ここの所をもう少しお教え願えませんか? 例えば、通常、事業譲渡する場合、譲渡会社は譲受会社から、相当の譲渡の対価を得るはずですが、譲渡会社の代表取締役が不当に安い価格で事業譲渡をしたとすれば、会社財産を不当に減少させたことになります。この結果、会社債権者の債権回収に困難を生じさせたとすれば、会社債権者は代表取締役に(場合によっては、代表取締役に対する監視義務に違反した取締役に)対して、損害賠償を請求しうることになります。 また、取締役が自己もしくは第三者の利益を図るため、又は、会社に損害を与える目的で、取締役としての任務に背いて会社に財産上の損害を生じさせた場合、特別背任罪が成立します。 民法 (受任者の注意義務) 第六百四十四条 受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。 会社法 (株式会社と役員等との関係) 第三百三十条 株式会社と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。 (忠実義務) 第三百五十五条 取締役は、法令及び定款並びに株主総会の決議を遵守し、株式会社のため忠実にその職務を行わなければならない。 (役員等の第三者に対する損害賠償責任) 第四百二十九条 役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 2 次の各号に掲げる者が、当該各号に定める行為をしたときも、前項と同様とする。ただし、その者が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 取締役及び執行役 次に掲げる行為 イ 株式、新株予約権、社債若しくは新株予約権付社債を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該株式会社の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録 ロ 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書並びに臨時計算書類に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 ハ 虚偽の登記 ニ 虚偽の公告(第四百四十条第三項に規定する措置を含む。) 二 会計参与 計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに会計参与報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 三 監査役及び監査委員 監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 四 会計監査人 会計監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 (取締役等の特別背任罪) 第九百六十条 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該株式会社に財産上の損害を加えたときは、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 一 発起人 二 設立時取締役又は設立時監査役 三 取締役、会計参与、監査役又は執行役 四 民事保全法第五十六条 に規定する仮処分命令により選任された取締役、監査役又は執行役の職務を代行する者 五 第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項又は第四百一条第三項(第四百三条第三項及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時取締役、会計参与、監査役、代表取締役、委員、執行役又は代表執行役の職務を行うべき者 六 支配人 七 事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人 八 検査役 以下省略
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- buttonhole
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>そもそも営業の全部譲渡において明文化された債権者保護手続がない理由をお教え下さい。 営業譲渡(会社法では事業譲渡に名称が変わりました。)しても、譲渡会社と第三者との間の個々の債権債務関係(契約関係)から、当然に譲渡会社が離脱するわけではないからです。仮に譲受会社が譲渡会社の債務を引き受けたとしても、譲渡会社の個々の債権者の承諾がないかぎり、併存的債務引受にはなっても、免責的債務引受にはなりません。 >せいぜい、詐害行為で取り消し請求するくらいしか出来ないのでしょうか? そのとおりです。(場合によっては、任務懈怠を理由に、取締役は会社債権者に対して損害賠償をする義務を負いますし、特別背任罪により処罰される可能性があります。) 債権者保護としては不十分だと思われるかも知れませんが、会社が個々の財産を処分する際、いちいち債権者保護手続はしませんよね。なぜなら、会社の財産が処分されたからと言って、会社債権者の債務者が個々の財産の譲受人に代わるわけではないからです。ですから、事業譲渡も、債権者保護手続をする必要はないのです。
補足
>任務懈怠を理由に、取締役は会社債権者に対して損害賠償をする義務を負いますし、 >特別背任罪により処罰 ここの所をもう少しお教え願えませんか? 別訴や告訴も出来そうなので。 宜しくお願いします。
補足
詳細にありがとうございます。 価格は不当に安いどころか無償です。 今、法廷責任説で266の3条第三者責任の訴状を書いています。 頑張ります!